こんにちは。ニューヨーク在住のShizukaです。
さて、私の夫がトルコ人ということもあり、今回はトルコ料理の前菜「メゼ」ついてお話したいと思います。
トルコ料理はフランス料理、中華料理と並ぶ世界三大料理のひとつ。移住したニューヨークにはトルコ料理レストランが数多くあり、よく選ぶジャンルになりました。中でも「メゼ」と呼ばれる前菜は、アペタイザーとしてメイン料理の前に複数選んでいただくのですが、野菜や豆のお料理が多く、ベジタリアン・フレンドリーなのです。
フムス(緑色のフレッシュなひよこ豆添え)
定番のメゼは、フムス。茹でたひよこ豆にタヒーニと呼ばれる練りゴマ、にんにく、オリーブオイル、レモンを加えてペースト状にしたもの。どのお店もハズレがなく、シンプルゆえに盛り付けに個性が出ます。
メゼの盛り合わせ
多くの種類を少量で出してくれる盛り合わせも人気。左上からフムス、ババガヌッシュ(茄子のペースト)、焼きパプリカ、焼きナス、エズメ(細かくした野菜の辛いペースト和え)、クルミのトマトペースト和え。
デリの前菜盛り合わせ
こちらの写真は、旅行先トルコのホームメイド・デリで購入したもの。3つほど魚のメニューがありますが、ほとんどがお野菜。ぶどうの葉でお米を包んで炊いたもの、ブルグルという挽き割り小麦にサルチャと呼ばれるペーストを練り込んだものなど。このサルチャは発酵調味料でトマトと赤パプリカの2種あり、味に深みを出してくれます。(赤っぽい色のメゼはサルチャを使ったもの)
メゼは細かく分けると、冷たいメゼと温かいメゼがあり、後者はお肉が入ったものあります。
トルコ料理もみんなでシェアして食べます。人数が多いと色んな種類が楽しめます。
季節料理もあります。アーティチョークのオイル煮は、春から初夏にかけてのメゼで、オリーブオイルとレモンで煮たものを冷やしていただきます。
ゼイティンヤール エンギナル(アーティチョークのオイル煮、トッピングにニンニクとディル)
ズッキーニ花のドルマ(花びらの中にお米が入っています)
レストランでは、これら複数のメゼやサラダを楽しんだ後、メイン(肉か魚)、デザートと続くのですが、前菜だけでお腹いっぱいになることも多く、メインはお腹の余裕次第なんてこともしばしば。さまざまな食事法で健康に気遣う人にも選びやすいメニュー構成です。
味付けは、基本オリーブオイルと塩とレモン。オイルが酸味を和らげて優しい味付けです。トルコのオリーブ生産量は世界第五位。国の方針で一部を除きほとんど輸出されませんので、トルコ産オリーブオイルの知名度は低いのですが、癖がなく上質なものが沢山あります。
思い起こすと、トルコ料理との出会いは一冊の料理本、サラーム海上さん著の『MEYHANE TABLE 家メイハネで中東パーティー』(LD&K BOOKS)がきっかけ。移住前、まだ夫とも知り合う前に書店で見つけその料理の鮮やかさに惹かれました。トマトの赤にペッパーの緑、淡いグリーンの豆にジュエリーみたいな鮮やかなザクロなんて盛り付ける異国の料理は見るだけでもワクワクしました。トルコや近辺中東の作りやすいレシピとともに食材や音楽の話など盛りだくさん。(著者の本業は音楽でお料理は副業だそう)
お料理を通じて他文化を知るのも楽しく、大変勉強になります。
※参考:サラーム海上著『MEYHANE TABLE 家メイハネで中東パーティー』(LD&K BOOKS, 2016年)
2020年よりニューヨーク在住。本業は建築関係の傍ら、IIN