ファッションって一体何?バーバリーの2019年秋冬コレクションのデザインに問題提議した、若きモデルのLiz Kennedy(リズ・ケネディ)。世界初となる、彼女のヘルスコンシャスでピースフルなライフスタイルやメッセージを、いち早く雑誌「veggy(ベジィ)」がお届けします。

2019年2月17日に発表したバーバリーの秋冬コレクション「テンペスト」に出演し、左右のフードの紐が1本にまとめられ、まるで「首吊り輪」のようにあしらわれていたデザインに関して問題提議したことで話題となった、モデルのリズ・ケネディ。賛否両論ある中、ネットやテレビのニュースではコレクションにまつわる事実報道しかされていません。彼女が一体どんなライフスタイルを送っていて、どんな女性であり、なぜこのような状況になったのか? その一連がわかるような情報はどの海外のニュースを探しても出てきませんでした。

私は彼女のことを早朝のニュースで知りましたが、ニュースではバーバリーの例のデザインの映像ばかりが一人歩きしていて、違和感を感じました。と同時に、私はなぜか彼女がベジタリアンのような気がして、どんな女性なのか気になってすぐに彼女のインスタをチェックしたのです。しばらくすると、ヨガのティーチャートレーニング(TTC)最中でのディナーの様子が映像で流れてきました。なんだか聞き覚えのある笑い声が映像から聞こえるな〜と思って眺めていると、なんと雑誌veggyで長年連載してくれている、バリ島ウブド在住のローフード・シェフの田中さゆり(Sayuri)さんだったのです。

そんな不思議な流れで、私が彼女にインタビューするまでに時間はかかりませんでした。前置きが長くなりましたが、ここからは彼女のライフスタイルや想いをお伝えします。

Profile

Liz Kennedy(リズ・ケネディ)

アメリカ出身のモデル。
ヨガのTTCに参加し、食事はプラントベースが中心。

Q1.ローフードシェフのさゆりさんが参加していたヨガのTTCに一緒に参加していたそうですが、いかがでしたか?

Liz:ヨガのTTCは、とてもパワフルで素晴らしかったわ。私はすでにマインドフルやスピリチュアルにフォーカスした生活を送っていたの。でも今回参加したことで、自分自身をより内観することができて、前よりも生きるべき意味や自分のやるべきことなどが明確になった気がするわ。きっとその経験が、今回のバーバーリー・コレクションに問題提議することを後押ししてくれたような気がするわ。

Q2.取り入れている食事や健康法などがあれば教えてください。

Liz:普段の私の食事についてですが、まずコーヒーは一切飲まないの。あとは特にグルテンフリーではないけれど、100%完全菜食主義者であることに今は取り組んでいるわ。そしてスキンケアなどの美容面では、100%自然な製品だけを使っているの。いつも自宅では、エッセンシャルオイルを使用して、オリジナルの美容トリートメントを作ったりもするわ。さらに私の大好きなスピリチュアリティと美しさを高めるための儀式は、お湯を張ったバスタブに、幾つかのクリスタル(パワーストーン)、エプソム・ソルト、エッセンシャルオイルを入れて、穏やかな光を灯すキャンドルを周りに置いて、ゆっくり浸ること。これは私のエネルギーをとってもにきれいにしてくれるのよ。

*パワーストーン(クリスタル):古代から様々な国の先住民たちが、色んな形で取り入れてきた石のパワー。現在あらゆる種類のストーン・ヒーリングが注目されています。

*エプソムソルト:雑誌「veggy(ベジィ)」でも、デトックスしたい時にオススメしている入浴アイテム。15世紀~16世紀にイギリスのエプソムという場所で発見され、塩の結晶に似ていたことから名付けられる。体内に不足しがちなミネラル成分のマグネシウムをお風呂に浸かることでしっかり皮膚から吸収できるということから、世界中で人気が高まっている。

Q3.あなたにとって健康や美容とはどういうものですか?

Liz:私にとって健康と美しさは、病気ではなく、発疹もなく、そして怪我もないという状態ね。そして精神的に健康であることも、肉体の健康に関連していると感じるわ。自分自身に正直に生きていて、さらに自分に対して健全でいられるのが、私の考える健康な人かしら。

Q4.モデルとして、あるいは個人として、今後伝えていきたいことがあれば教えてください。

Liz:自分のモデルというプラットフォームを使って、精神的な健康に関することをより拡げていきたいと思ってるわ。一般的に私たちはスピリチュアルな教育を学校でほとんど受けていないし、そういったことは時にはネガティブにも捉えられがちでしょ? 私にとってはココロやマインドといった精神的健康は、身体的健康と変わらないの。いつになるかわからないけれど、今の私ができることを続けながら、ゆくゆくは精神的健康の意識や気づきにまつわるようなことをしたいと思ってるの。

Q5.今回のバーバリーの一件で、一番感じたことは何でしたか?

Liz:バーバリーとの間でこのような状況になり、私はとにかくとっても動揺したわ。結び目が縄に似ているというパーカーのデザインに関してはもちろんだけれど、もっとも驚いたのは、私がそのことについて問題提議した際の、ブランド側の反応ね。私はデザイナーに直接話すことができないかコレクションの会場内で伝えたけれど、その時バーバリーの担当だった女性からは「それは全てファッションですから」という言葉が返ってくるだけ。私は納得がいかず、その後、さらに会場のドレッサー(ショー内でモデルの衣装や備品を変えるのを手伝ってくれる人たち)とも話をしたわ。そのパーカーのデザインがどのように人々の特定な感情を引き起こすのか、そしてさらにそれがそのブランドにとって、いかにネガティブなイメージやメッセージを発信することに繋がるのかということなど、その時に私が感じたことを全て伝えたのよ。でも彼らは一様に、肩をすくめて私を見るだけ。私の意見がその会場内でことごとく無視されている中、私はその場所で全く同じ人間として扱われていないような気がしたわ。なぜならコレクション会場内では「ファッションだ」という理由だけで、デザイナーやブランド側が自分の望むことならば何でもできるのだから。「それはファッションだ」と言う事はとても簡単だけれど、それが他の誰かの非常に深刻な懸念や問題を無視することのいい訳にはならないと私は思うの。バーバリーは今回の件に関して少し謝罪したけれど、行動は言葉よりも雄弁だと思うわ。
彼らが自分たちのブランドのプラットフォームにおいて、今回の件の根本の原因に彼ら自身がしっかり気づき、それに対してちゃんとサポートしていく方法を彼ら自身の中に見つけられることを願っているわ。

リズのインスタグラムはこちらから↓↓

今回、快く取材を受けてくれた世界一勇敢なモデルのリズに心から感謝します。

そしていつも輝いている人々を繋いでくれるSayuriにも感謝の気持ちでいっぱいです。

Peace Love veggy !

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Interviewer & Text

吉良さおり/Saori Kira
雑誌「veggy(ベジィ)」発行人・編集長
一般社団法人国際食学協会名誉理事長
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樹齢約900年のベルリン最古といわれる巨木‬、『太っちょマリー』 _KiKi

こんにちは、べジィ編集部です。ドイツに在住のイラストレーター・KiKiさんに、ドイツのパワースポットについて書いていただきました。

 

樹齢約900年のベルリン最古といわれる巨木‬、
『太っちょマリー』

KiKi

こんにちは、イラストレーターのKiKiです。

太陽の光が見える日が、だんだん増えてきました。ドイツ・ベルリンにお引越しをしてから3回目の春が、もうすぐやってくる気配を感じています。

ベルリンが好きで長く滞在している理由は、2つ。大好きなアートが守られて生きている街だということ。そして、自然との共存を大切にしていること。

『自然の共存を大切にしている』というより、それが『当たり前として日常に溶け込んでいる感覚』、の方が表現があっているかも知れません。

日々のストレスや疲れは、自然と共に過ごすことによって癒され、解消されることを、ドイツの人たちは本当によく知っているなと感じます。

お天気の良い週末の公園は、寝転んで本を読んだり、ピクニックしながら友人とゆっくりお話をしたり、何もせず、ただぼーっとしている人たちで溢れかえります。冬の日照時間がとても少ないこともあり、太陽の光のありがたさも、よく知っているのです。

実は上のお写真。シャルロッテンブルク宮殿の、広い広いお庭なんです。お城に近い部分は観光客で溢れかえる一方、奥の方のさらに緑濃い場所で、地元の人たちはこんな楽しみ方をしています。笑

ドイツの首都であるベルリン。もちろんオフィス街もあるし、車がたくさん通っている大きな道路もあって、ショッピングモール、お洒落なカフェ、美術館、歴史的建造物など、大都会と観光地の要素は盛りだくさん。でもそれと同じくらい、心地よい間隔で自然にもすぐに逢える街なんです。

そして『自然と共存する』ことの重要さを知っている街の人たちに大切にされている緑たちは、なんだか特別あたたかいパワーをもらえる気がするのです。

そこで、ベルリンで見つけた『自然パワースポット』をぜひ皆さんにご紹介していきたいと考えました!今回は私が一番大好きで、暖かくなったらよく逢いに行く”彼女”について、お話しますね。

 

樹齢約800〜900年のベルリン最古といわれる巨木‬、『太っちょマリー』。

彼女は、ベルリンの西側にあるとても美しい湖『テーゲル湖』の隣にある森に住んでます。

地下鉄U6に乗り、Alt-Tegel駅を下車。テーゲル湖へ向かいます。湖沿いの散歩道をのんびり歩いていくこと30分。少し森側に近付く道があります。そこの奥に、彼女は静かに立っています。

彼女の名前は、『太っちょマリー(Die Dicke Marie)』。
ベルリン最古の木で、樹齢は推定900〜800年。そう、ベルリンの街の歴史より古いのです!直径6.65メートル・高さ26メートルの絵本に出てきそうな、大きな、大きなナラの木。

度重なる戦火を逃れ、ずっとこの地でみんなのことを見守ってきました。そんな彼女は天然記念物に指定され、街の人たちに愛され続けています。

もう少し近づいて見てみましょう。

下から見上げたとき、彼女の幹越しに見える青空と太陽の光がキラキラしていて、とてもすてき。

彼女の名前『太っちょマリー』の由来には、こんな昔話があります。

テーゲル湖の近くにあるテーゲル城で育ったフンボルト兄弟は、森へ冒険に出かけることが大好きでした。ある日、その冒険の途中で巨大なナラの木に出逢います。

彼らはその大きさにとても驚き、それと同時に彼らの大きな料理人『マリー』のことを思い出しました。そのことから、多くの人たちが親しみを込めて『太っちょマリー』と呼ぶようになったそうです。きっとふくよかな、笑顔が素敵な料理人だったのではないかなと思います◎

そんな、どっしりと構えた彼女に、手をかざしてみましょう。

彼女のあたたかさが、手のひらから伝わってくるよう。

散歩している人たちは、みんな彼女の前で足を止めます。挨拶をしたり、ハグをしたり、深呼吸をしたり、見つめあったり。前に置いてある長椅子に座って、友人と楽しいおしゃべりを始めたり。彼女と一緒に過ごす空間と時間を楽しむのです。

私も10分間ほど、『太っちょマリー』とハグをして深呼吸。肺が、美味しい緑の匂いで、いっぱいになりました。そして、心は優しい気持ちでいっぱいになりました。

もしベルリンまでこられた際は、ぜひ『太っちょマリー』に会いに行ってみてください。彼女からたくさんのパワーをもらえるはず。

アドレス:An der Malche 113507  Berlin 『Die Dicke Marie』

”自然と共に生きる”魅力にぜひ触れてほしい。

よく行く図書館の前にある、木株くん。

ベルリンでは『太っちょマリー』だけではなく、街のちょっとしたところにも、こんなほっこりするような可愛い木株くんに出逢えたりします。

まだまだ、たくさん紹介していきたい、ベルリンの”自然パワースポット”。お写真と文章からでも、このパワーが伝わりますように。

そして、これを読んでくださったあなたも、ぜひ週末に身近な自然たちに逢いに行って、パワーをもらって来てください。自然に触れること、お休みすること、深呼吸をすること。それは自分らしく生きるために、とても大切なことです◎

 Profile



KiKi

西伊豆の小さな村出身。 2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科副手を3年間務めながら、フリーのイラストレーターとして活動。カラフルな色合いのイラストを得意とし、独自の世界観を描いている。2016年夏より、『オペア留学制度』を利用してドイツ・ベルリンに滞在。2018年夏、アーティストvisaを取得。引き続きベルリンを拠点にイラストレーターと、自身の経験や海外の情報などを発信するライターとしても活動している。

ポートフォリオサイト : http://kiyonosaito.com/ Instagram : @kikiiiiiiy

今知りたい!ホリスティックな癒しのチカラ—ロンドンにおける代替医療

代替医療とは、一般的になじみのある西洋医学以外の医療を指す言葉。メスやクスリを使わずに、私たちが本来もっている自然治癒力を高め、健康に導く治療法のことです。
世界各地の伝承療法や東洋医学、ホメオパシーまで、その種類は多様ですが、こころとからだを「ホリスティック」にとらえ健康に導くという考え方がベースにあるといえるでしょう。
ホリスティックとは「全体的」という意味。人の存在を、ボディ(からだ)・マインド(こころ)・スピリット(魂・精神性)という3つの側面からみつめ、社会や自然、環境問題までを視野にいれて現象にアプローチしようという考え方です。
こころやからだの不調はいろいろな要因が絡まり合った結果で、一部を手当てしてみても根本的に解決しているとはいえないもの。大切なのは全体的なバランスをきちんととらえて、問題に向き合うことです。
「治ったらおしまい」の一般的な医療とは異なり、代替医療にはライフスタイルを良いものに変え、人生を豊かにするヒントがたくさんつまっています。これまでの医療に対する考え方をすこしほどいてみれば、こころもからだも芯から変わっていくでしょう。
今こそ豊かな毎日をおくるツールとして、代替医療とつき合ってみませんか。

今回は、ロンドンにおける代替医療(自然療法)についてご紹介いたします!
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代替医療の本場では、ホメオパシーは家庭の常備品

古くから、代替医療が一般家庭にも浸透し、日常生活の一部となっているイギリス。イギリス王室自らも基金を設置し、代替医療の研究機関の設立を援助したり、保険の適用が一部可能になったりと、先進国の中でも特にイギリスは代替医療の普及に力を入れている国だ。またチャールズ皇太子は代替医療の推進と研究に熱心なことでも知られており、国家レベルで代替医療の普及を進めてきたことは有名な話。現代西洋医学と代替医療を上手く組み合わせて、個人が治療法を選択できる恵まれた環境にあり、代替医療は特別なものではなく、イギリス人の生活の一部として自然に溶け込んでいるものなのだ。代替医療が治療の一部として当たり前になっているため、ホメオパシー、ハーブ、鍼灸などの東洋医療の知名度も高く、街中では多くの代替医療のクリニックを目にする。ストレスの多い現代人において、もはや代替医療は欠かせないものとみなされている。 そんな中、代替医療に興味がある人の間で変わらずの人気なのが、ロンドン中心部にある“ヘリオス・ホメオパティック・ファーマシー”。家庭に常備しておきたい基本キット、怪我や急病のときに役立つ緊急キット、妊婦さんから産後まで使える、チャイルド・バースキット、そしてペット用の緊急キットまで、用途に合わせて選べるセットはヘリオスの一番人気商品。知識を備えたスタッフによる分かりやすく丁寧な説明も好評。

イギリス生まれの自然療法、フラワー・レメディー

フィジオセラピー(自然療法)が資格としてきちんと存在しているイギリスでは、一般の自然療法に対する理解と認知も非常に高い。副作用がなく、赤ちゃんやペットはもちろん、妊娠中でも安心して使えるということもあり、近年ますます注目を集めているのがフラワーレメディー。イギリス生まれの自然療法であるフラワー・レメディーは、イギリスの医師エドワード・バッチ博士が、研究を重ねて完成させた治療法。花の持つパワーによって精神と体の両方を癒す効果のあるフラワー・レメディーは、小さな小瓶に入った液状、あるいは皮膚に直接塗るクリームとして販売されている。フラワー・レメディーの特徴は、なんと言ってもその人の精神面や心のバランスを保ち、ストレスのない健康な状態に保つのに役立つということ。不安定な状態の心が引き起こす肉体面への影響や病気からの回復を手助けするのだ。肉体的な治療だけでなく、心の健康にも作用するということから、自然な治療アプローチとしてイギリスでは長らく愛用されてきた。 色々な会社からフラワー・レメディーが発売されているが、その中でもやはり一番有名なのが、バッチ博士の意思を引き継ぐ“バッチ・フラワー・レメディー”だ。イギリスでは普通に街中の薬局などで販売しており、医師の処方箋なしに誰でも簡単に手に入れることが出来る。中でも家庭の常備薬のように普及しているのが、“レスキュー・レメディー”だ。このレメディーは70年以上に渡って私たち人間だけでなく動物も含めて、精神的にアンバランスな状態を和らげる手助けをしてきた。心身共にバランスの取れた健康な状態を維持するために、このレスキュー・レメディーは現代人の必需品なのかも知れない。
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.12より抜粋

世界のVeggy Peopleに聞く、食とライフスタイル(2)– デニス・バン・デン・ブリンク

ラフティングやバックカントリー・スノーボードなど、自然を中心としたオルターナティブなライフスタイルを好む人々が集まることで有名な北海道・ニセコ。この地でニセコグリーンファームと呼ばれる農場を経営する、デニス・バン・デン・ブリンクに会いに出かけた。1999年から11年間、日本に滞在している彼が語る、自らのユニークな人生、そしてオーガニック農業の未来のこと。

Going Organic
オーガニックということ

ニセコグリーンファームを始めたのは、ちょうど2年前。14ヘクタールの土地のほぼ半分を栽培に使って、パプリカ、トマト、アスパラガス、カボチャ、豆、キャベツ、カブ、オクラ、ハーブなどをオーガニックで育てている。 「オーガニック」というのは結構大変だよ。日本の農業総生産の内、オーガニック生産物はたったの0.17%ということを考慮に入れると、なおさらだ。オーガニック生産物の市場なんて、ほぼ存在しないと言っても過言でないし、農業経営者は厳しい規制と困難な市場状況に立ち向かわなければならない。 ここでは放任受粉した伝播作物を使うことで、種を販売する企業に頼らずに済むようにしている方法をとっている。種の大半は、商業化されたハイブリッドの種を押し付けられることを嫌う人々の世界的コミュニティ(注2)をとおして、アメリカやオランダから入手しているよ。 でも、商業的には多様な作物を育てるということですら、無理な話なんだよ。例えばここで育てているオーガニックトマトは外皮が薄すぎるため、大量生産できないんだ。トマトが熟れていないうちに収穫するという既存のシステムでは、簡単に破壊されてしまうからさ。 だからこそ、大切なことは消費者の意識度を育むことだと思っている。今ここでは作物が熟れたら収穫し、顧客に直接配達する方法をとっているんだ。直販をとおして顧客は農業経営者を知り、強い信頼関係が築き上げられる。同時に、消費者は旬の野菜を認識し感謝することができるようになるしね。こういったシステムは消費者の意識度の改革に一役買っていくと思っているよ。

Challenging the Norms, Being Different
固定概念を覆し、「違う」存在であること

単純に化学薬品を生活に加えたくないと思っている。食べ物であろうが、薬であろうが。すべてがナチュラルであって欲しいんだ。大自然の力は偉大で、生存するために人類が作った化学薬品は必要ないはずなんだ。 加えて、常に当たり前とされることとは違うことをしたい自分がいるんだ。自然の中で生きることや、自分の食べ物を育て、それを感謝している人々のために育てるということとかね。チャレンジがあれば、それを好んで受け入れる性格なんだと思う。チャレンジのない人生なんて、すぐつまらなくなってしまうだろう。新しいことをして、新しい体験をしたいんだ。 Fujimamasで仕事を始めたころから農業には関わっていたけれど、2003年から2004年にWWOOF(注3)をとおしてオーストラリアでウーファー体験をしたとき、オーガニック農業については多くを学ぶことができた。あの体験はオーガニック農業についてとても実用的なことを学ばせてくれたし、そこから進化することができたと思うんだ。 農業を行う際の最大の秘訣は、植物をよく観察するということ。植物が何を欲していて、植物が環境とどう接しているかについての感覚を育んでいくんだ。その結果、様々な土や肥料を調整したり、時には植物を過酷な状況へと追いやることで何がワークするか試行錯誤を繰り返しながら見つけていく。 失敗をしたら、何故それがワークしなかったかを本当の意味で観察する必要があるんだ。成功から学ぶことと同じだけ、失敗からも学ぶ必要があるんだよ。物事はいつでも軌道修正の余地がある。パーフェクトなものなんて存在しないんだから。

Sharing a Vision
これから、ビジョン

精神科病棟のある病院とは連絡を取り始めているんだ。セラピー療法の一環として患者さんを農園に招待し、働き、野菜を育てることを体験してもらい、家に持ち帰って食べて欲しい。これは旅の始まりからビジョンに欠かせない一部だったからぜひ実現させたいと思っている。また、日本の消費者にとって本当の意味でのオーガニック生産物の選択肢が生まれるといいな、と思っている。 今は日本の農業規制はとても厳しいため、生産すら制限されている事実もある。今年生産したトウモロコシの穀粒はあまりにも詰まっていると判断されたため、販売できなくて何千ものトウモロコシが農地に捨てられるはめになってしまったよ。日本という国がたった39%の食料自給率しか持っていないという事実を考慮に入れると、かなりショッキングな事実だよね。多くを生産しているのに、同時に大量の無駄が生まれている。餓えている人々がいるにもかかわらず、私たちは与えることを拒否しているんだ。 そして、ほぼすべてが政府と密接な関わりを持つJAの独占によってコントロールされているんだ。農家は生産物を販売するだけではなく、JAを通して農薬、化学肥料、種、ローンも入手するから、このシステムから逃れて存続することがほぼ不可能となる。でも、これからはそのシステムも変化を求められるだろう。農業の高齢化やそれに伴って若い人々が業界に入ることがそのきっかけになるかもしれないね。個人的には、ニセコグリーンファームでやりたいことをやりながら、少しずつその活動に貢献していきたいかな。生産物をとおして美味しく楽しい体験をまずは提供することで、他の選択肢もあるということを伝えやすい状況をつくり、模範のひとつになれればいいと思っている。結果として、今の「あたりまえ」をすり替えるような豊富なオーガニック選択肢が生み出されるんじゃないかな。そうして、一緒に成長していくのが理想的だね。 人々がもっと自分たちの環境や資源に対して意識を持ち、大規模な工場式農場から小規模生産へと移行できる未来へ向けて、できるところから一歩一歩、地道に前に進もうと思っているんだ。

【Profile】

デニス・バン・デン・ブリンク
Dennis van den Brink
1974年、オランダ生まれ。アジアを愛し、過去12年間をアジアで過ごしてきた。
種から食卓まで、食に対する深い関心と絶え間ない情熱を持つ。
大自然を愛する心に導かれ、食物連鎖から化学薬品を取り除いた「生きた食」を人々に提供したいと強く願っている。

【Interviewer & Text】

堀江里子/Satoko Horie
パリ生まれの日本人。パラインパクト/ヨガジャヤのマネージングディレクター。
世界各国を旅し、土着の文化に溶け込むことを楽しむ家族の元で、国際人として育てられる。
南極以外の大陸をすべて旅した彼女は、未だ見ぬ土地や人々に接し、全く新しいモノの見方を発見することを愛してやまない。常に新しい領域や限界にチャレンジする人生の探求者としての日々を満喫している。
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.13より抜粋

世界のVeggy Peopleに聞く、食とライフスタイル — デニス・バン・デン・ブリンク

ラフティングやバックカントリー・スノーボードなど、自然を中心としたオルターナティブなライフスタイルを好む人々が集まることで有名な北海道・ニセコ。この地でニセコグリーンファームと呼ばれる農場を経営する、デニス・バン・デン・ブリンクに会いに出かけた。1999年から11年間、日本に滞在している彼が語る、自らのユニークな人生、そしてオーガニック農業の未来のこと。

My Roots
始まり、ルーツ

オランダのエルメロという小さな農業の町で生まれ育ったんだ。家族はヘルスケアで仕事をしていて、精神科を専門として知的障害者を助けていた。俺も両親と同じ業界に進み、自閉症による問題行動に苦しむ患者のケアを中心に仕事をしていたんだ。でも、病院が持つ規制や規則が嫌いだった。ある程度の規則や保護は意味があるとは思うけれど、彼らにも何かきちんとした責任を与える環境が必要だと思っていたんだ。 だから知的障害者が仕事をする場所として、オーガニック農園を作ることが夢だった。レストランが隣接していて、農作物を利用できると同時に彼らが集まることのできるコミュニティとなっているようなさ。 でも当時の俺は調理も農業も共に未経験だったから、1年間休職して、人々がどのように自然の中で働き、生きているか、そして農業がどう人々の日常生活と関わりあっているかを自分の目で見ることにしたんだ。単純に世界に出て探求したいという気持ちもとても強かったしね。

Exploring, Living with Others
人と生活し、探求すること

東へとひたすら旅をしていった。トルコ、パキスタン、インド、スリランカ、ネパール、チベット、中国、韓国、そして最終的に日本に辿り着いた。 旅の大半はヒッチハイクで、時には安いバスや電車を使ったりしたんだ。最も貧しい人々と同じ手段で旅をしたかったから。エアコンのきいたファーストクラスのバスしか乗っていないと、リアルなもの、生身の生活を体験せずに人々の生活を通り過ぎてしまう。その土地に住んでいる人の食べているモノを口にし、飲んでいるモノで喉を潤し、自分の文化とは違う何かを吸収したかった。 まるまる1年旅をして、エベレストまで辿り着いた。でもそこで「自分の旅はまだ終わっていない」ということに気がついたんだ。オランダの職場にポストカードを送り、「世界の頂点に行き着いたけれど、まだ帰ることができない」、そう伝えたよ。 チベットの後は、中国各地へと自転車で点々として韓国へ。韓国の島々を旅した末、日本の下関に辿り着いたんだ。そこから東京まで自転車で北上し、まずは鎌倉、そして早稲田での生活が始まった。このときヨガジャヤのパトリック・オアンシア(注1)に出会い、彼にFujimamasという表参道のレストランを紹介されて、シェフとしての人生がスタートしたんだ。 日本に足を踏み入れたその日から、この土地に居心地の良さを感じていたよ。和食は大好物だし、とても安全な国民性も。何かに鍵をかける必要が無いんだよね。暴力や攻撃性というのが生活に充満していないんだ。多くのことを心配しなくてすむので、結果的にとてつもなく開放感のある精神的な自由を手に入れることができるんだと思う。

Expanding Perceptions
見方を広げていく

1年半ほど旅をする経験は、人との関わり方やモノの見方を完全に変えていったよ。異なる文化や宗教を体験することに皆がもっとオープンになれば、きっともっと互いを受け入れることができると思う。そして誰もがこの方向へと向かっていけば、人種対立や戦争は過去となり、世界は遥かに豊かになるんじゃないかな。 「生きる豊かさ」を本当の意味で理解することができれば、人はもっと親切で謙虚になっていくものなんだ。最も貧しい人ですら、他人を家へと招き入れ、食べ物を分かちあおうをする。その行為に触れたとき、この気づきが始まるんだ。 もちろん時代は1990年代から変わってしまったかもしれない。物事が過ぎ去る速度は更にスピードアップしているし、昔ほどロマンチックじゃないかもしれないね。 でも、異なる文化に対してオープンである必要性は変わっていないと思う。誰しも最低でも1年は海外を旅して生活することで、新しい生活環境に慣れる時間を経験する必要があるんじゃないかな。自分を何一つ変えようとしないで、自分の空間に入ってくる人々に対する不満を並べたてることは簡単なんだよ。それに、生まれ育った豊かな土地を離れることがなければ、すべてが揃っていることが当然だと思ってしまう。そして次第にそれを手放せなくなってしまって、誰とも何も分かち合えなくなってしまうんだ。

(2)へ続く

【Profile】

デニス・バン・デン・ブリンク
Dennis van den Brink
1974年、オランダ生まれ。アジアを愛し、過去12年間をアジアで過ごしてきた。
種から食卓まで、食に対する深い関心と絶え間ない情熱を持つ。
大自然を愛する心に導かれ、食物連鎖から化学薬品を取り除いた「生きた食」を人々に提供したいと強く願っている。

【Interviewer & Text】

堀江里子/Satoko Horie
パリ生まれの日本人。パラインパクト/ヨガジャヤのマネージングディレクター。
世界各国を旅し、土着の文化に溶け込むことを楽しむ家族の元で、国際人として育てられる。
南極以外の大陸をすべて旅した彼女は、未だ見ぬ土地や人々に接し、全く新しいモノの見方を発見することを愛してやまない。常に新しい領域や限界にチャレンジする人生の探求者としての日々を満喫している。
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.13より抜粋

世界のVeggy Peopleに聞く、食とライフスタイル(2) — ステフ・デイヴィス

ユタ州を拠点にするロッククライマー、ベースジャンパー、スカイダイバーのステフ・デイヴィス。世界的に最も注目される女性冒険家であるステフは、「個人のエンパワーメント(自信や力を与えること)」をテーマに、世界各地で講演会を行っている。 パワフルな活動家であると同時に、熱心なヴィーガンでもある彼女。厳しいパフォーマンスからすると意外とも思えるライフスタイルについて話を聞いてみた。ステフは自らの人生、ヴィーガンであること、そして自身の哲学について多くを語ってくれた。

Being That Person
「あの人」になること

最近は、ヴィーガンのクライマーが以前より増えたような気がするし、みんな結果的に良いクライミングができると言っていて、私はこの流れに貢献しているような気がするわ。例えば10年前だったら、共感されなかったことよ。昔、トレーニングに関する記事を書いている有名なクライマーがいたの。あるとき彼女が、「肉を食べるのをやめたら医師に肉を食べなさいと言われた」という記事を書いたの。誰もがその記事を読み、クライマーにとって肉が必要不可欠なものという認識を持った。私がヴィーガンになり始めた当初は、みんなに言われたわ。「あの記事覚えていない?」って。 ある意味、今、私はその「彼女」のような存在になろうとしているのよ。ヴィーガンであることが私にとって効果的に機能しているのだから、あなただって出来るはずよ、と言えるように。そして誰もが「ステフがやっているなら、私だって出来るはず」と思えるように。誰かが書いたトレーニングに関する記事を10年間も人々が忘れないでいるならば、私だって、たまたまヴィーガンであったという事実を伝えておきたいのよ。

The Myth
通説

ヴィーガンといっても実際はとってもシンプルな食生活を送っているわ。調理された商品は買わない。天然産物食品の棚に行って、玄米、キヌア、豆腐、野菜、大豆、レンズ豆、ナッツなどを買うのよ。ヴィーガンになる人が犯す最大の間違いは、彼らが自然食品を食べない、ということ。これが、ヴィーガンの食生活は力がつかないし栄養不足になるという間違った通説を作ってしまうの。ヴィーガンだけれど白いパン、白米、白い砂糖を食べ続けていては、力も出ないし結果的に体重を増やしてしまうだけでしょ。 私はヴィーガンだけれど、自然の食べ物を食べているだけ。気をつけていることと言えば、小麦、白米、精製された製品を食べないようにし、パンを食べ過ぎないようにしていることかしら。あとは、精製された砂糖、特にコーンシロップ(質の悪い人工甘味料)を食べないようにしているわ。糖分全般に関しては、3年間まったく摂取するのをやめたら今では好きでなくなってしまったわ。以前は中毒のようなものだったけれど。 私にとって難しいのは小麦。大好きだから。焼きたてのパンは凄く美味しいけれど、お腹の調子が悪くなるし身体的に弱くなってパフォーマンスが低下するの。今、アメリカでは無グルテン食が流行っていて、レストランですらグルテンを含まないメニューを選べるようになっているわ。でも反対に、ヨーロッパを旅している時は本当に難しい。どこに行ってもパンばかりで、しかもどれも美味しい。体質的に合わないというそれだけの理由で食べないようにしているから、旅がしにくくなってしまうのよ。そういう意味では、アジアはいいわ。米食なので。もちろん白米よりも玄米志向だけど。

Becoming Active in A Different Way
違う形で活動家になるということ

ヴィーガンでない人に、ヴィーガンという考えを紹介するのは結構難しいものよね。過去には、工場式農場の映像をそのまま、Face bookにアップしたこともあったわ。そうすると、ひどく怒って動揺した反応をする人がいたの。この反応は私にとっては違和感があったわ。だって動物消費の残酷な側面について知って、変わることを求められたら、何故それに対して怒りを感じるの? 何かについて悲しいと思ったら、変えようと思わないの?と私は思うから。 でも私が学んだのは、人によってはこの事実は見聞きもしたくないもので、結果的に攻撃的になってしまう、ということだった。 だから私はそのようなやり方で活動する、“強い”現状改革主義とは違うスタンスの活動家になろうと思ったの。もちろん他のヴィーガン活動家が過激な方法をとったとしても、その行動の裏にある動機はとてもよくわかる。でも何かを強く厳しく言い過ぎてしまうと、人ってそれに反抗してしまうものでしょう。ヴィーガンはいつも説教ばかりしているから聞きたくもない、と言われないように注意しなければならないわ。 だから私は、人間のある種の身勝手さに訴えることにしているの。動物について語るのではなく、まずは健康面でのメリットや運動能力について語る。共感できることから始めるの。精神性やスピリチュアリティについてなんて、興味や関心がないことの方が普通なのよ。でも、その人たちが自ら気づけるところまで導くきっかけを与えることができたら、あとは自然と変わり始めるでしょう。私自身そうだったから、わかるの。 活動家としての秘訣は、人々の利己心に訴えかけること、自分が模範となって生きること、そしてポジティブな情報を提供することで脅迫的にならないということね。ポジティブなことに対して、人は逆行しないのよ。美味しいヴィーガンのレシピを提供したり、ポジティブな行動をとるように励ましたりね。そうすることでヴィーガンというライフスタイルも少しずつ理解されていくと思うわ。

【Profile】

ステフ・デイヴィス/Steph Davis
アメリカ出身のロッククライマー、ベースジャンパー、ウィングスーツ・フライヤー。フリーソロ(ロープを使わない)クライミングを専門とするトップクライマーでもあり、世界で最も困難とされる山頂をフリーソロで制覇。熱心なヴィーガンとしても有名。現在、恐れをどう超越し、飛ぶことを通して自由と進化を発見することについて綴る2冊目の本「Learning to Fly」を執筆中。

【Interviewer & Text】

堀江里子/Satoko Horie
パリ生まれの日本人。パラインパクト/ヨガジャヤのマネージングディレクター。世界各国を旅し、土着の文化に溶け込むことを楽しむ家族の元で、国際人として育てられる。南極以外の大陸をすべて旅した彼女は、未だ見ぬ土地や人々に接し、全く新しいモノの見方を発見することを愛してやまない。常に新しい領域や限界にチャレンジする人生の探求者としての日々を満喫している。
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.12より抜粋

世界のVeggy Peopleに聞く、食とライフスタイル — ステフ・デイヴィス

ユタ州を拠点にするロッククライマー、ベースジャンパー、スカイダイバーのステフ・デイヴィス。世界的に最も注目される女性冒険家であるステフは、「個人のエンパワーメント(自信や力を与えること)」をテーマに、世界各地で講演会を行っている。 パワフルな活動家であると同時に、熱心なヴィーガンでもある彼女。厳しいパフォーマンスからすると意外とも思えるライフスタイルについて話を聞いてみた。ステフは自らの人生、ヴィーガンであること、そして自身の哲学について多くを語ってくれた。

Vegan by Accident
ヴィーガンという偶然

ヴィーガンになったのはちょうど7、8年前のこと。より良いクライミング・パフォーマンスを手に入れるため、優れた栄養摂取方法を求めていたの。私が知っている限り、その頃は誰も食に対するハッキリとした特定の考え方を持っていなかったわ。だから、肉食が強さの秘訣だと信じて食べ続ける人と、全く何も口にしないことで可能な限り軽さを手に入れようとする人に二分されていたの。 そんな状況の中で、真実が知りたくて自分なりに実験してみたの。3ヶ月ごとに異なる食生活を実践したわ。例えば、ゾーンダイエットプラン(たんぱく質と炭水化物の比率をコントロールする食生活)や血液型ダイエット(血液型によって異なる食生活をすること)、アトキンズ・ダイエット(低炭水化物食生活)……。でもそのどれも期待していた効果をもたらさなかったから、最終手段として断食をしたの。断食が終わったら、口にするものに対してものすごくうるさくなっていた。卵や乳製品が嫌とか、すべてが天然産物でないと駄目とか。つまり、身体が自然にヴィーガンになってしまったのね。 私にとってヴィーガンになるということは、いつも最後の手段だと思っていたの。当時は動物性たんぱく質が良いパフォーマンスの秘訣であるという考え方がとても強かったし、食生活を変える理由はより優れたパフォーマンスを手に入れることにあったから。 偶然にヴィーガンになったけれど、重要なのはそれがより良いクライミングをするために最高の食生活かどうかということだけ。だからその後も常に自分を観察したわ。そして数ヶ月が過ぎ、より良い状態であるということに気がついたの。以前よりもパワフルにクライミングできたし、素晴らしい効果だった。だから続けることにしたのよ。

From Physical to Ethical
フィジカル(身体)からエシカル(倫理)へ

身体の変化がきっかけだったけどヴィーガンになってから1、2年程たったあるとき、工場式農場について知る機会に出会ったの。私はそれ以前にも3年ほど菜食主義だった時期があったけれど、そのことについては何も知らなかったからすごくショックを受けたわ。 工場式農場について簡単に説明すると、アメリカで消費されている97%の動物性製品は工場式農場からきているということ。居心地の悪い状態から生き地獄のような環境まで、動物は本当に酷い状況にいるの。動物を殺すということだけが問題じゃないのよ。死は問題のすべてではないわ。なぜなら生きている存在はいずれすべて死に行くものだから。問題は恐ろしい在り方に生き物を強制する、ということなの。私は何があってもそれには関わりたくないわ。1度知ってしまったから、もう戻れないと感じるの。 だから今は、何よりもこれが理由でヴィーガンなの。それにプラスして、肉を食べないともっと健康になる、という感じね。それに精神面に対する影響も大きいと思うわ。他の生き物に害を与えてしまうと、それは自分に戻ってきてしまうの。そう思わなかったとしても、きっとどこかで自分が苦しむことになる。私は仏教の教えを信じているわ。悪いことをしたら、それは自分に戻ってくるということ。今の自分に、ないしは違う形で未来の自分に。

Better, Better, Better
もっと、もっと、もっといいこと

ヴィーガンであるメリットのひとつは、確実により良いパフォーマンスと健康を手に入れることができたこと。次に攻撃的でなくなったというのがあるわ。暴力を介したモノを食べると、その暴力が体内に入っていくのよ。動物が恐怖におののいて死んでゆくときは、大量のアドレナリンと緊張が放出されるため、化学物質が身体に充満した状態になると科学的研究からも示されているでしょう。動物を殺して、悪いアドレナリンや化学物質がつまったその肉を食べることは、明らかに自分の身体にも脳にもいいことではないわ。人間を攻撃的に狂わせてしまうと思う。 また、たくさんの量を食べなくなったのも良い点ね。絶壁や山をクライミングするときは、何でも自分で運ばなければならないから、食べる量が少ないと荷物が軽くてとても有利なの。身体がもっと効率的になるのよ。いい燃料を使うと、燃費がいいのと一緒ね。 そして何より、ヴィーガンというライフスタイルが私をより穏やかな方向に導いてくれた、と言えるかもしれないわ。歳を重ねること、成熟すること、哲学について学ぶこと……。そのような意識や肉体の変化とヴィーガンであるというメンタリティは少なからず相互に影響を及ぼしあっていると思う。常にチャレンジする冒険家としては、穏やかな精神状態を保つことは極めて大切なことなの。危険でストレスのかかるチャレンジに直面しているときは、もの凄いプレッシャーがあるから。そのときに穏やかになる方法を手に入れていることは、私にとってはすごく重要なことなのよ。

続く

【Profile】

ステフ・デイヴィス/Steph Davis
アメリカ出身のロッククライマー、ベースジャンパー、ウィングスーツ・フライヤー。フリーソロ(ロープを使わない)クライミングを専門とするトップクライマーでもあり、世界で最も困難とされる山頂をフリーソロで制覇。熱心なヴィーガンとしても有名。現在、恐れをどう超越し、飛ぶことを通して自由と進化を発見することについて綴る2冊目の本「Learning to Fly」を執筆中。

【Interviewer & Text】

堀江里子/Satoko Horie
パリ生まれの日本人。パラインパクト/ヨガジャヤのマネージングディレクター。世界各国を旅し、土着の文化に溶け込むことを楽しむ家族の元で、国際人として育てられる。南極以外の大陸をすべて旅した彼女は、未だ見ぬ土地や人々に接し、全く新しいモノの見方を発見することを愛してやまない。常に新しい領域や限界にチャレンジする人生の探求者としての日々を満喫している。
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.12より抜粋

緑の革命—ヴァンダナ・シヴァ

私たちに必要なものは、 新たな共同体意識


ヴァンダナ・シヴァ博士は頻繁に旅をする。インド国内だけでなく世界各地へ赴き、植物や種子の特許を取って利権を貪ろうという企業に対して裁判を起こし、いくつもの勝利を収めてきた。世界的な有力者とのネットワークを有し、現代における最も重要な有識者の一人とみなされている。原子物理学者としての博士号を持ちながら、前途有望なキャリアを捨て、社会問題や環境問題に打ち込んできた。 そんな博士は「ナヴダンヤ」と名づけた小さなインド式農園で過ごすことで、心身が寛ぐという。揺るぎないベジタリアンである博士は、そこに大規模な種子バンクを作り、インド古来の種子類を保管している。「ナヴダンヤ」という名前は、現在インド各地で活動をしている組織の名前としても知られている。彼女と向き合って話をすれば、だれしも“遺伝子組み換え産業が台頭するこの世の中で、私たちに必要なものは論証に裏打ちされた行動力と勇気と忍耐にほかならない”と確信することができるだろう。

ギィド・バース
–ヴァンダナさん、あなたはもう何度もドイツに来ているのでこの国の情勢をよくご存じだと思われますが、はたしてドイツは民主的な国だと思われますか?

ヴァンダナ・シヴァ
–現在の政権の意図を考えたとき、伝統的な意味では民主的ではないといえる政策が多く見られると思います。例えば、じゃがいもなどの遺伝子組み換え作物がじわじわと導入されつつあります。また、いくつかの原子力発電所の操業期間が延長されようとしていることも、私はよく知っています。しかしこういったことは大衆の希望に沿ったものではありませんから、本当の意味で民主的とは言えません。

これは一国の問題にとどまるものではないですね。

たしかにその通りです。いわゆる民主的とみなされている他の国でも政治判断が行われているわけですが、厳密に言えばそれが問題なのです。変化が必要だということが周知の事実だとしても、実際に変化を起こすことは往々にして難しいものです。正しい行動を起こそうという動きは、現状の維持や権力にしがみつくことにしか関心のない人たちの強力なロビー活動のせいで、失敗に終わることが多い。私から見れば、そういった行為はすべて誤った自由の認識に基づいています。これがアメリカ式の自由です。たとえこのやり方でうまくいくことがあったとしても、もうこれ以上は無理でしょう。これはアフガニスタンやイラク、中央アジアの国々を見れば明らかなことです。なぜなら自由の意味の履き違えこそが、こういった国々の混乱の原因となっているからです。これは現状の環境問題すべてにも関係しています。誤った自由の認識は、環境保護のアプローチに真っ向から逆行するものです。

では、その原因は一体なんなのでしょう?

基本的に原因はひとつしかありません。それは企業の強欲さです。企業による搾取は驚くほど大規模なレベルで行われており、世界中のさまざまな文化や人種が影響を受けています。例えば、モンサント社(※)のような企業がいい例です。インドにやってきて、ニームの木といったインドで最も伝統的に広く使われてきた植物に対する特許文書を私たちにつきつけました。インドではだれでも、料理や、歯磨き、治療薬への利用などなんらかの方法で、何世紀にもわたって、この植物を利用してきました。モンサントは特許によって、そういった用法のすべてを牛耳り、金儲けをしようとしたのです。当然のことながら、私たちは猛反発してすぐに行動を起こし、幸運なことに反対運動は成功を収めました。 こういった成功は珍しいことではありません。断じて許容できないことに対しては、立ち上がらなければならないのです。強欲、拝金主義、金銭的に強力なロビー活動……これらは畜産業界にも見られる要素です。しかし世の中には驚くことに、こういったことに対してまったく関心がなかったり、気づかないふりをしている人があまりにも多いのです。このまま立ち上がらずに、ただぼんやりと見過ごしていれば、地球は実際に滅びてしてしまうという事実を認識しているのにもかかわらずです。私たちは何世紀にもわたって地球の多様性を破壊してきたうえに、毎年何十億もの動物たちをなぶり殺しにしています。そして最終的に、私たちは自ら自分たちを滅ぼそうとしているのですよ。

しかし今、このままではいけないと認識する人たちが増えてきているのではないでしょうか。

そうかもしれません。しかし自分に損失がない限りは、人々は実際に環境や自分自身を変えようという行動を起こさないものです。ですから認識しているだけでは充分ではありません。取り返しがつかなくなってしまったら、その時はもう遅いのです。 食料を例にあげてみましょう。今も続く世界の飢餓問題は、食肉の生産と消費に起因しています。穀類作物の少なくとも50パーセントが動物の飼料として使われています。二酸化炭素をはじめ、その数倍も有害なメタンガスも含めて、温室効果ガス排出量の50パーセントは、この食肉生産業界から生じています。畜産は莫大な敷地を必要とします。食生活を菜食に切り替える人が相当数いれば、動物たちの苦しみを減らすことができるばかりか、世界的な飢餓問題の打開や環境保護の取り組みにおいて大きな前進となります。また、土地を奪われた人々に彼らの土地を戻すことができますし、それと同時に医療システムの負担も軽減するでしょう。

知識だけでは充分でないとしたら、私たちはどうすればいいのでしょうか。

今までの単なる営利志向の考え方を完全に捨て、思いやりや助け合いといった価値観を生活の中心に取り戻すのです。そして私たちは互いのやり取りの仕方も変えていかなければなりません。つまり、お金を主な共通基準とするやり方をやめるのです。もしそうすることができたとしたら、人々の公正性に対する意識が高まり、民主的行動とは何なのかが、本当の意味で認識できるようになっていくでしょう。そういった観点からこそ、私たちは地球を守り、救うことができる能力を養っていくことができるのです。私たちの行動様式に基本的なパラダイム変化がない限り、私たちは間違いなく失敗し、人類だけでなく他の種も全て滅びてしまいます。

民主的な国において、どのようにして政治的権力が政治的マイノリティーを踏みにじっているのでしょうか。

国民の常識や信念による力を過小評価してはいけません。インドの独立を例にあげてみましょう。インド国家の独立は民衆からの強い要求として、植民地政府全体を揺るがすようなものでした。種子の所有権や特許などといったものは、独占されてよいものではありません。インドでは女性が伝統的に種子類の扱いを任されているということを、企業側は充分に承知しています。企業は遺伝子組み換え技術をもって、そこに足を踏み入れ、同時に女性の役割をも根本から奪おうとします。そうやって不調和を生み出し、社会全体を壊していきます。私たちはいつもこういったことを、国内のみならず世界各地で政府に繰り返し説明しています。もちろん効果はありますが、当然のことながらこれは骨が折れ、時間のかかる仕事です。しかしひとつ成功するたびに、より多くの人々がこの世界的な取り組みを応援してくれるようになるので、私にはまだ希望があるのです。

実際にそういった企業で働きながら、現状に責任を負っていない人々はどういった人たちなのでしょうか。

それは興味深い質問ですね。“こんなことをする人たちはいったいどんな人間なんだろう?”とつい考えてしまいがちですが、実際に彼らに会ってみると、それぞれ家庭を持った普通の人間であり、家には愛する家族がいて、社会的にも積極的な人たちが多いものです。モンサントを例にあげると、社員は食堂で最高級の有機栽培食品を使った料理を食べているような人たちです。ただ問題は、彼らがそういった会社からお金をもらう立場にいるということであり、ほとんどの人が仕事をするために、自らの感覚を麻痺させてしまっているということです。
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ヴァンダナ・シヴァ/Vandana Shiva
1952年インド生まれ。1978年に科学哲学で博士号を取得。
1982年に設立した「科学・技術・自然資源政策研究財団」を主宰。
環境保全、女性の人権を守る運動に深くかかわる思想家・活動家であり、
世界的なオピニオン・リーダーのひとり。
1993年にもうひとつのノーベル賞として知られている
「ライト・ライブリフッド賞」を受賞。著書に『緑の革命とその暴力』、
『アース・デモクラシー』、『食料テロリズム』など多数。 http://www.vshiva.net
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ギィド・バース/Guido Barth
ベジタリアン歴20年、ヴィーガン歴9年のドイツ人ジャーナリスト。
ドイツ・ベジタリアン協会に所属。趣味は合気道。
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.11より抜粋

veggyレシピ「ラッサム」

南インドを代表するタマリンドの酸味と唐辛子などの辛みが効いたスープ。
南インドでは通常ご飯とともに、もしくは軽食のティファンと一緒に食べるのが主流。

材料(4人分)
トマト…大3個
ツール豆…大さじ3~4
水…4カップ
ギー(または植物油)…大さじ1
A
赤唐辛子…2個
青唐辛子(みじん切り)…1個
マスタードシード…小さじ1/2
アサフェティダ(ヒング)…小さじ1/2
B
カレーリーフ…4~5枚
にんにく(すりおろし)…2かけ
しょうが(みじん切り)…少々
黒コショウパウダー…小さじ 1 ½
クミンパウダー…小さじ1
レッドチリパウダー…小さじ1/2
ターメリック…小さじ1/2

タマリンド(浸水させてペースト状にしておく)
…少々
塩…小さじ1
コリアンダーの葉…少々

作り方
1、トマトを湯むきにして適当に潰す。
2、鍋に軽く茹でたツール豆と水4カップを入れて沸騰させる。
3、フライパンを熱してギー(または植物油)を入れ、Aを入れ、スパイスがはじけてきたらBを入れ、少し炒めて1のトマトを加える。
4、3とタマリンドを2の鍋に入れ、蓋をして中火で2~3分煮る。全体に火が通ったら、塩で味付けし、適当に切ったコリアンダーの葉を入れる。

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南インド料理に欠かせない食材
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1.ツール豆(樹豆)
ヒヨコ豆やレンズ豆に似たホクホクと柔らかい食感。インドではヒヨコ豆に次いで多く生産されている。スープやカレーに最適。
トゥールダル(1kg) 630円(税込)
アンビカトレーディング株式会社

2.フェヌグリークパウダー
インドではフェヌグリークの種はカレーのスパイスに、若芽はサラダや炒め物などに使用する。種を粗く挽いてハーブティーにすると、強壮・消化促進などに効果的だといわれている。
オーガニックフェネグリークパウダー(40g) 420円(税込)
株式会社ヴォークス・トレーディング

3.タマリンド
インドでは酸味料、ピクルス、シロップなどと広く使われているタマリンドを、ペースト状にしたもの。ペーストにする手間が省ける便利な食材。
タマリンドペースト(200g) 420円(税込)
アンビカトレーディング株式会社

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Mira Mehtaミラ・メータ

ムンバイ(ボンベイ)出身のインド料理研究家。ムンバイ大学で科学を専攻し、卒業後に料理学校で料理とテーブルセッティングを学ぶ。1974年、ご主人の仕事の関係で来日し、1979年からインドのスパイス等の効果を教えながら料理教室を開く。雑誌、新聞、テレビなどで本場のインド料理を紹介しつつ、南青山にインド家庭料理の店「ビンディ」を20年間営む。お店を閉めた現在は、インターナショナル・スクールで学校給食のアドバイザーとして携わるかたわら、毎週土日に料理教室を開いている。
お問い合わせ先 miramehta@bindi.org

主な著書
「はじめてのインド料理」「もっと食べたいインド料理」「インド、カレーの旅」他、素晴らしい料理本が多数
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.11より抜粋

veggyレシピ「スパイシーキャベツロール」

材料(4人分)
<ロールの中身>
キャベツ…6枚の葉
長ネギ又玉葱…1/2分(みじん切り)
お好みの野菜…カップ1(みじん切り)
ニンニク…1片(みじん切り)
生姜…少々(すりおろす)
トマトピューレ…大さじ2
レーズン…大さじ2
お好みのナッツ又は豆…大さじ2
クミンシード…小さじ1
シナモン粉…小さじ1/2
赤唐辛子粉…小さじ1/4
ご飯(玄米又白米)…カップ2
塩…適量
パセリ又はコリアンダーの葉…大さじ2(みじん切り)
野菜スープ…カップ1/2
オリーブオイル…大さじ2

<ソース>
ヨーグルト…カップ3/4
クミンパウダー…小さじ1/2
ミント…大さじ1(みじん切り)
塩…少々

作り方
1、オーブンを200℃に温め、グラタン皿にバター又は油をぬっておく。
2、キャベツの葉をお湯にくぐらせ、少し柔らかくなるまで火を通す。芯の部分を薄く切っておく。
3、フライパンに油を入れ、クミンシードを入れてはじけてきたら、ねぎを入れて少し炒める。続いて野菜を入れて炒め、ロール中身の残りの材料を入れてよく混ぜる。
4、キャベツの葉を開いて、ロール中身をのせて、春巻きの様に包む。
5、グラタン皿にのせ、野菜スープを入れて蓋をしてからオーブンで20分焼く。
6、盛り皿にロールのせて,上にお好みのチャツネなどのソースをかける。(写真はマンゴー・チャツネ)

【Point】
*巻く前のキャベツは火を通し過ぎないよう注意しましょう。
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キャベツ:Cabbage【英】
ビタミンCが多く葉部分にはビタミンAも含まれ、芯の部分にもビタミンが豊富なので、できる限り捨てずに料理に使いましょう。 胃腸を整えることから古代ギリシャ・ローマでは健康食とされ、今でも週一回位は食べたほうが良いと云われています。がん予防をはじめ、ビタミンKも含まれているため骨相しょう症予防などにも期待が高まっています。 そしてキャベッツとハーブの相性も抜群で、殺菌効果のあるタイムと組み合わせることで消化を促します。特にお腹が張る時には、上手に色んなハーブを使うことをオススメします。
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Mira Mehtaミラ・メータ
ムンバイ(ボンベイ)出身のインド料理研究家。ムンバイ大学で科学を専攻し、卒業後に料理学校で料理とテーブルセッティングを学ぶ。1974年、ご主人の仕事の関係で来日し、1979年からインドのスパイス等の効果を教えながら料理教室を開く。雑誌、新聞、テレビなどで本場のインド料理を紹介しつつ、南青山にインド家庭料理の店「ビンディ」を20年間営む。お店を閉めた現在は、インターナショナル・スクールで学校給食のアドバイザーとして携わるかたわら、毎週土日に料理教室を開いている。
お問い合わせ先 miramehta@bindi.org

主な著書
「はじめてのインド料理」「もっと食べたいインド料理」「インド、カレーの旅」他、素晴らしい料理本が多数
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.9より抜粋

veggyレシピ「リブレフラワー・ライスコロッケ」

簡単に、美味しく玄米の栄養を摂り入れることができる「リブレフラワー」

私たち日本人は古代から、お米とともに生きてきました。お米には神様がいるといわれるほど神秘的なもので、私たちの身体へも大きな影響を与えています。とくに玄米はビタミン、ミネラル、食物繊維など、現代人に不足しがちな栄養をバランスよく含んでいる完全食に近い食べもの。デトックス・美肌・アンチエイジングなど女性にも嬉しい効果も期待されます。 しかし玄米は、炊飯が面倒だったり、また食べずらいことから苦手な人も多いのではないでしょうか? ですが、簡単に、しかも美味しく玄米の栄養を摂り入れることができるアイテムがあるんです。それが玄米の栄養はそのままに、食べやすいパウダー状になったリブレフラワーなんです。 リブレフラワーの特長。それはまず消化しやすい25ミクロン(お米を約30回ほど噛むぐらいの大きさ)のパウダー状であること。また焙煎してあるから香ばしい風味で美味しくいただけます。小麦粉の代わりにパンにリブレフラワーを入れるとモチモチっとした食感と甘みが生まれます。だから砂糖も必要ありません。麺類、ピザ、パスタ、お菓子づくりにも大活躍のアイテム。またリブレフラワーは水分にも溶けやすいので、乳幼児の離乳食として。また咀嚼が難しい老人の方にも気軽に食べていただけます。 健康を求めすぎて美味しくないのもストレスになりませんか? リブレフラワーは使い方次第で、美味しく食べられる方法が沢山あります。まさに私たちの健康生活を楽しませてくれる、魅力的な健康食なのです。

クリーミーで深いコクがクセになる! リブレフラワー・ライスコロッケ

材料(4人分)
<たね>
リブレフラワー(ホワイト)…大さじ2
豆乳…100cc
ご飯…100g
玉ねぎ…1/2個
人参…2cm(約20g)
マッシュルーム…2個(約30g)もしくは好みのきのこ
パセリ…適量
塩……小さじ1/2
車麩…適量(フードプロセッサーでパウダー状にしたもの。もしくはパン粉でも可)
地粉…適量
揚げ油…適量

<トマトソース>
トマト…1個
玉ねぎ(みじん切り)…大さじ1
ドライトマトパウダー…大さじ1/2(ドライトマトをフードプロセッサーもしくミルでパウダー状にする)
塩・コショウ……適量

<豆腐タルタルソース>
絹豆腐…1/4丁
オリーブオイル…小さじ1
梅干し…1/4個

作り方
1、トマトソースをつくる。トマト、玉ねぎをみじん切りにして、他の材料と混ぜ合わせる。
2、豆腐タルタルソースをつくる。梅干しを包丁でたたき、すべての材料をクリーム状になるまで混ぜ合わせる。
3、たねを作る。リブレフラワーに豆乳を少しずつ加えてなめらかなクリーム状にする。人参、玉ねぎ、マッシュルーム、パセリをみじん切りにする。
4、鍋に菜種油(分量外)を入れて熱する。玉ねぎを入れ塩ひとつまみを入れて炒める。大さじ1の水を加えて、玉ねぎが柔らかくなるまで蒸煮にする。さらに人参を入れて炒め、大さじ1の水を加えて蒸し煮する。きのこを加えて炒める。
5、4にリブレフラワーに豆乳をといたもの、ご飯、塩を加えて混ぜ合わせる。水分がとんだらパセリを加え冷ます。※たねを完全に冷まさないと揚げる時にパンクするので注意。
6、たねが冷めたら8等分して俵型にして地粉をつける。次に地粉を水で溶いたもの(地粉大さじ1:水大さじ3の濃度)をつけてパウダー状にした車麩をつける。
7、6を160℃に熱した油で揚げる。
8、器に、1をひいて、コロッケをのせる。上から2をかけてパセリ(分量外)を飾る。

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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.10より抜粋

世界で注目されるローフーディスト — ジェニファー・コーンブリート

ローフードとは、Raw(生の)Food(食べ物)のことをいいます。今回は美しく手軽なレシピで人気を集めるジェニファーさんに、 ローフーディストである「セサミ・キッチン」の清水さんがインタビューしてくれました。

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PROFILE
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Jennifer Cornbleet
ジェニファー・コーンブリート
世界的にも知名度の高いローフードシェフ及びインストラクターであり、米国全土にわたり、講演、料理教室、ワークショップを行いながらコンサルタントとしても活躍。また、カリフォルニア北部フォートブラッグにある、ローフードシェフの養成校リビング・ライト・カリナリー・アート・インスティトュートでもインストラクターとして世界各国からの多くの生徒を指導。ジェニファーの初のレシピ本、『Raw Food Made Easy for 1 or 2 People』は既に10万部を突破。本のほかにもDVD『 Raw Food Made Easy』にもホスト出演。ジェニファーの二冊目のレシピ集である『 Raw For Dessert 』は2009年8月に出版された。
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Interviewer PROFILE
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清水志麻
(米国Living Light Culinary Art Institute公認シェフ&インストラクター/公認グルメシェフ&ローフード栄養学インストラクター)
「食べ物・体・心」の不思議な関係に気付いて以来、ヘルシー&デリシャスを日々追求。米国でローフードを学んだ後にタイのRAWカフェにて7ヶ月間シェフとして働く。現在はその経験を活かし、ローフードをより多くの人に楽しんでもらえるよう情報発信をしながら、アジアの風土に馴染んだローフード開発がこれからのプロジェクト。
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今回は美しく手軽なレシピで人気を集めるジェニファーさんに、 ローフーディストである「セサミ・キッチン」の清水さんがインタビューしてくれました。

ジェニファーさん、『 Raw For Dessert 』の出版おめでとうございます。

ありがとうございます。この本の作成には2年という歳月をかけたので、やっと皆様に私のレシピを紹介できるのがとてもうれしいの。出版までのはじめの1年は企画とアイディアまとめに費やし、2年目は実際に全てのレシピを試しながらの最終調整。とても、細かい作業が多く大変なこともあったけど、私自身デザートが大好きなので、全く苦にはならなかったわ。

一冊目の『Raw Food Made Easy for 1 or 2 People』は健康を意識する人々の間で大変人気があったことは聞いていますが、このたびはどのような想いで二冊目を出版することにしたのでしょうか?

一冊目を書いたときには、誰もが家庭で簡単にそしてすぐにできるローフード・レシピの紹介がしたくて出版に踏み切ったの。実は今回のデザート・レシピも同じ思いで書いたの。みんな誰しもデザートが大好きじゃないかしら? だからこそ誰でも簡単にできるローデザートのレシピ集を作りたかったの。全てのレシピが本当にとっても簡単なのよ。前回のレシピ集に比べるとややグルメな要素が入ってきてはいるけど、それでもどのレシピも30分以内にできるものばかりなのよ。

ところで、ジェニファーさんのレシピではディハイドレーターを使っていないですよね。それには何か理由があるのですか?

理由はいたってシンプルよ。ディハイドレーターを使うと30分以上かかっちゃうからなの(笑)。私自身、クラッカーやラップの生地を作るのにディハイドレーターを使うことがあるけど、まだまだ多くの人がディハイドレーターを持っていないでしょう? だからこそあえて私の本のレシピでは使わないようにしているの。それ以外でレシピを作るときに意識したのは、なんといっても材料ね。手軽な値段で、どこのスーパーマーケット(米国内)でも手に入れられる食材で作れるレシピに仕立てたのがポイントよ。

家にある道具だけでこんなにも多くのレシピが作れちゃうなんて本当にすごいですよね。しかも全てのレシピが砂糖と小麦粉を使っていないなんて、信じられません。

そうなのよ! 今回のレシピ集では、思いつく限りほとんどのデザート・レシピを網羅したつもりよ。ケーキ、パイ、プリン、アイスクリームetc……。これだけあれば、もう市販されているデザートを買わなくて済むから健康的な選択ができるでしょ!

いつもジェニファーさんは甘味料には何を一番よく使いますか?

デーツなどできるだけ自然の甘味料を使うようにしているわ。アガベネクターを使うことがあっても可能な限り少量に抑えているのよ。普段はだいたい大さじ2~3杯、多くても60 mlくらいに抑えているわ。

減量を考えている人にも、ローのデザートをお奨めしますか?

場合によるわ。その人が毎日主に緑の生野菜を食べて普段から糖分の低い食事のスタイルをとっているのならば、その答えは「ノー」ね。でもその人が普段から市販の白砂糖と白い小麦粉を使ったデザートを食べている人ならば、ローデザートへの置き換えには「イエス」と言えるわ。私のレシピ自体は健康的なオプションであるとは言えるけれど、決してローカロリーではないの。だからカロリーを気にしている人には、その点はとても注意しているのよ。

ジェニファーさんは毎日どんなローフードを食べているのですか?

私は100%ローじゃないのよ。時々加熱した豆類やキヌアをサラダと一緒に食べることもあるわ。でももし私が100%ローな食事をしたのならば、まず朝は季節の緑野菜をたっぷり使ったグリーンスムージーね。スムージーの材料は季節ごとに変わるし、体調にも合わせるようにしているの。たんぱく質をしっかり取りたいときには、スピルリナやヘンプシード、そしてフラックスシードもスムージーに入れるわね。ランチは大盛りのサラダにアボガド、そしてシード類やナッツパテを添えてね。それにグリーンスムージーをプラスするときもあるわ。私って、夕食にもグリーンスムージーを作っちゃうの。レタスで野菜巻きを作ってそれと一緒にナッツのディップやスプラウトも一緒に食べちゃうわ。それでも物足りないときにはケールサラダをプラスしちゃうかな。 ザッとこんな感じよ。

ジェニファーさんからアジアのローフードファンの皆さんにメッセージをお願いします。

ここ数年、アジアからアメリカへローフードを学びに来る生徒さんが増えてきていて、私もとっても嬉しく思っています。私が教えてきたリビング・ライトでの授業でも、中国、シンガポールやそのほか多くのアジアの国々、そして特に日本からは毎回多くの生徒さんを迎え、指導させていただきました。私はアジアの文化に詳しくはないのですが、私の受ける印象としては皆さんの食文化にローフードは抵抗なく溶け込んでいるような気がします。アジアからの生徒の皆さんはとっても興味を持って熱心にローフードを学んでくれるのです。私が思うに、アジアの料理は目の料理と言われるように、視覚的にアピールしてくるものが多いと思うのです。その点から説明をすると、ローフードは色鮮やかで美しい料理に仕上げることができるので、アジアの食文化に馴染むのではないでしょうか。私自身、“ロー味噌汁”、“ズッキーニの坦々麺もどき”、“寿司ロール”などのアジア料理のレシピをつくりましたが、ローとアジア風味のコンビネーションはとっても楽しめると思いますし、アジアでもローフードはさらに注目されるようになると思っています。また多くのアジア人は乳糖不耐症の素因のある方が大半を占めていると聞いています。ですからより多くのアジアの方に、乳製品も白い小麦粉も白いお砂糖も使われていない、ローフードのデザートを試していただきたいですね。そんな思いを込めて私のデザートレシピを楽しんできただければと思っています。 志 今日は本当にありがとうございました。

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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.10より抜粋

veggyレシピ「キャベツともやしの炒め物」

キャベツともやしの炒めもの
材料(4人分)
緑豆…1/8カップ
キャベツ…1/4個
生姜…少々(千切り)
青唐辛子…1個(みじん切り)
ターメリック…小さじ1/4
コリアンダーパウダー…小さじ1
クミンパウダー…小さじ1
赤唐辛子パウダー…小さじ1/4
塩…小さじ1/2
油…大さじ2

作り方
1、キャベツを小さく切っておく。緑豆スプラウトを軽く蒸す。
2、フライパンに油を入れて、熱し、生姜と青唐辛子を入れて、キャベツを入れて、軽く炒める。蓋をして、弱火で蒸し煮する。
3、キャベツが軽く柔らかくなったら、スパイス類と塩を入れて混ぜておく。
4、蒸した豆スプラウトを入れて混ぜ、1~2分蒸す。
5、お皿に盛って、上にシードのスプラウトを飾っても良い。
*食べる時にレモン汁をかけるともっと美味しい!

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Mira Mehtaミラ・メータ

ムンバイ(ボンベイ)出身のインド料理研究家。ムンバイ大学で科学を専攻し、卒業後に料理学校で料理とテーブルセッティングを学ぶ。1974年、ご主人の仕事の関係で来日し、1979年からインドのスパイス等の効果を教えながら料理教室を開く。雑誌、新聞、テレビなどで本場のインド料理を紹介しつつ、南青山にインド家庭料理の店「ビンディ」を20年間営む。お店を閉めた現在は、インターナショナル・スクールで学校給食のアドバイザーとして携わるかたわら、毎週土日に料理教室を開いている。
お問い合わせ先 miramehta@bindi.org

主な著書
「はじめてのインド料理」「もっと食べたいインド料理」「インド、カレーの旅」他、素晴らしい料理本が多数
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.11より抜粋

veggyレシピ「アジアン風野菜炒め」

アジアン風野菜炒め
材料(4人分)
かぼちゃ…小1/4個
厚揚げ…1枚
ピーマン…1個
赤ピーマン…1個
もやし…1/2個パック
ちんげん菜…1束
千切り生姜…少々
にんにく…一片
サラダ油…大さじ2
ごま油…少々
ターメリック…小さじ1/4
コリアンダーの葉…適量

作り方
1、かぼちゃ、ピーマン、赤ピーマンは薄切りにして大きさを大体そろえておく。厚揚げもやや薄切りにし、ちんげん菜をバラバラにほぐしておく。
2、熱したフライパンにサラダ油を入れて、生姜、にんにくを入れて、香りがでてきたらもやしを入れて混ぜる。続いてかぼちゃを入れて少し炒め、蓋をして蒸し煮にする。
3、ピーマンを入れて炒め、また蓋をして、かぼちゃに3/4位火が通ったら、醤油、スウィートチリソース、豆板醤、酢、を加えてサッと炒める。次に厚揚げを入れて混ぜ、ごま油を少し入れる。
4、別のフライパンでちんげん菜を少し油で炒めて、火が通ったらお皿に並べ、その上に野菜を盛りつけ、お好みでコリアンダーの葉をトッピングする。

*Point
スパイシーな味付けが好みならば、チリパウダーを少し加えてください。

*クスクスとは・・・
一般的には、デュラムセモリナ粉を原料とした小さな粒状のパスタをクスクスと呼んでいます。モロッコをはじめとする北アフリカでは主食として定着しているクスクスは、日本でも比較的手に入りやすく、輸入食材を扱うスーパーのパスタコーナーではどこでも見かけるようになりました。お湯につけて3分ぐらいで食べられるので、お米を炊く時間がない時にとても重宝します!

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南瓜(カボチャ):PumpkinまたはSquash【英】
鮮やかなオレンジ色が特徴のカロチン(ビタミンA)豊富なカボチャには、ビタミンC、B1、B2、E、食物繊維も多く、動脈硬化の予防や老化防止になると言われています。 そしてカボチャの種にも、もちろんビタミンやミネラルが豊富で、コレステロールを下げてくれる働きがあるそうです。 インドでは一般的に様々な料理に入れて煮込んだり、焼いたり、料理のトッピングとして飾ったりすることが多く、大人から子供までみんなが大好きなスナックなどのおやつとしても親しまれています。
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Mira Mehtaミラ・メータ
ムンバイ(ボンベイ)出身のインド料理研究家。ムンバイ大学で科学を専攻し、卒業後に料理学校で料理とテーブルセッティングを学ぶ。1974年、ご主人の仕事の関係で来日し、1979年からインドのスパイス等の効果を教えながら料理教室を開く。雑誌、新聞、テレビなどで本場のインド料理を紹介しつつ、南青山にインド家庭料理の店「ビンディ」を20年間営む。お店を閉めた現在は、インターナショナル・スクールで学校給食のアドバイザーとして携わるかたわら、毎週土日に料理教室を開いている。
お問い合わせ先 miramehta@bindi.org

主な著書
「はじめてのインド料理」「もっと食べたいインド料理」「インド、カレーの旅」他、素晴らしい料理本が多数
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.7より抜粋

veggyレシピ「豆とかぼちゃの温かいサラダ」

豆とかぼちゃの温かいサラダ

材料(4人分)
ひよこ豆(ガルバンゾー)…1/2缶
赤いんげん豆…1/2缶
いんげん豆…3~4本
かぼちゃ…小1/4個
モロッコインゲン…4個
赤ピーマン…1個
千切り生姜…少々
ターメリック…小さじ1/4
ガラムマサラ…小さじ1/4
ブラックペッパー粉…小さじ1/4
チリパウダー…小さじ1/4
クミンパウダー…小さじ1/4
レモン汁… 大さじ1~2
塩…小さじ1
レーズン…少々
サラダ油…小さじ2
プチトマト…5~6個
サラダ菜…数枚

作り方
1、かぼちゃの皮をむき、2cm角に切る。ひよこ豆と赤いんげん豆の水気をきっておく。いんげん豆を斜め切りにして半茹でしておく。 2、かぼちゃを鍋に入れて、大さじ1~2の水を入れて、弱火で蒸し煮する。
3、フライパンに油を入れて、はじけてきたら生姜と赤ピーマンを入れて炒め、続いて豆とインゲンを入れて1分炒める。塩、ターメリック、ガラムマサラ、ブラックペッパー粉、チリパウダー、クミンパウダーを入れて混ぜ合わせて火を止める。
4、続いてかぼちゃの形を壊さないように、レーズン、レモン汁を入れて優しく全体を混ぜ合わせる。
5、お皿にサラダ菜をのせ、その上にサラダを盛り、4等分に切ったプチトマトを飾る。

*Point
ひまわりの種、かぼちゃの種、刻んだくるみ、アーモンドスライスなど、 お好みのナッツをトッピングするとよりおいしくいただけます。

*クスクスとは・・・
一般的には、デュラムセモリナ粉を原料とした小さな粒状のパスタをクスクスと呼んでいます。モロッコをはじめとする北アフリカでは主食として定着しているクスクスは、日本でも比較的手に入りやすく、輸入食材を扱うスーパーのパスタコーナーではどこでも見かけるようになりました。お湯につけて3分ぐらいで食べられるので、お米を炊く時間がない時にとても重宝します!

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南瓜(カボチャ):PumpkinまたはSquash【英】
鮮やかなオレンジ色が特徴のカロチン(ビタミンA)豊富なカボチャには、ビタミンC、B1、B2、E、食物繊維も多く、動脈硬化の予防や老化防止になると言われています。 そしてカボチャの種にも、もちろんビタミンやミネラルが豊富で、コレステロールを下げてくれる働きがあるそうです。 インドでは一般的に様々な料理に入れて煮込んだり、焼いたり、料理のトッピングとして飾ったりすることが多く、大人から子供までみんなが大好きなスナックなどのおやつとしても親しまれています。
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Mira Mehtaミラ・メータ
ムンバイ(ボンベイ)出身のインド料理研究家。ムンバイ大学で科学を専攻し、卒業後に料理学校で料理とテーブルセッティングを学ぶ。1974年、ご主人の仕事の関係で来日し、1979年からインドのスパイス等の効果を教えながら料理教室を開く。雑誌、新聞、テレビなどで本場のインド料理を紹介しつつ、南青山にインド家庭料理の店「ビンディ」を20年間営む。お店を閉めた現在は、インターナショナル・スクールで学校給食のアドバイザーとして携わるかたわら、毎週土日に料理教室を開いている。
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.7より抜粋

veggyレシピ「クスクスの野菜煮込み添え」

クスクスの野菜煮込み添え
材料(4人分)
玉ねぎ…小1個
かぼちゃ…小1/4個
ズッキーニ…2本
人参…中1本
じゃがいも…中1個
シナモンスティック…2cm
ひよこ豆(ガルバンゾー)…1/2缶
野菜スープ…1と1/2カップ
ターメリック…小さじ1
チリペッパー…小さじ1/4
おろし生姜…小さじ1
コリアンダーの葉(パセリでもOK) …大さじ2(みじん切り)
塩…小さじ1/2
オリーブオイル…大さじ3
クスクス…1カップ
お湯…1カップ
バター …大さじ1(ヴィーガンはオリーブオイル大さじ1で代用)
カボチャの種…少々

作り方
1、フライパンにオリーブオイル大さじ2を入れて熱し、シナモンと1cm角に切った玉ねぎを入れて透明になるまで炒め、ターメリック、チリペッパー、おろし生姜を入れて少し炒める。
2、続いて5mm半円に切った人参、2cm角に切ったじゃがいも、野菜スープを入れて沸騰させ、柔らかくなるまで煮る。
3、さらに2cm角に切ったかぼちゃ、カリフラワー、5mm半円に切ったズッキーニを入れて、弱火で10分煮る。
4、ひよこ豆、コリアンダーの葉、塩を入れて混ぜ、蓋をせずに弱火で5分煮る。
5、クスクスをボールに入れ、お湯を注ぎ2~3分おいておく。オリーブオイル大さじ1とバターを入れて、軽く混ぜる。*ヴィーガンはオリーブオイル大さじ2にかえる。
6、お皿にクスクスと野菜の煮込みを盛り付け、最後にかぼちゃの種をトッピングする。

*Point!
野菜はお好みの野菜を組み合わせてOK。お好みでトマトの角切りかレモン汁をかけて食べるのがおススメ。クスクスにターメリック1/4とシナモンパウダー1/4を混ぜてからお湯をいれると、風味が高まります。

*クスクスとは・・・
一般的には、デュラムセモリナ粉を原料とした小さな粒状のパスタをクスクスと呼んでいます。モロッコをはじめとする北アフリカでは主食として定着しているクスクスは、日本でも比較的手に入りやすく、輸入食材を扱うスーパーのパスタコーナーではどこでも見かけるようになりました。お湯につけて3分ぐらいで食べられるので、お米を炊く時間がない時にとても重宝します!

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南瓜(カボチャ):PumpkinまたはSquash【英】
鮮やかなオレンジ色が特徴のカロチン(ビタミンA)豊富なカボチャには、ビタミンC、B1、B2、E、食物繊維も多く、動脈硬化の予防や老化防止になると言われています。 そしてカボチャの種にも、もちろんビタミンやミネラルが豊富で、コレステロールを下げてくれる働きがあるそうです。 インドでは一般的に様々な料理に入れて煮込んだり、焼いたり、料理のトッピングとして飾ったりすることが多く、大人から子供までみんなが大好きなスナックなどのおやつとしても親しまれています。
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Mira Mehtaミラ・メータ
ムンバイ(ボンベイ)出身のインド料理研究家。ムンバイ大学で科学を専攻し、卒業後に料理学校で料理とテーブルセッティングを学ぶ。1974年、ご主人の仕事の関係で来日し、1979年からインドのスパイス等の効果を教えながら料理教室を開く。雑誌、新聞、テレビなどで本場のインド料理を紹介しつつ、南青山にインド家庭料理の店「ビンディ」を20年間営む。お店を閉めた現在は、インターナショナル・スクールで学校給食のアドバイザーとして携わるかたわら、毎週土日に料理教室を開いている。
お問い合わせ先 miramehta@bindi.org

主な著書
「はじめてのインド料理」「もっと食べたいインド料理」「インド、カレーの旅」他、素晴らしい料理本が多数
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.7より抜粋

ローフード界のスーパーヒーロー – デヴィッド・ウルフ

ローフードとは、Raw(生の)Food(食べ物)のことをいいます。沢山ある食事法の中で歴史はまだ短いローフードですが、長年続けるとどうなるのか気になるところです。 そんな中、デヴィッド・ウルフの存在は『ローフーディストの実像』であり、 ローフードをバランス良く正しく続けた結果のロールモデルと言えるでしょう。
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PROFILE
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David Wolfe
デヴィッド・ウルフ 栄養学の修士号を取得し、ナチュラルヘルス、美の栄養学、ハーブ、チョコレート、スーパーフードの専門家。『ローフード』、『スーパーフード』、『ローチョコレート』といえば、まずデヴィッド・ウルフの右に出るものはいないと言われ、23歳で100%ローフーディストになってから16年、その道を極めている彼は、『地球上で最も健康で元気な人』と言えるでしょう。
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Interviewer PROFILE
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松田すみれ/Sumire∞Matsuda
ファッション、音楽、イベント界から、ローフードに出逢って食の道へ。海外でのシェフ経験、カフェ運営を経て、現在東京に在住。ローチョコレート<cacao∞magic>を主宰するショコラティエ、ローフードシェフ、ライターとして、ローフードの素晴らしさとマジックを伝える。 http://cacaomagic.exblog.jp
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栄養が行き渡った体とスピリット、周りの人々を全て魅了する様な爽快なエナジー、頭の回転の速さを物語るボキャブラリーの多さと明晰な知識、地に足の付いた感じが一緒にいる者をリラックスさせ、ユニークさとセクシーさを同時に兼ね備えたデヴィッド。今回は彼がオーストラリア~ニュージーランド~バリでのツアーを終え、ハワイの家へ戻るトランジットの最中、インタビューに応じていただきました。

あなたにとって ローフードとは?

母なる自然によってもたらされた、48℃以上に加熱されない食物のことです。食物に含まれている水分を内包する細胞は、加熱調理によって破壊され、ダメージを受けます。人は食物を色々な方法で加熱、加工して、自然を破壊しているようなものです。自然のまま食べたらどうかな? 人間以外の全ての生き物はローフードを食べている。もし本当に自然に健康的になりたければ、ローフードを食べるのが好ましいでしょう。

あなたの食事で一番重要視している ことは何ですか?

スーパーフードです。スーパーフードは何千年もの歴史の中で、偉大なる文明を経てその知的な本質が実証されてきた食物です。ポリネシアンがノニを、中国の人々がゴジベリー(くこの実)を、インカの人々がマカを、北米とアマゾニアンがカカオを、エジプシャンがアロエベラを大切にしてきました。スーパーフードは、ビタミン、ミネラルが非常に豊富な食物で、加えて抗酸化性、オメガ3、脂肪酸、完全たんぱく質などが含まれます。スーパーフードから完全たんぱく質を摂取することができるので、動物から命を奪う必要もなく、とても倫理に叶っています。現在人々が食べているものは、栄養の点において中身が空っぽであるのに対して、スーパーフードは栄養素に富み、また「マナ=気」と言われるエネルギー源も豊富に含んでいます。

人々が食べる理由

長年ローフーディストでいると健康のバランスが取れ、代謝システムの効率が良くなってあまり食べずに済むようになります。ミネラルが欠如すると、体内の血糖値が安定せず、そのバランスを取る為に何かを食べなくてはならなくなります。食べたくなるのは感情的な理由や社交的な理由を超えて、単純に血糖値の問題なのです。食べる目的はカロリーの摂取ではなく、栄養の摂取です。そしてローであるということは、食物に栄養素が豊富であるということ。それを私は実践しています。

ローフードを始めたキッカケ

『フィット・フォー・ライフ / ハーヴィー&マリリン・ダイアモンド著)』で、ローフードというものを知り、初めて「ローフーディスト」という言葉を目にしました。そしてローフードを70〜80%実践し、23歳頃から100%ローフーディストになりました。それからもう16年になります。ローフードには加熱食に比べてとても強いエナジーがあります。植物界、きのこ界、そして動物界からも何かを摂取するという様に、バランスには十分気をつけて下さい。私は39歳ですが、もう動物界からのものはほとんど必要ありません。もし私が2歳なら、ヤギのミルクなども飲む必要があると思います。子供の頃はしっかりした体を作るために、動物界のエナジーも必要です。食事は人生の全体像で見る事が重要です。私はその全体像から、皆さんが自分自身でより安全に健康に近づける様にガイドできればと思っています。 日本にも、オーガニックでハイクォリティな素晴らしいフルーツや野菜が沢山あると思います。まだ私は日本の食事情を良く知りませんが、きっと沢山の発見ができると確信しています。日本はプロバイオティックや酵素についての研究が世界で最先端と言われています。日本の研究が世界をリードしているのです。特に酵素はローフードを始め、若さ、消化、老廃物、癒しといった面でも重要ですね。その最高の技術が日本にはあるのです。本当に素晴らしいことですね。

世界中を旅して、食物を栄養学の観点から研究し、人々が美しく健康な生活を送れる様に有益な知識と情報を伝えるデヴィッド・ウルフ。アメリカでは16年前に2軒だったローフードレストランが、現在150軒になるまで、1800もの講演や教室を開き、ローフードの素晴らしさと価値を伝えてきました。(2010年時点)

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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.10より抜粋

veggyレシピ「野菜とレンズ豆スプラウトのチャーハン」

野菜とレンズ豆スプラウトのチャーハン

材料(4人分)
炊いた玄米…1カップ
レンズ豆スプラウト…1/2カップ
お好みの野菜…200g(パプリカ、グリーンピース、人参など)
醤油…大さじ1
白みそ…大さじ2
炒りごま…適量
塩…少々
菜種油…大さじ2

作り方
1、ご飯をほぐしておく。 醤油、味噌、塩、炒りごま、を混ぜておく。
2、お好みの野菜を食べやすい大きさに切っておく。
3、フライパンに油を入れて火にかけ、野菜を固い順から入れながら、炒める。
4、柔らかくなったら、ご飯を入れて、かるく混ぜる。ご飯がちゃんと混ざったら、スプラウトと醤油を入れてご飯を良く混ぜる。

\  お家で簡単スプラウト /

シード(種)・スプラウト
材料
シード(種)

作り方
— 1日目 —
洗わないで浸水し蓋をして置いておく。

— 2日目~4日目 —
水を捨て、蓋をして置いておく。
3日目からは毎日少し霧吹きで水をかけ、蓋をして置いておく。

— 5日目 —
だんだん芽が伸びて4~5日ぐらい経ったら蓋をあけ、直射日光が当たらない、やさしい明るさの場所に置いておくと芽が自然と緑に変わる。

*レッドクローバーシード

*ラディッシュシード

*マスタードシード

豆のスプラウト
材料
豆…1/2カップ

作り方
— 1日目 —
豆を軽く洗って一晩浸水して蓋をし、涼しいところに置いておく。

— 2日目–
浸水した水を捨てて、もう再度蓋をして置いておく。

— 3日目–
豆を水で軽く洗って軽く水切りして蓋をして置いておく。この日ぐらいから少し豆から芽が出はじめます。

— 4日目–
前日と同じように水で洗って軽く水切りして蓋をして置いておく。4日目ぐらいから使用可能。スプラウトの長さは自分好みでのばす。
*インドでは豆のスプラウトはあまり長く延ばさない(目安:夏2−3日 冬3−4日)。




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Mira Mehtaミラ・メータ
ムンバイ(ボンベイ)出身のインド料理研究家。ムンバイ大学で科学を専攻し、卒業後に料理学校で料理とテーブルセッティングを学ぶ。1974年、ご主人の仕事の関係で来日し、1979年からインドのスパイス等の効果を教えながら料理教室を開く。雑誌、新聞、テレビなどで本場のインド料理を紹介しつつ、南青山にインド家庭料理の店「ビンディ」を20年間営む。お店を閉めた現在は、インターナショナル・スクールで学校給食のアドバイザーとして携わるかたわら、毎週土日に料理教室を開いている。
お問い合わせ先 miramehta@bindi.org

主な著書
「はじめてのインド料理」「もっと食べたいインド料理」「インド、カレーの旅」他、素晴らしい料理本が多数
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.10より抜粋

veggyレシピ「スプラウトと野菜のサラダ」

「スプラウトと野菜のサラダ」
材料(4人分)
ガルバンゾー豆 …1/2カップ(スプラウト)
カリフラワー…1/4株
アスパラガス…3本
人参…半分
サラダ菜…5~6枚
シード・スプラウト…少々

<梅ドレッシング>
梅肉…2~3個
すりごま…少々
醤油…小さじ1~2

作り方
1、ガルバンゾー豆スプラウトを5~6分蒸しておく。
2、カリフラワーを小さく切り、人参を半円にスライスし、アスパラガスを2cmに切る。
3、フライパンに水大さじ2~3を入れ、全ての野菜を軽く蒸す。
4、ボウルに全ての野菜と豆を入れて混ぜる。
5、お皿にサラダ菜をおいて、ボウルの野菜をのせる。トッピングにシードスプラウトを飾る。
6、梅をペーストにして、梅ドレッシングの材料を全て混ぜ合わせる。梅ドレッシング、又はぽん酢、しそドレッシングなど、お好みのソースで食べる。

\  お家で簡単スプラウト /

シード(種)・スプラウト
材料
シード(種)

作り方
— 1日目 —
洗わないで浸水し蓋をして置いておく。

— 2日目~4日目 —
水を捨て、蓋をして置いておく。
3日目からは毎日少し霧吹きで水をかけ、蓋をして置いておく。

— 5日目 —
だんだん芽が伸びて4~5日ぐらい経ったら蓋をあけ、直射日光が当たらない、やさしい明るさの場所に置いておくと芽が自然と緑に変わる。

*レッドクローバーシード

*ラディッシュシード

*マスタードシード

豆のスプラウト
材料
豆…1/2カップ

作り方
— 1日目 —
豆を軽く洗って一晩浸水して蓋をし、涼しいところに置いておく。

— 2日目–
浸水した水を捨てて、もう再度蓋をして置いておく。

— 3日目–
豆を水で軽く洗って軽く水切りして蓋をして置いておく。この日ぐらいから少し豆から芽が出はじめます。

— 4日目–
前日と同じように水で洗って軽く水切りして蓋をして置いておく。4日目ぐらいから使用可能。スプラウトの長さは自分好みでのばす。
*インドでは豆のスプラウトはあまり長く延ばさない(目安:夏2−3日 冬3−4日)。




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Mira Mehtaミラ・メータ
ムンバイ(ボンベイ)出身のインド料理研究家。ムンバイ大学で科学を専攻し、卒業後に料理学校で料理とテーブルセッティングを学ぶ。1974年、ご主人の仕事の関係で来日し、1979年からインドのスパイス等の効果を教えながら料理教室を開く。雑誌、新聞、テレビなどで本場のインド料理を紹介しつつ、南青山にインド家庭料理の店「ビンディ」を20年間営む。お店を閉めた現在は、インターナショナル・スクールで学校給食のアドバイザーとして携わるかたわら、毎週土日に料理教室を開いている。
お問い合わせ先 miramehta@bindi.org

主な著書
「はじめてのインド料理」「もっと食べたいインド料理」「インド、カレーの旅」他、素晴らしい料理本が多数
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.10より抜粋

アボリジニの血が流れるシンガー・ソング・ライターが語る、海や大地と繋がる方法

−−プロフィール−−
Xavier Rudd/ザヴィエル・ラッド
約30種類以上もの楽器を操るオーストラリア出身のシンガー・ソングライター。
ジャック・ジョンソンやGラヴなどミュージシャンのサポートを務め、2004年にアルバム『ソーラス』でデビュー。名だたるフェスティバルへの出演や、世界中を回るツアーを行っている。 アーティストの情報やツアースケジュールなどはウェブサイトをご覧ください。http://www.xavierrudd.com
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オーストラリアとカナダの両国に市民権を持ち、約30種類の楽器を巧みに操るシンガー・ソング・ライターのザヴィエル・ラッド。その魅力的なヴォーカル以上に、彼の音楽性を語る上での魅力となるのがアボリジニの民族楽器で「ディジュリドゥ」と、ドイツ発祥の「ワイセンボルン・ギター」だ。現代と伝統の影響が融和した心地よいハーモニーに乗せて、ザヴィエルは“母なる大地”や人間、感情といったテーマを詞に込めて唄いあげる。ライブでは、大半の場合がたった一人でのステージだ。彼以外には誰もいないソロの舞台で、世界各地の聴衆を魅了し続けている。厳格なベジタリアンでもあるザヴィエルは、その人柄と音楽性、そして先住民や環境のための活動から、母国オーストラリアだけでなく、アメリカやヨーロッパでも注目を集めているミュージシャンである。そんなライブのスタートを数時間後に控えた彼に話を聞いてみた。

べジィ編集部
-あなたは、なぜベジタリアンというライフスタイルを選択したのですか?

ザヴィエル
-僕が生まれ育ったオーストラリアでは、先住民たちはカンガルーを殺します。彼らは厳しい伝統を守り、空腹であっても条件がそろわなければカンガルーを殺してはいけないというしきたりがある。僕自身は、動物性しか選択肢がない状況でもベジタリアンであることを貫きます。だけど、オーストラリアの奥地で暮らし、厳しい儀式に倣いながら動物を狩る先住民の生き方は理解できる。スーパーマーケットで売られているものとは、また別の話だから。そこでは誰が切ったかも分からない肉がたくさん並べられている。大量生産された何百万という動物たちが、虐げられ、殺され、細かく切り刻まれて売られているのさ。そういったものは断固として受け入れられない。

べジィ編集部
-あなたは世界中をツアーでまわり、カナダでも多くの時間を過ごします。オーストラリアで暮らす家族との時間を見つけるのは大変ではないですか?

ザヴィエル
-そうだね。だけど、何が自分にとって本当に大切かを見極めるようにしているんだ。僕は毎年数ヶ月間をオーストラリアで過ごす。最近、新居が完成したんだけど、その家はとてもこだわって作られているよ。ストローベイル建築で、100%環境に配慮しているし、資材の95%はリサイクルされたものを使っている。例えば、近隣の街まで行って、海辺の古い家から出た廃材を回収して再利用したりね。新居から出る廃棄物も全てが自然な方法で処理されていて、「みみずコンポスト」でゴミをリサイクルし、水も植物を利用したシステムで浄化している。こういう方法で暮らしていると、自分が取るあらゆる行動に対して敏感にならざるを得ないんだ。浄化システムに不自然なものが入ったりすると、ただちにミミズや植物がダメージを受けるからね。だから毎日が学習だよ。その積み重ねを通じて、いつも慎重にならなければいけない。だけど、これはとても気持ちのいいものだよ。自然の循環について理解できるようになっていくからね。家には4歳と9歳の息子が2人いて、こういったことを学びながら育てている。これは子どもたちにとって、とても価値のあることだと思うんだ。

べジィ編集部
-電気はどうしているんですか?

ザヴィエル
-100%太陽発電のエネルギーだよ。建築時に、周囲の木を一本も切り倒さないようにしたから、この家はとても上手い具合に自然と調和しているんだ。木々がよい日除けになってくれているけれど、毎日数時間は家に直射日光があたって、充分なエネルギーを得ることができるよ。

べジィ編集部
-あなたの音楽はオーストラリア先住民の音楽の影響を強く受けていますね。あなた自身、先住民や彼らの文化と、どのようなつながりがあるのですか?

ザヴィエル
-僕には先住民の人々と、とても強いつながりがある。国中にアボリジニの友人がいるし、僕の曾祖母はアボリジニで、彼女の魂が今も僕に受け継がれている。この感覚はとても強烈なもので、曾祖母や先住民の文化と深いところでつながっているのが僕にはわかる。物心ついた頃からずっとこのつながりを感じてきたんだ。

べジィ編集部
-”Things meant to be”という美しい曲の中で、“海の奥深くに目を凝らしてごらん。きっと君にも見える”と歌い、海や木々や植物、母なる大地は私たちの友だちであると教えてくれています。しかし、大量消費社会に暮らす私たちは、そういった感覚や自然と調和した魂を、まだ失わずに持っているのでしょうか? それともこれはもう郷愁や空想にすぎないものに成り下がってしまったのでしょうか?

ザヴィエル
-もちろん、まだ失っていないと思っているよ。僕のこの感覚は先祖から受け継いできたものだけど、もし自分の本質やルーツを無視しつづければ、どんな人であれ、そういったつながりを失うことになってしまうだろうね。先祖から受け継いできたものは僕にとって非常に大切なものだから。オーストラリアに戻ると、それをとても強く感じることができる。僕はその感覚を歌にするんだ。

べジィ編集部
-あなたのライブではオーディエンスがとても熱狂的ですね。みんないろんな形であなたへのサポートや幸福感を表現している。素晴らしい雰囲気だと思います。

ザヴィエル
-僕がライブですることは、音楽を通して何かをみんなに与えること。そうやってみんなとつながるんだ。音楽はそれを容易にしてくれる。みんなと強くつながりたくて、僕がより多くのものを差し出すと、多くのものが返ってくる。一緒に経験することによって、僕らのエネルギーは一体になる。本当に言い尽くせないほど素晴らしくて、僕が心から好きな体験だ。日々世界のどこかで、たくさんの素晴らしい人たちの前で自分の音楽を奏でることができるということは素敵な経験だよ。ライブに来る人たちは、それぞれが抱えている問題をひとまず家に置いてくる。少なくともその最中は問題から解放される。それは本当に大切なこと。それが音楽の機能でもあるしね。みんないいエネルギーを持ってやって来る。僕もいいエネルギーで臨む。そうすることで、みんなの心が満たされて、元気になることができる。その場にいる全員で分かち合うこと、それがライブのすべてだよ。

べジィ編集部
-最後の質問です。なぜサーフィンがあなたにとって特別なのか教えてください。

ザヴィエル
-単純なことさ。サーフィンをしている間は“大いなる自然”と一番つながることができる。海を感じることは素晴らしい感覚だ。波が寄せては引くように、海は絶え間なく動いている。生命の本質、循環という偉大な力を感じることができる。サーフィンを通して、自分もその一部になることができるんだ。入江で波に乗っていると、僕の他には誰もいないことがある。そんな時、僕はたった一人で、自然のエネルギーと完全につながった感覚にひたりながら、海と一緒に踊るんだ。

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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.9より抜粋

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