6月を迎えたベルリンは、例年よりも暑くてとても驚いています。私がこちらに来た3年前の夏は太陽がとても美しくって、光に当たっても暑苦しいということはなく、心地よい感覚でした。
でも、年々日差しが強くなってきていて、この間の木曜日は37度だったかな。こんなお天気、ベルリンでは初めてで、日陰に避難しても暑い。そして、今までそんな夏を迎えてこなかったから、基本冷房という機能がベルリンの公共施設にはないのです。電車もバスも、あまりの暑さに窓を全開にしてくれているけれど、入ってくる風は生暖かいもの。。地球のことが心配になってきます。
さて今回はそんな暑いベルリンで6月末に開催された、持続可能な消費をテーマに開催されている『The Green Market Berlin: “Summer Edition 2019″』の様子をご紹介したいと思います。
『The Green Market Berlin: “Summer Edition 2019”』とは?
Green Market Berlinは、ビーガンシーンの新しいヒーロー達にとって理想的なプラットフォームの設立を目指し、2014年にスタートしたイベントです。夏と冬の年2回開催されています。
出展者と訪問者の間でアイディアを交換する機会を提供し、持続可能な消費を意識的に楽しめることを証明することが、このイベントの目的です。出展者を選択する際は、”持続可能”なプロダクトであることを非常に重視しているそうです。
会場では、食べ物の屋台、音楽、ファッション、化粧品、クッキングショー、DYIワークショップ、講演会、そしてギフトなど、アイデアのカラフルな組み合わせに出逢うことができます。
3月に行われた『VEGGIE WORLD in Berlin 2019』と比べると、大きな企業ブースなど説明的なものは少なくて、もっとラフに身近に、ビーガンライフをみんなで楽しもうよ!という雰囲気が漂っていました。
ブースを覗くと、”持続可能”を意識したプロダクトが多く見つけられました。例えば、何度も使用できる竹で作られたストローだったり、持ち運び可能なフォーク・ナイフセットだったり。素敵だなあと感じたのは、そのような商品パッケージを現地のアーティスト達とコラボしていること。ブースのお姉さんが1つ1つ丁寧に教えてくれました。私も絵を描く人として、何かこういう形でお手伝いできたらなと刺激を受けました。
それから掃除用・洗濯用などの洗剤を果物などから作るレシピ本も見つけました。いくつかレシピを読んでみたのですが、身近にあるもので、材料もおそらく市販の物をドラッグストアで購入するよりも格段に安く、簡単につくることができるものばかりでした。もしこのことを多くの人が知ったら、ケミカルのものを買わず、手作りする人たちも増えるのではないでしょうか。
私のルームメイトも、環境保護にとても敏感で、洗剤類はいつも全て手作りをしています。この間、市販の洗濯用洗剤を使い切ったので、今度ルームメイトに作り方を教えてもらう予定です。これも、veggy onlineさんでシェアできたらなと考えています◎
日本では近年、ビーガンであったり、”持続可能”を考えたプロダクトだったりが話題になってきていると思いますが、こちらではもう日常で、地球環境に配慮していない商品であれば購入しないと意思表示している人が多く、『VEGAN』『BIO』の表記がある商品の方が消費者に信頼されています。そのため、多くの企業が『VEGAN』『BIO』のプロダクトを積極的に開発しているという循環が、日本でももっと活発に行われていけばいいのになと願うこの頃です。私の記事が、誰かが気づく何かのきっかけになればいいなと思いながら執筆しています。
少し熱くなってしました!イベントレポートに戻ります!
会場を散策していると、こんな可愛いBarを発見しました。
「犬と一緒に会場に遊びに来ることは大歓迎です!でも犬達が、たくさんの人、音楽、匂いのストレスにさらされているのを忘れないで。私たちは主催者として、犬達が何かを飲むことができるように、小さな給水所を設置します。」
こういう気遣い、とても心があたたかくなります。会場では、飼い主と一緒にイベントを楽しむワンちゃんたちをたくさん見かけました◎
さて、私もお腹がすいてきました。美味しいビーガンフードを探しに行きましょう!
スパイシーなお野菜が、ぎっしり!モロッコの伝統料理。
本当にたくさんの美味しそうなビーガンフードの中から、迷いに迷って気になったのが、こちら。
この丸く包まれたものたちは、一体なんなんだろう…?う〜ん、いい匂い!気になっ
て、店員の兄さんに聞いてみました。
「これは、モロッコの伝統料理だよ。春巻きのような皮で、野菜を包んで焼くんだ。」
なるほど!モロッコ料理は食べたことがないので、メニューの『Moroccan vegetable plate』を注文してみました。
春巻きの皮のようなもので包まれた中には、独特のスパイスで味つけられた野菜がぎっしり。ちょっと辛いけれども、夏にぴったりな味でした!
デザートは、カラフルな100%植物ベースのアイスクリーム!
ボリューミーなモロッコ料理に、お腹がいっぱいになりましたがデザートは別腹です。こんな暑い日は、アイスクリームが食べたい!!と、目に付いたのはカラフルなアイスクリーム。
『Tribeca ice cream』は、栄養について意識するアイスクリーム愛好家に向けて作られた、スペシャルなアイスクリームなのだそう。
ベースはココナッツオイル・ナッツミルク・ココアバターで、 人工的な味や添加物、精製された砂糖は未使用。 その結果、グルテンと大豆を含まないスーパークリーミーなビーガンオーガニックアイスクリームが完成したのだそう!
悩んで、贅沢にピーナッツチョコレートチップ味・ラズベリーココナッツ味・ブルーココナッツ味の3つをチョイス。
どれもとてもクリーミーな優しい味で、暑い夏を鮮やかな思い出に変えてくれました。
Tribeca ice cream
HP: https://www.tribecaicecream.com/
Instagram : @tribecaicecream
次のGreen Marketは、冬!また違った、冬の料理や新しいプロダクトに出会えることを楽しみにしています◎
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Green Market Berlin
HP:http://greenmarketberlin.com/
Instagram: @greenmarketberlin
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KiKi / イラストレーター
西伊豆の小さな限界集落出身。交通機関もない、1番近いお店まで車で1時間。とにかく大自然しかない小さな集落で、紙とペンと空想で無限大に遊べることが、この上ない娯楽で贅沢でした。
2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。その後、同大学マンガ学科研究室にて副手を3年間務めながらイラストレーターとしての仕事を少しずつ増やしていき、2015年からフリーランスに。居場所を探して旅するように生きていたらベルリンに辿り着き、2016年の夏から移住。
例えば、私のように小さい集落で暮らしている子が、そこから旅立つ時期を迎えたときに、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』って気づけるようなものを残していけたら、最高だなと思いながら絵と文章をかいています。
Portfolio site : http://kiyonosaito.com/
instagram : https://www.instagram.com/kikiiiiiiy/
veggy (ベジィ) vol.97 2024年12月号 持続可能な食&農
vol.97 contents ●Features 持続可能な食&農 未来を耕す!/鈴木宣弘 熊谷真実の自然農で自然体に生きる 古代食を未来食へ 毎日食べたいお米&雑穀レシピ/リト史織 欧米の持続可能な食&農の現在地 化