第5回 オーガニック・ファーマーから学ぶ野草の魅力 前半
こんにちは。カナダの首都オタワからマコです♩
さっそくですが、みなさん、野草というと何をイメージしますか?私がパッと思いつくのは、小学生の頃、登下校の際によく摘んだ、たんぽぽやつくしです。たんぽぽは王冠を作ったり、つくしは母や近所のおばちゃんにバターでサッと炒めてもらい食べてました(笑)野草なんて、そこらじゅうに生えていたので、特に気にとめることなく現在に至るのですが、実はそんな野草には特別な力があるようです。
今回のコラムでは私がオタワで一番好きな場所、Jambican Studio Gardens から日本人ファーマー渡辺久美子さんに野草の魅力についてお話を聞きました。
2回に分けての本コラムの前半は、久美子さんのお気に入りの野草「ネトル(Stinging Nettle)」についてご紹介します。
オタワでオーガニックファームを運営している渡辺久美子さん
雑草にしか見えないネトルの力
久美子さんのファームの至る所に生えているネトル。野草の知識のない私にとっては、ただの雑草にしか見えないのですが、久美子さんがコロナ前まで出店していたファーマーズマーケットではそれを目当てに来るお客さんたちがいたとか。実は、北米だけでなく、久美子さんが昔住んでいたスウェーデンでも、ネトルが日常生活に欠かせないアイテムだったようで、その魅力には花粉症を和らげる効果や(前回コラムでご紹介したチャーガと同様ですね!)女性に不足がちな鉄分やビタミンCを含んでいたり、さらにデトックス効果もあるようです。野草からこんなすごい効果を得られるなんて、驚きですね!
乾燥させてお茶にする
スープやお茶として
楽しみ方として、久美子さんの一押しはスープです!私も少し味見させてもらったのですが、苦そうな見た目からは想像できないほど、マイルドな味でした。ココナッツミルクを入れたらさらにクリーミーになるようですよ。
またカナダ人の間では、お茶としていただく方法が一般的なようです。新鮮なネトルを1週間ほど陰干しにして乾燥させたら出来上がりとのこと。新鮮なネトルが手に入らない場合、北米やヨーロッパではヘルスフードのお店に行けばネトルのお茶は販売されていますし、日本でもネトルティーがオンラインで販売されています。
ネトルスープ
ネトルティー
日本のネトルとカナダのネトル
日本ではネトルをイラクサと呼び、オオバイラクサ、エゾイラクサという類のようです。そしてカナダで採れるネトルはセイヨウイラクサと呼び、同じネトルでも種類が違います。日本ではアイヌ民族が春先にネトルを汁物の具にしたり、現在でも地方によってはお浸しなどにして楽しんでいるようですが、野草初心者の私としてはネトルを食べるにはまだちょっと勇気が必要です(きっとネトルについている痛々しいトゲが原因かなと…。火を通したり、乾燥させれば、トゲもなくなりますが!)
ファーマーズマーケットでも販売されている
「ネトルの素晴らしい栄養価を知らないなんてもったいない!!」と、野草の力を普段から生活に取り入れている久美子さんと話していると私も自然のエネルギーをたくさんもらったようで、これからもっと野草について知りたくなりました。後半もお楽しみに!
参照
http://jambican.ca/ja/homepage/ (久美子さんのジャンカン・オーガニック・ファーム)
http://www.ainu-museum.or.jp/siror/book/detail_sp.php?page=book&book_id=P0294
https://www.medicalnewstoday.com/articles/nettle-tea-benefits#potential-benefits
小倉マコ(ペンネーム)
兵庫県姫路市生まれ、カナダのオタワ在住。フリーランスライター(コミックエッセイの原作、P R、新聞記事、コラム)をしながら、アートスクールで絵の勉強もしています。主な著書『日本びいきのハーフっ子と里帰り』(イーストプレス)『姑は外国人』(角川書店)
Instagram:@mako_artspace