皆様、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。カナダ在住のみほです。
今回はカナダ政府が発表した栄養ガイドについてお話ししたいと思います。2019年に発表された現在の栄養ガイドがこちらです。
要出典?
”毎日様々な健康的な食べ物を食べる”
左半分は野菜と果物、右上はタンパク質、右下は全粒穀物食品、飲み物は水。
そしてこちらがそれ以前のものです
要出典?
見比べてみると、現在のものでは乳製品の項目は除外されています。タンパク質の内訳を見ると動物性タンパク質は少しになり、豆類が目立っています。
皆様はこれを見てどう思いますか?
以前の私は牛乳といえば学校の給食で毎日飲んでいたし、カルシウムを含んでいて骨を丈夫にする、なんとなく健康に良いなどといったイメージで乳製品を毎日摂取するのはあたりまえだと思ってました。
日本の学校給食に牛乳が導入されるようになったの戦後以降(昭和22年)。アメリカの乳業会社を儲けさせるために給食での牛乳をすすめ、日本行政もそれに従ったのです。
しかし、骨に良いはずの牛乳の消費量が増えるとともに骨粗鬆症の人も同じように増えていったのです。世界で1番牛乳を飲む国、ノルウェーの骨粗鬆症の発生率は日本の5倍。これは牛乳が体内に入ると血液が酸性になり、それを中和するために骨からカルシウムが溶け出しているからだそうです。日本人の腸には牛乳のカルシウムを吸収するために必要な「ラクターゼ」という酵素が少なく、この酵素は大人になるとより不足し牛乳を飲んでもカルシウムはほとんど排泄されてしまいます。
また戦後日本人が牛乳を大量に飲み始めた頃から増えた病気は骨粗鬆症だけではありません。脳血管疾患、ガン、心臓病の三大疾病『生活習慣病』もこの頃より増えてきています。
牛乳は血管を詰まらせるアテローム硬化の原因のひとつです。日米の牛乳メーカーは牛乳の普及と共に生活習慣病が増え続けている原因は牛乳の脂質にあると分かっていて、その対策として脱脂粉乳や低脂肪乳を生産しています。
また、牛乳に含まれるカゼインがガンの増殖を促しているといわれています。それだけではなく、白内障は牛乳、ヨーグルト、チーズのガラクトースが水晶体に沈着し混濁するために起こります。
Photo by Leon Ephraïm on Unsplash
人間が牛乳を大量に飲むことは人間だけでなく、牛たちにとっても不幸なことです。子牛は産まれて数日で親から引き離されます。牛乳メーカーは子牛が飲むはずの母乳を製品にしてしまうのです。
日本の酪農家では牛乳などの原料となる生乳があまり、廃棄処分をせざるを得ない事態が起きています。そのため国は生乳の生産抑制の為、乳牛の殺処分に対し一頭あたり15万円の助成金を出すと発表し年間で最大4万頭の処分を見込み、その年の補正予算に50億円分を計上しました。
これは10年ほど前に起きたバター不足から始まります。輸入ではなく国産のバターを作るように政府は生乳の生産量を増やす為の設備投資などに補助金を出し酪農家を後押し。多くの酪農家がこれに応える形で生乳の増産に踏み切ったのです。しかし新型コロナの影響で生乳の需要減少が長期化、さらにウクライナ危機による飼料価格などの高騰でコストは膨らみ酪農家は経営危機に陥った、という背景があります。
話をカナダの栄養ガイドに戻します。この栄養ガイド作成に携わったのは栄養の専門家ばかりで産業の関係者は一切この制作のプロセスに関らないように配慮されたそうです。
この栄養ガイドは業界の力に左右されない、健康と地球環境にも寄与できる画期的なもので、業界団体からは批判を受け、市民には好意的に受け取られているようです。
先日たまたま入ったカフェでドリンクを注文すると、追加するミルクの種類がアーモンドミルク、ココナッツミルク、オーツミルクの3種類で牛乳はありませんでした。我が家でも良く使っているメーカーの植物性由来ミルクと同じものがカフェにありました。
乳製品といえば誰もが好きだと言っても良いぐらいのチーズですが、チーズ好きが多いのには理由があります。チーズに含まれるカゼインは体内でカソモルフィンという麻薬成分と同じ効果をもつ物質を生成し、脳に幸福感と高揚感をもたらします。チーズが依存症を起こしやすいのは加工のプロセスで牛乳とは比較にならないくらいの多くのカゼインが濃縮されるからです。私もパスタなどに大量の粉チーズをかけて食べるのが大好きでした。
最近はプラントベースのチーズで代用しています。野菜を適当に切ってこのチーズをかけてオーブンに入れるだけ、というのをよくやってます。
大好きなピザもプラントベースでグルテンフリーのものがいろんなスーパーで買うことができます!
ヨーグルトはココナッツヨーグルトがあっさりしててとても美味しいです。
年末にカリフォルニアに行った時『ピンクベリー』ではデイリーフリー、乳製品不使用のストロベリーアイスをチョイスしました。(右側)
これからもデイリーフリー生活を楽しんでいこうとおもいます。
長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます! 皆様にとって良い一年になりますように。
写真・文/みほ
兵庫県出身、カナダのオンタリオ州在住。一児の母。ゆる〜