スペインのベジミート事情

今回はスペインのスーパーでもよく見かけるようになった代替ミートなどのお手軽ベジ食品事情をご紹介します。

スペインでは今までも健康食料品店やナチュラル系のショップなどで、ベジタリアン用の食品や代替ミートを手に入れことはできたのですが、ここ数年の健康志向の高まりからか、通常のスーパーでも特設売り場が設けられるようになるほどに変化してきました。食にかける情熱が高いここスペインでも、ベジタリアン食の人気と認知度が高まっているのは嬉しいことですね。

スーパーで見かけるベジ&ヴィーガン食品売り場

スペインのスーパーで見かけるベジタリアン食材には、ベジバーガー用のパテから、ベジソーセー ジ、ベジハムやベーコン、鶏肉のような見た目と食感のベジチキン、セイタンミートや、ヴィーガン用卵、ヴィーガン・マヨネーズなど、どれを選ぶか迷ってしまうほど、各ブランドから様々な食材が種類も豊富に揃うようになりました。

大手スーパーではベジタリアン&ヴィーガン食材の専用の売り場を見かけることもあり、今までベジタリアン製品に興味のなかった人たちの目にもつきやすくなっているようです。

中でも売り切れになることが多く、特に人気なのがバーガーの具材に出来るベジミート。野菜や豆を原料にした軽い食感のパテや、豆腐やセイタンを使ったしっかりと噛みごたえがありお肉の食感に似たパテなど、数種類あるのでお好みで選べます。ボリュームもたっぷりで食べ応えがあるため、ベジタリアンでない人や男性にも人気が出ているようです。我が家でも豆腐ベースのベジパテを利用した野菜たっぷりのベジバーガーが子どもに好評なので、時々利用しています。

スーパーにずらりと並ぶベジミート類。この特設コーナーではベジパテやセイタンミートが中心に売られていました。

写真に写っているのは「carrefour veggie」というブランドのベジミートです。

気になるベジミートのお味は?

まだ食べたことのない方は、見た目もお肉にそっくりのベジミートってどんな味なんだろうかと思う方もいるかもしれません。ベジミートで使っている材料は主に豆類や野菜、豆腐がメイン。そのため胃が重たくなるようなこともなく、食べやすいのも特徴です。

素材の味がしっかりと出ているパテや、ちょっと不思議な食感のハムやベーコンなど、バラエティ豊かで驚かれるかもしません。お味はというと、見た目のお肉感からは想像しがたいような、野菜や豆腐本来のやさしい味がします。調理方法もいたって簡単で、フライパンで両面を数分ソテーするだけだったり、オーブンで軽く焼いたりすればすぐに食べられます。ハーブなどで前もって味付けしてあるものがほとんどですが、物足りない時はお好みのソースを添えていただいても美味しいです。

ライスフラワーを使って、ビートルートで色味をつけてある見た目もそっくりなミートフリーサラミ。

その他、ベーコンやソーセージなどもミートフリーの製品が出ています。

「Heura」のプラントベースチキンやバーガーのパテ

同じベジミートでもブランドによって味がずいぶん異なるので、色々な種類を試してみて自分の好みの味を探すのがおすすめ。

ベジパテにヴィーガンマヨネーズとヴィーガンチーズを使ったベジバーガー「Soria Natural」

レストランやカフェのベジメニュー

スペインのカフェやレストランでもベジタリアン&ヴィーガン対応のメニューを見かけるようになりまし た。まだまだ全ての飲食店が対応しているわけではないですが、それでも少し前と比べるとメニュー 表記にベジセクションがあるのは大きな変化です。スペインではほんの10年ほど前までは、ベジタリアンが外食をするとなると選択肢が非常に狭かったのを覚えているのですが、ここ数年での異なる食に対する受け入れと変化には驚かされます。

また、ベジタリアンやヴィーガン専門のカフェやレストランも増えてきており、テイクアウトも出来てますますベジ食生活が手軽になってきました。

サンドイッチ専門店メニューのベジ&ヴィーガンセクション。ベジミートを使ったバゲットサンドやバーガー、ベジチキンと豆腐のサラダなど。

今やベジタリアンでなくとも健康志向の人々の間で人気になりつつあるベジミート。以前にはあまり見かけなかった雑誌などのメディアでベジタリアン食の特集が組まれたりするようになったのも、ヘルスコンシャスな人々の間での食に対する選択の変化を意識してのことのようです。

特に若い世代を中心に、週に1、2度はお肉を食べない日をもうける風潮が出てきたことは、伝統的な食文化を大切にし、お肉や魚介類の消費が多いここスペインにおいては画期的とも言える食の変化の表れと言えるのではないでしょうか。