「オーガニックは既に、ニッチな領域ではなく世界規模の動きだ。」
高まる健康志向に加え、世界的に中間階級が増えつつあることにより、オーガニックは「一部の健康志向の人に向けた」業界ではなくなっている – 世界最大のオーガニック農作物支援団体であるIFOAMのマルコ・シュリューター氏はそう話します。
2026年2月。ドイツ・ニュルンベルクにてBiofachというオーガニック食品の見本市が開催。ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南北アメリカ、オセアニアから、2700人を超える出展者が会場に集結しました。
今回の会場では、特に「抹茶」や「プロテイン」の文字が入った商品をたくさん目にし、オーガニック業界におけるトレンドになっていたことが印象的でした。ビーガン料理のコーナーで試食をして驚いたことは、コクのある味付け。ビーガン用の調味料も種類が豊富になり、普段ビーガンではない人も満足するレベル(あるいは、ビーガンと気が付かないレベル)まで味の質が上がっています。過去の見本市ではグルテンフリーの商品をよく見かけましたが、更に「食物繊維が豊富」という文字が入った商品が並ぶようになっていました。
開催国のドイツ企業を集めたホールでは、スタートアップを集めたブースの一角もあり、20代と思われる若い出展者が目立ちました。また、州内の商品の輸出強化を目指すべく、「州」として出展しているブースもあり、行政もオーガニック食品業界に注力して投資しているのだと実感しました。
当日出会ったドイツ企業の製品を紹介いたします。
子どもが好きな「遊び心」と、大人が期待する「自然素材」が出会ったら……?そんな夢を実現したのが、Easy Natureの子ども用のリップクリームです。3人の子を持ち、生化学者である創業者のニコーレさん。リップクリームを創ることを思い立ち、娘さんが描いた絵からアイディアをもらい、それをデジタル化してデザインを完成させました。なるべく安全なものを使いたい、との思いから、合成香料や保存料を使用せず、自然素材の原材料を最小限で選んだとのこと。そのエピソードだけでも素敵なのですが、実際に唇を保護した時の安心感に感激しました。保湿力の素晴らしいこと!優秀な化学者の手にかかれば、シンプルな成分でも高度な製品に生まれ変わることを実感。
赤ちゃん用のスキンケア商品も大人用も市場にあるけれど、その間の子供用は意外にも少なくて」とニコーレさん。今回訪れたBiofach2026で、一番「ときめき」という言葉が似合う製品はこのリップクリームでした。オーガニック界隈をますます盛り上げる存在になりそうです。一歳半の娘が大きくなったら、ぜひ贈りたい一品。
ドイツのオーガニック業界の進化を表している、と感じたのがこのデーツ(ナツメヤシ)を使ったお菓子ブランドです。ビーガン、グルテンフリー、そして精製された砂糖不使用。その文言だけ聞くと、いかにも地味なお菓子を想像するのではないでしょうか。ですが、このお菓子は、デーツの風味が濃厚で、すっきりとした甘さで大変美味!ドイツのオーガニック業界では今後デーツが、重要な材料のポジションに就いていくのでしょう。今回は、抹茶とラズベリー味とキャラメルブラウニー味をお試ししましたが、他にも、ココナッツベリー、ティラミス、ラズベリーアーモンドキャラメル、塩ピスタチオ、と豊富なラインナップがあり、様々な味を楽しめます。全国展開しているので、コンビニやスーパーマーケットでも購入可能なのも嬉しい。
ドイツのオーガニック食品は、フェアトレードや売り上げの一部を寄付する取り組みといった取り組みをしている企業が少なくありませんが、環境保護の観点からパーム油不使用と書かれていたのも印象的でした。
現地リポート②に続きます。
写真・文/金 明希 (きむ みょんひ)
1991年東京生まれ。
出版社、翻訳会社の勤務を経て、2018年よりドイツ在住。
Instagram: @mion_91k



