プラントベース食で3人の子供を育てているパウエル由美さんの連載がスタート。まだまだ日本では情報が少ないプラントベース子育てについて、プラントベース栄養学講座のオンラインサロンなども主宰されているパウエルさんに教えていただきます。
こんにちは。コロラド在住、3姉妹の母、パウエル由美です。
長女7歳、次女3歳は生まれてからずっとプラントベースで健康に成長中。そして、三女は8月初めに産まれたばかりです。プラントベース栄養学を勉強してから、美味しく食べながらも、子供たちの健康をしっかりと支える食生活について自信を持つようになりました。
プラントベース子育てをする上でのヒントにしてもらえたらと思い、ママ目線で海外での子育てや栄養面について紹介していきます。
アメリカの学校のランチ。プラントベースオプションはサンフラワーシードバター&ジャムのサンドイッチ
いま、アメリカで増えている“プラントベース子育て”
アメリカでは現在、人口の約10%がプラントベースの食生活を取り入れていると言われています(2021年の調査より)。スーパーの植物性コーナーは年々広がり、外食でも多くのお店にヴィーガンオプションがあるようになってきました。
プラントベースを選択する理由は動物倫理の問題や環境への配慮、健康のためなどが挙げられています。子どもたちの未来のためにも、動物性食品の消費を減らし、植物性の食品を中心に子育てを行う家庭が増えています。
学校などで環境問題を学び、子供の方からプラントベースを選択する家庭もあるようです。食生活を通じて、地球環境に与える影響を減らすことは、次世代への大きな贈り物となります。「子どもたちには、食べ物がどのように作られ、どのように地球に影響を与えるのかを教えることが重要だと思います。これが未来のためのサステナブルな選択だと信じています」と話すママもいます。
学校の食堂のサラダバー
気になる栄養面は?
「プラントベースで子どもの栄養は大丈夫なのだろうか?」という心配も出るかと思いますが、コーネル大学のプラントベース栄養学コースでも小児科の先生が「子どもたちの健康と成長にもプラントベースの食事が適している」と紹介していました。
心配されがちなタンパク質も、豊富に含まれているお豆類やナッツ、種子類などを取り入れるだけでも十分に必要摂取量が摂取できたり、穀物やお野菜も食べることでバランス良く栄養を摂ることができます。
動物性食品ばかりを食べていると、タンパク質の他にも多くの飽和脂肪酸や高コレステロールなどを摂ってしまうため、現代病の初期段階が子供のうちからもスタートする、という研究結果などもあります。プラントベースの選択が子供の将来の健康へのサポートへとも繋がっていきます。
このような知識もアメリカでは広まりつつあり、医師の勧めでプラントベースを選択した、という友人もいます。
ランチは自由に選べるので、お弁当の日を持たせる日が多いです
多様な食への理解が根付くアメリカ
アメリカでは元々、多国籍・多文化の人が集まり、食事の選択も個人の選択、という概念が当たり前ではあるので、プラントベースの選択をしていると伝えても、受け入れてもらえるのが当たり前ではあります。プラントベースのオプションを用意してもらえることも多いです。学校給食でも、プラントベースの選択肢が増えつつあります。
とは言っても、まだまだ、動物性食品やファーストフードが溢れているのがアメリカ。プラントベース製品でも、超加工品もあるので、子供たちと「食べ物がどこから来ていてどのように作られているのか?ヘルシーな選択とは?」を一緒に学び、自らヘルシーな食選択ができるようになってもらえたらと思っています。
楽しく食べる、を大切に
次回は、子育てのはじまり。心配が多い妊娠期や授乳期の食事について、紹介したいと思います。
文・写真/パウエル由美
米コロラド州在住、3姉妹の母。ヴィーガン/プラントベース歴10年。コーネル大学プラントベース栄養学修了。ベジママ勉強会オンラインサロン主宰。
@veg_yummy @vegmamasalon