レッドもブルーも楽しめる、私のプラントベースバーガーの秘密|坊坂夏子さん

こんにちは、NY在住の夏子です。

アメリカでは今、11月の大統領選挙に向けて、民主党と共和党による選挙活動が本格化して盛り上がっています。この時期になると特に感じるのは、アメリカという国が本当に対極的な価値観を持つ人々によって成り立っていることです。異なる意見を持つ人々がそれぞれの主張を掲げながら、一つの国に共存している。その背景には強い地域性の影響があって、どこに住むかで価値観が大きく異なります。

 

政治とヴィーガニズムの意外な関係

ニューヨークに住みながら、マンハッタンの広告業界で働いていると、民主党支持が当たり前という雰囲気が漂っています。共和党やトランプ氏の支持者に出会うことはまずありません。

アメリカでは、民主党が強い州を「ブルーステート」、共和党が強い州を「レッドステート」と呼びます。アメリカの地図をこの色分けで見ると、西海岸と東海岸の州がブルー、中央や南部の州がレッドに分かれているのがわかります。面白いことに、この地域性は政治だけでなく、ヴィーガニズムにも関わっているのです。

実はヴィーガンフレンドリーな州を見てみると、ブルーステートと重なることが多いのです。例えば、ヴィーガンが盛んな州のトップとしてオレゴン、ハワイ、ニューヨーク、カリフォルニア、ワシントン、コロラドなどが挙げられます。これらブルーの州は都市部が多く、教育水準が高いため、環境や健康、動物福祉への意識が高い人が多いとされています。また、多文化な地域が多く、食文化の多様性も影響していると言われています。

 

アメリカ大統領選挙、ブルーステート、レッドステート、アメリカ地図

https://www.270towin.com/

 

https://www.newsweek.com/map-shows-most-vegan-obsessed-states-1939654

 

そして地球温暖化を疑問視し、経済優先の立場で知られるトランプ氏の支持者には環境問題に対する関心が低い傾向があります。一方で、ヴィーガンを実践している人は、食生活を通じて地球温暖化への影響を減らそうとしている人も多く、こういった面でもかなり対照的な立場にあると思います。

ブルーステートであるニューヨークに住んで5年、私はプラントベースの食生活を続けていますが、意外にもヴィーガンの友建は少ないのです。私は「ベジママ勉強会」という日本人向けのプラントベース栄養学のオンラインサロンに入っていて、そこで知り合ったベジ志向の友達は多いのですが、ニューヨークでの地元のヴィーガン友達はたったの2~3人ほどです。

それでも、ヴィーガンやプラントベースの話題になると、周囲の反応はポジティブです。「すごいね、偉いね」「私もたまにやってるよ」「知り合いがヴィーガンだよ」といった声をよく耳にします。また、外食する際には、ノンベジタリアンの友達がヴィーガンレストランを選んでくれることも多く、それも嬉しい点です。

最近では、ニューヨークのほとんどのレストランでヴィーガンメニューが提供されていますが、私の周りでは100%ヴィーガンのレストランにも興味を持って「たまにはヴィーガンも良いよね」という感覚の人も増えているようです。実際、ニューヨークには本当に美味しいヴィーガンレストランが多く、普段は動物性食品を食べる人でも満足できる味です。

 

Photo by Ben Duchac on Unsplash

 

多様な価値観が混在するアメリカで、ヴィーガンとして生活する上で私が大切にしているのは「人は人、自分は自分」という考え方です。英語のことわざに「Live and Let Live」という言葉がありますが、これは「お互いに干渉せず自由に生きる」という意味です。質問されれば喜んで知識をシェアしますが、聞かれない限り自分の考えを押し付けないように心掛けています(家族が例外になる場合もありますが……)。

ウチでは、家族や友達が集まってバーベキューなどよくやるのですが、我が家では、私がプラントベースのメニューを用意し、ゲストは食べたいものがあれば自由に持ち寄るという多様性を重んじたスタイルです。最近では、私が用意するプラントベースのバーガーを希望する人が半数以上になることも少なくありません。これは、私の周りでもお肉を控える意識が高まっている証拠だと感じます。

特に最近人気なのが、ビーツと穀物を使ったバーガーです。ビーツは夏から秋にかけて旬を迎える栄養価の高い野菜で、抗酸化作用が豊富。牛肉のバーガーに多い飽和脂肪酸やコレステロール、また塩分や化学調味料が多いヴィーガン加工肉バーガーに比べ、より健康的な選択です。グリルでもフライパンでも美味しく仕上がるこのプラントベースバーガー、ぜひ試してみてください。

その他にも家族に評判な我が家のプラトベースレシピは@plantnatsでシェアしています。

 

ビーツと穀物のバーガーのレシピ


材料(6〜7個分)

・ビーツ(調理済み) 2個分(約150g)
・キヌア(炊いたもの) 1カップ(約140g)
・玄米(炊いたもの) 1カップ(約150g)
・オーツ  1カップ(約90g)
・玉ねぎ 1/2個(約85g)
・フレッシュハーブ(バジル、コリアンダー、パセリなど) 1カップ
・マッシュルーム 3個(約80g)
・にんにく 2片
・ニュートリショナルイースト 1/4カップ(約30g)
・味噌 小さじ3
・パプリカ 小さじ1
・クミン 小さじ1/2
・うまみマッシュルームパウダー  小さじ1/2
・醤油 小さじ3
・バンズ(お好みのもの。おすすめはヴィーガン製、全粒小麦のバンズ)

 


作り方

  1. ビーツを調理する
    生のビーツを使う場合は、オーブンで柔らかくなるまでローストします。目安として、200℃で約45分(ビーツの大きさによる)。市販の水煮ビーツを使う場合はそのままでOKです。
  2. 材料を混ぜる
    すべての材料をフードプロセッサーかミキサーで攪拌し、しっかり混ぜ合わせます。
  3. 生地を調整する
    生地がベタつく場合は、玄米かオーツを1/2カップほど追加して調整します。混ぜた生地をバーガーの形に整えます。
  4. 焼く
    フライパンを中火で熱し、バーガーを入れて蓋をしながら、両面がこんがり固くなるまで焼きます(片面3〜5分程度)。
  5. 仕上げ
    焼き上がったバーガーをバンズに挟み、お好みのトッピングを加えて完成です。
    トッピング例: トマト、オニオン、レタス、グリーン、ピクルス、マスタード、ケチャップ

 


文・写真/坊坂夏子

アメリカ生活歴26年(NY在住)、2児の母、広告業でクリエイティブディレクターをやりつつ、PlantNatsとしてプラントベースの食に関する発信、コンテンツ、レシピ研究、講座、ケータリング、料理教室、などを行う。プラントベース栄養学資格取得。ベジママ勉強会講師/ベジライフデザイナー。

Instagram:@plantnats

この記事がよかったらシェアしてください

latest issue

veggy 最新号

SNS

veggy SNS

Related posts

最新の投稿