アロハ!ハワイの夫婦「おひさまファームズ」代表のヒデキこと山根英樹です。前半は私の記事、後半は妻ユキの記事になります。私の方から今回はハワイの年末年始についてお伝えしたいと思います。
ハワイの年末年始の風物詩と言えば何を思い浮かべますか? それは大晦日にあちこちの家や公園から盛大に打ち上げられる花火、そしてお正月の初詣とお餅です。
花火はどこから入手するのであろうかと思うくらい、日本の花火大会も顔負けの本格的な打ち上げ花火が家々から上げられます。360度あちこちに見ることが出来ます。これが年明けカウントダウンが過ぎるまで続きますのでやかましくて眠れないこともあります。
そして大晦日の暗いうちから初詣に向かう姿は日本と全く同じです。ハワイには出雲大社、金刀比羅神社、太宰府天満宮、大神宮、石鎚神社などがあり、一部の人々はそれぞれ思い思いの神社に初詣に行きます。
お正月は門松、しめ縄や初詣、鏡餅などで日本と同じように祝います。日本人や日系人が多いハワイの年末年始にはスーパーマーケットなどでのお餅の売り上げが一気に上がります。車庫や庭先で餅つきをする家庭もあります。ハワイにはお餅が大好きな人々がいて、昔から日系人が考案したピンクや緑など色鮮やかなバター餅なるものが至る所で売られています。チョコレートやピーナッツバター、さらにはイチゴ味など様々な味のものがあります。
最近、日本から輸入された常温保存できる切り餅が大いに売れていて、いわゆる日系のスーパーマーケットだけではなく、米国本土系の大型チェーンでも売られています。私の著書「小さな会社でもできる海外取引ガイドブック」(中央経済社刊)でも書きましたが、海外に暮らす日本人や日本好きの人たちの市場というは年々大きくなっています。
外務省調査の2022年海外在留邦人調査統計によると、日本人が一番多いのはロサンゼルスで65,044人、ついでバンコクが56,232人、ニューヨークが38,263人、上海が36,614人、ロンドンが32,947人、シンガポールが32,743人、シドニーが28,872人、バンクーバーが28,197人と続き、ホノルルは23,529人となっています。ハワイでは日系人の数も合わせるとその数倍から10倍近く日本人の血を引く人がいると言われています。
ドル高の時代、このような市場をターゲットに輸出をしてドルで稼ぐ会社も増えているようです。末筆となりますが、1年の間ハワイの夫婦「おひさまファームズ」徒然日記を読んで頂き誠に有難うございました。2024年もさまざまな話題を皆様にお送りして参りたいと思いますのでよろしくお願いします。新年が皆様にとって幸せに恵まれる年となりますようにお祈り致します。
次号に続きます……ここからは妻ユキの記事をお楽しみ下さい。
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夫ヒデキに引き続き、おひさまファームズのユキです。今年もあっという間の一年でした。年を追うごとに、疫病騒動に端を発する様々な余波が強まっている気がします。日本でのインボイス制度の施行も偶然ではないはずですが、今なぜ中小企業や小規模事業者を追い詰めるのか。その理由の一つは、それらが「ある仕組みを阻む良心の役割を果たしてしまうから」だと、夢想家の私などはつい書きたくなってしまいます。
この一年を振り返ると、ここオアフ島でも娯楽施設や飲食店などの閉店が相次ぎました。また、賃料の値上げなどによって移転や縮小を余儀なくされた店もありました。その中の一つが、地産地消を謳って1971年に誕生した生協型の自然食品店「コクアマーケット」です。日本からも根強いファンが訪れていたキングストリートの店舗は既に閉鎖しましたが、地元の小さな農家を支えたいと願う心ある人々の支援によって、早速パロロ地区での営業が再開したとのことです。止むを得ない移転の理由として、巨大企業とタッグを組んだ全米屈指の大型オーガニック系食品店の躍進も報じられていました。
閉鎖したキングストリートの店舗。雨粒が、冬らしく雪のように写りました。
毎度のようにおひさまファームズの畑の一つである「神秘畑」のお話として語りますが、善意が始め、広まったものを悪意が利用しようする時、悪意は味方として近づき協力します。そして事業を拡大させて極力デジタル化し、善意が信じきったところでその本質をこっそりひっくり返して乗っ取ります。例えばオーガニック系販売店がそうなってしまうと、まずは地元の小さな同業店を飲み込み、健康的で安全だったものは「おとり」となって、善意を捕獲するためにも利用されてしまいます。デジタルIDを必要とする入口や、手に埋め込まれたチップで支払う機材の導入などは自明ですが、買収等によって優良品を示す銘柄はそのままに、品質や販路が変わってしまうことが結果的にその手口と言える場合もあるでしょう。
これら疫病騒動によって有無を言わさず加速した脅威に対して、今回のコクアマーケットなどは理念を貫き、アロハスピリットに従う道を選んだのだと私は思っています。なにせアメリカの食品業界ではここ10年ほど、大手有名企業による人気オーガニックメーカーの買収が続いています。隠されているわけではないので調べればわかりますが、その買収先の多くは健康派とは対極をなすメーカーです。それはまるで創業者が良いものを完成させた途端、待機していた宇宙船に飲み込まれ、記憶ごと消される代わりに見舞金が出るシステムのように見えなくもありません。しかし稀に良い宇宙船に捕獲される場合もあるので、ここに人類の希望が残されていることも確かです。
例えばこちら。Annie’s Homegrownは、2014年にGeneral Millsに買収されました。
こういった類のことを、世間では「ビジネス」と呼んで済ませます。そしてこれらが、この世で真に良いものが広まらない原因の一つであり、冒頭で述べた「仕組み」のお話です。こんな風にあらゆる場面に対極のせめぎ合いがある現文明ですが、来たる2024年は、両陣営共に「最後のチャンス」になりそうな年でもあるため、「伝家の宝刀」が互いに抜かれるかもしれません。そしてその結果は、翌2025年の重大な分岐点へ直接的に繋がっていくでしょう。それらについてはまた今後、お伝えできる機会があればと思います。それでは皆様、今年一年どうもありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎え下さい。
写真・文/おひさまファームズ
ヒデキ
サンフランシスコ生まれ。東京育ち。ホノルル在住。広告代理店、旅行代理店、豪州クィーンズランド州政府、ハワイ州政府農務省、イギリスの経営大学院、ハワイの大手銀行勤務を経て独立。コンサルティング、不動産、米国農務省統計局の調査員の仕事の傍ら農業に従事。著書に「小さな会社でもできる海外取引」「グローバル職人になろう!」「漂流アロハ」などがある。
ユキ
絵と音楽と物語の創作家、宇宙の神秘を読む夢想家。米国の大学を卒業後、神授的な創作の仕事に長く携わる。芸術分野の他、神秘哲学、占星術、数秘術、各種卜術、古代史、神話学、宗教学、図像学、色彩学などに明るく、食や代替療法も探究。タロットチャンネル「雪猫座 Hawaii」をYouTubeにて開始中。