世界最大級の国際オーガニック見本市「BIOFACH&VIVANESS 2023」

2023-03-01

グーテンターク！金　明希（きむ　みょんひ）と申します。

ご縁をいただき、これからドイツを含めた世界のオーガニック製品・情報についてのコラムを執筆することとなりました。

日本に住んでいた頃、日本国外のオーガニック製品をワクワクしながら試したのはveggyの雑誌がきっかけでした。

その恩返しとして、今住んでいるドイツや海外の情報を発信できることを大変嬉しく思います。

この連載記事が、皆様にとって生活を楽しくするささやかなヒントになりますように。

2023年2月14日～17日にドイツ・南部のニュルンベルクで開催された、BIOFACHとVIVANESS 2023という国際見本市（メッセ）に行って参りました。

https://www.biofach.de/

https://www.vivaness.de/

実は、ドイツは世界一の国際見本市（メッセ）大国。どの国でも、経済政策の成功例はあるものだと思いますが、ドイツに関しては「世界最大級のメッセ会場」をいくつも建設したことが、最高のビジネスモデルなのかもしれません。とある調査によると、世界にある敷地面積が最も大きいメッセ会場上位10位のうち、2位、3位、7位、そして9位がドイツのメッセ会場だそう。いわゆる「ビジネスクラス」の人が世界中から移動するので、当然ながら旅行会社・航空会社・観光業界諸々の経済が動かないはずがありません。周辺のホテルもメッセ期間中値段が上がり、ドイツのメッセ会場付近にあるホテルでは、普段から料金リストの下に「メッセ期間中の料金」を記載しているところもあるほどです。

日本で一番規模の大きい東京ビッグサイトの約1.5倍のニュルンベルク・メッセで開催される、オーガニック食品・コスメのメッセ。この二つのメッセは毎年同時開催されるのですが、2023年のメッセでは2675社が出展し、135か国から36,000人が訪問したそうです。世界各国の企業がブースを出す、またとない機会なのですから、ワクワクしないはずがありません。今回はコスメのVIVANESS 2023中心に訪問しました。

Foto: NuernbergMesse

上記の会場マップでもわかる通り、メッセはテーマパークのような「広大」な敷地。会場に到着して歩き始めると、ちょっとお手洗いに行こう、と思っても15分以上かかってしまうほど、「広大」という言葉の意味を実感します。

Gemeinschaftsstand Junge Innovative Unternehmen / Young Innovative Companies Pavillion Foto: NuernbergMesse

メッセの目玉は、世界中の企業がその場で「商談」できること。各ブースでは、企業担当者が自社製品を積極的にPRしていました。言うまでもなく、その場で企業担当者と直接話せるのがメッセの特徴。特にオーガニックコスメのブースでは、コスメの香りや使用感を直接試しながら担当者に質問をするといった、と有意義な時間を過ごすことができます。（特にオーガニックコスメの業界では、心地よいハーブの精油を香料として加えている企業が多いので、この日はずっとハーブの香りにつつまれていたような気がします。）

自社の試食ブースを設けている企業も。材料についてはもちろん、調理方法などについてもその場で聞けるのが嬉しい。当日は、PRしたい企業の他、メディアや食品・コスメのディストリビューターが各地から集まります。

世界各国の企業が集まり、様々な言葉が行き交う空間であるメッセ。食品メッセでは、例えばイタリアのパビリオンでは、イタリア各地のパスタのメーカーが、チュニジアのパビリオンでは、デーツ（ナツメヤシ）のメーカーが集結。さらに「見たことのない」食材や調味料まで並んでいるのですから、自身の五感を使って新たなヒントを得る人も少なくないでしょう。その意味で、メッセは、自社製品をPRして「伝える」と同時に、既存の企業の商品を視察しに行き「学ぶ」こともできる場所なのです。

会場で最も目を引くレイアウトだったのは、オーストラリアのハーブティーブランドである、SONNENTORでした。

細部までドライフラワーを使って華やかに見せる手腕はお見事！

Foto: NuernbergMesse