新たにスタートした、veggy onlineアンバサダーのShizukaさんによる本連載。第一回目となる今回は、ニューヨークのマーケットに並ぶ、カラフルな野菜の写真がたくさん届きました。
皆さん、初めまして。ニューヨーク在住のShizukaです。今回よりニューヨークのvege情報やライフスタイルをお届けする事になりました。どうぞ宜しくお願いします。
初回なので少し自己紹介させてください。福岡で生まれ育ち、転勤を機に東京へ。ある時ベジタリアンのご近所さんと知り合ったことがきっかけで、ベジタリアン/ヴィーガン/ペスカタリアンへと食生活は変化します。元々料理好きではありましたが、食や栄養への好奇心が増し、世界最大の栄養学校/ヘルスコーチ育成機関「IIN – The Institute for Integrative Nutrition」 でホリスティック栄養学を学び、ヘルスコーチ認定資格を取得した後、2020年ニューヨークに移住。現在はオーガニック野菜中心のフレキシブルな食生活を楽しんでいます。夫がトルコ人ということもあり、トルコ料理(ベジタリアン料理も多い!) もよく作ります。
ニューヨーカーの食を支えるファーマーズマーケット
さて、米国最大の都市ニューヨーク。様々な分野で活躍する人々は食や健康にも人一倍アグレッシブです。週末に限らず、ジョギングやトレーニングジムで鍛える姿はもはや日常風景。ニューヨーカーは外食やコロナ禍以降は中食の比率が高いそうですが、私は断然自炊派。Whole Foods Marketや Trader Joe’sといったスーパーマーケット、地元のオーガニック専門店、チャイナタウン(有名なマンハッタン地区にある以外にも、ここは中国かしらと錯覚してしまうほど巨大マーケットもあるのです)や、中東地域からの移民御用達のアラブ系マーケット(豆やスパイスが豊富)など、人種や民族の多様性と同様にそれぞれの食の台所が存在します。
勿論、日系のスーパーマーケットもあります。自宅の近所でギリシャ系移民が運営するマーケットは、棚一面にギリシャ直輸入のオリーブオイルやチーズが所狭しと並べられています。さすが人種のるつぼと言われるニューヨークは、フードダイバーシティでもあり私にとって好奇心が尽きない毎日です。
その中でも一番のお気に入りは、1976年より続くGrowNYCグリーンマーケット。ニューヨーク市の環境非営利団体が運営するファーマーズマーケットで、市内46ヵ所以上日替わりで開催されています。彼らの使命は、「すべてのニューヨーク市民が、新鮮な地元産の食品、近隣の緑地、廃棄物の削減、環境保護の機会に公平にアクセスできるようにすること」。
中でもユニオンスクエアのグリーンマーケットは最大規模で、毎週通うほどのファン。私の行きつけは、米国農務省USDA認可のオーガニックを取得し全ての野菜が有機栽培のお店です。旬の野菜が豊富に揃い、特に喜ばしいのが日本品種の野菜があったりするのです。
例えば、茄子はいわゆる米茄子がスーパーでは一般的で、日本と同じ品種がないのは海外あるあるなのですが、そこは白ナス、丸ナス、ゼブラ柄や紐なす、ミニサイズのナスに加えJapanese eggplant もあり、茄子だけで10種類近くが揃う充実さ。このニューヨークで母国の慣れ親しんだ食材が手に入るのは嬉しいだけでなく、生産者の方が「日本のナスは使いやすくて美味しいから好きなのよ」との話や、偶々隣にいた人から「これどうやって調理するの?」と気軽に話しかけられる、そうやって多文化共生が実現していると実感し、自分自身も異文化にリスペクトする気持ちが強くなる……なんて小さなお買い物にも新たな発見や学びがあります。
カラフルな色や品種が揃うトマトや、UFOみたいな形状のズッキーニやこんなに美味だったかと虜になる日本のシシトウも。人参、じゃがいも、キャベツにケール、レタスでさえも多種類あって、全く飽きません。これに共感した夫は、仕事帰りに立ち寄ってくれることもあり、そんな日は何が届くかワクワク感大になります。
その他グリーンマーケットでは、フルーツ屋さんで夏は桃やブルーベリー、秋にはニューヨーク名物のリンゴも。チーズ、きのこ、はちみつ、メープルシロップ、花、観葉植物、パン、酒、魚屋さん、ラベンダーオイルなど地元の多岐に渡るお店が満載。
彼らの野菜は工芸品のように美しく多種多様な形状でうっとりしてしまうほど。いつも買いすぎたかな、と思いつつも一週間で余す所なく完食。肝心なお料理は、新鮮なのでカットしてオリーブオイルと塩で和えたり、軽くソテーしたりするだけで最高の食卓になります。
まだ(もう?) 5年目のニューヨークですが、グリーンマーケットのお陰様で飽きる事のない食卓です。
2020年よりニューヨーク在住。本業は建築関係の傍ら、IIN