veggy vol.79 では、やまと薬膳を主宰するオオニシ恭子先生に季節を美味しくいただく発酵レシピを教えていただきました。
ここでは番外編として、オオニシ恭子先生の手前味噌(麦味噌)の作り方をご紹介します。
〜手前味噌(麦味噌)〜
材料(仕上がり約3kg)
大豆 1kg
麦麹 1kg
粗塩 400g
作り方
1 大豆は洗って約3倍の水に10~18時間浸水する。
2 大豆を煮る。やわらかくつまんで簡単に潰せるくらいまで火にかける。水は大豆に軽くかぶる程度入れる
3 塩切り麹を作る。塩400gのうち350gと麦麹1kgを手ですり合わせながらよく混ぜ合わせる。
4 煮えた大豆を温かいうちに潰す煮汁を切った大豆を袋に入れ、空き瓶またはこん棒または手で潰す。
5 容器を殺菌する。容器を焼酎で拭き消毒する。さらによけておいた塩を少し使い消毒する。
6 仕込み味噌を作る。4の煮た大豆、塩切り麹をよく混ぜ合わせて味噌玉を作る固い場合は煮汁(種水)を加えて調整する。
7 仕込む。味噌玉を作り、容器の壁に投げつけるように入れていく。
※このとき空気が入るとそこからカビが発生するのでしっかり押しつけながら詰める
※味噌玉は少し残しておく。
8 表面を平らにして残りの塩で覆う。ガーゼまたは和紙、さらし布をかぶせて残しておいた味噌玉を平らにのして、よけておいた塩を上にふる(=カビ受け)ラップで丁寧に覆い木蓋か皿などかぶせて、重石をする。
9 容器を紙で覆い紐でしっかりとしばる。
10 直射日光の当たらない清潔で涼しいところに安置する。4~5ヶ月後過ぎくらいに、発酵具合を確認してみると良いこのとき水があがっているようなら、重石を半分にし、カビが出ているようなら取り除く仕込みから1年程度くらいは発酵熟成させる。
いかがでしたか?
深い旨味のある味噌を仕込むには使う器が非常に大切です。
オオニシ恭子先生はこれまで陶器、素焼き、ガラスなど様々な容器で味噌を仕込んできたそうですが、なかなか納得のいく味にはならなかったそうです。そんな時に箱屋常吉の、杉でできた味噌木樽と出会いました。木の優しいぬくもりと古くから受け継がれた伝統製法、さらに無塗装で仕上げた木樽で味噌を仕込んでみたところ、驚くほど美味しいお味噌ができたそうです。本誌『veggy vol.79』の中でも木の器について語っていただいていますが、やはり天然の木にすむ微生物が発酵を手助けしてくれ、唯一無二の美味しいお味噌ができるのですね。
大人気の「やまと薬膳式の手前味噌講習会」も全国各地で開講させています。
この冬は、味わい深いあなただけのお味噌を仕込んでみましょう!
オオニシ恭子 Kyoko Onishi
1981年渡欧。以来32年、東洋的食養法を基本としながらも欧州における素材と環境を取り入れた食養法を研究。個々の生活と体質を見ながら、その環境に適応する食事法「ヨーロッパ薬膳」を指導。