はじめまして。カナダの首都オタワから小倉マコです。今月からカナダのヘルス・コンシャス・ライフスタイルにフォーカスしたコラムを書かせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。
カナダのエコショップはDIYセクションが充実!
第一回目は、私が今一番気に入っているエコアイテム「ビーズワックス・ラップ」についてお話ししたいと思います。
ビーズワックス・ラップとは、プラスティック製のラップや袋の代替品として北米で注目されているエコラップのことで、コットン(布)に、ビーズワックス(蜜蝋)、ホホバオイル、天然樹脂をコーティングした100%天然素材のラップです。従来のプラ製ラップや袋と同様、食べ物の乾燥をきちんと防いでくれますが、それ以上の働きもしてくれます!
食べ物の保存に便利なビーズワックス・ラップ
その魅力とは……
- 再利用できる!使い終えたら、冷水で洗って、干すだけで簡単に乾きます。そして同じラップを繰り返し使用できます。
- 布使用のため通気性が良く、蜜蝋、ホホバオイル 、天然樹脂のもつ抗菌・保湿成分のおかげで、プラ製ラップより食べ物をより新鮮に保ってくれます。
- 天然樹脂を使用しているので、ラップに粘着性があり、指の熱を加えることで形を自由に変えることができます。野菜や果物を包んだり、ボウルの蓋として使ったり、折り紙のようにたたんでお菓子を入れてみたりと、便利です。
- かわいい!手作りお菓子のお裾分けにラップごとプレゼントするのも良いですね。お友達も一緒にエコライフを楽しめて一石二鳥です。
- 寿命がきたら、自然に還せます。本ラップは半年から1年ほどもつのですが、最後は土に埋めても、生分解されるので地球を汚しません。夏のキャンプの際に、ファイヤースターターとして使うこともできます。
気をつけたいこと……
- 熱に弱い。布のコーティングに使われている蜜蝋の沸点は60度前後。温かいおにぎりなんかを包んでしまうとラップが溶けてしまいます。実は私もオーブンから出来立てのチーズトーストを包んでしまい、コーティングの蜜蝋を溶かしてしまいました(涙)また熱湯消毒もできないので、生肉、生魚にも使えません。
- アルコールに弱い。洗剤でラップを洗う場合は、アルコール不使用の洗剤をお使いになってください。洗剤に含まれているアルコール成分が蜜蝋や天然樹脂を溶かすことがあります。
私がふだん使っているのは、カナダのビクトリア島にあるNature Bee社のビーズワックス・ラップ。海沿いの草地を飛び回っている元気な蜂たちが作ってれた蜜蝋のおかげか、素敵な匂いのするラップです。ただビーズワックス・ラップ自体、安くはない代物なので、たくさん必要な場合は、D I Yするのがお得です。
Nature Bee社のエコラップ
簡単!D I Yビーズワックス・ラップ
エコショップで、ビーズワックスD I Yキットが存在するのを知り、私も早速挑戦してみました。日本のオンラインでも様々なところで材料が購入可能です。今回は、Nu Grocery Storeのビーズワックス・ラップ・レシピをご紹介します!
火の使用には気をつけてください。
ビーズワックス・ラップ5枚分
(小20x20cm 2枚/中25x25cm 2枚/大35x35cm1枚)
*準備するもの*
・布(オーガニックコットン。好きなサイズに切っておく)
・ビーズワックスD I Y瓶(中身は、蜜蝋100g、松脂20g、ホホバオイル10ml)
・鍋2つ(大と小)
・オーブン(オーブンがない場合アイロンでも可能)
・オーブン天板
・クッキングシート
・洗濯バサミ(あれば)
*作り方*
1.大きな鍋に水を1/4ほど入れて沸騰させます。沸騰したら、小さな鍋を大きな鍋の中に入れます。この際、火加減は、弱〜中火に。小さな鍋にビーズワックスD I Yの中身を全て入れてゆっくりと溶かします。
2.オーブン天板の上にクッキングシートを敷きます。その上に布を並べてください。1のワックスを布の表面のみにかけて、伸ばします。※この作業をしている際に、ワックスは固まり始めますが、オーブンに入れたら(あるいはアイロンを使えば)、溶けて液状になり裏面までワックスが浸透するのでご心配なく。
3.150度Cのオーブンに2を入れて3分ほど温めます。温めることで、ビーズワックスが、全体に馴染みます。
4.オーブンから取り出します。ヘラ(あるいはスプーン)を使って、布に付着したワックスを均等に伸ばします。この時に余分なワックスを取り除いてください。オーブンから出したら、ワックスは固まりやすいので、気をつけてください。
5.布の両サイドを手で掴んで、干します。(作る前に、乾かす場所を考えておきましょう。私はここで困りました!)
6.乾いたら、さっと水で洗って、出来上がりです。
※アイロンを使う場合 *上記の3と4以外全て同じです。
3. 上からもクッキングシートで覆います。
4. アイロンをクッキングシートの上からかけ、ビーズワックスを全体に均等に伸ばします。
溶けたワックスを塗った布
楽しく脱プラしよう!
プラスティックのゴミの9割が、実はリサイクルされていないことをご存知ですか?また、そのゴミが海に流れ込んでいること、2050年には魚の量よりプラスティックのゴミの量が多くなると予測されていること、そして魚がプラスティックを食べ、そんな魚を私たちが食べていること。私たち一人一人がふだんの生活でプラスティックの使用を制限するだけで、環境汚染を食い止めることができます。まずはビーズワックス・ラップから始めませんか?
※本記事に掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
文・写真/小倉マコ
兵庫県姫路市生まれ、カナダのオタワ在住。フリーランスライター(コミックエッセイの原作、P R、新聞記事、コラム)をしながら、アートスクールで絵の勉強もしています。主な著書『日本びいきのハーフっ子と里帰り』(イーストプレス)『姑は外国人』(角川書店)
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