本来の自分へ還る ヨグマタのハッピー瞑想入門

日本ではすっかりヨガブームも定着し、最近ではヨギにとって欠かせない瞑想が多くの人々から注目されています。そこで今回は瞑想がもたらす様々な心身へのメリットについて、インド政府及び瞑想・ヨガの世界的な機関「世界議会」が認定するサマディヨガマスター(世界で2名のみ)であり、ヨガの母(ヨグマタ)、現代瞑想の母と尊称され、インド政府から幾度も表彰されている、ヨグマタさんに教えていただきました。

人間は、誰しも内側に純粋意識を秘めています。
その清らかな源泉にサマディ瞑想を 通して触れていくことで、
内側から平和を広げていくことができるのです!

Q.サマディとは一体どういった 状態の事なのですか?
例えば食事を食べなくても生きていたり、深い眠りについていても心臓が動いていて、人は目に見えない存在によって生かされています。そこに自然の力・神の力が働いています。そういった大いなる存在・根源の存在と出会って一体になっていくのがサマディであり、本当の自分に出会うことなのです。それは時空を超えた形のない世界です。

Q.今、なぜ瞑想が多くの人たちに 必要とされているのでしょうか?
情報過多で慌ただしい現代に生きる私たちは、つい様々な事に惑わされがちになります。そんな中で自分は何を本当に望んでいるのか、何が一番大切なのか、瞑想をとおして心を徐々にほどいていくことにより、心身ともに柔軟になって物事を広く見つめることができ、理解も深まっていきます。要するに欲望や枝葉の事にとらわれることなく真実に気づいていくので、人生に無駄がなくなります。そして本来の自分に気づいて戻っていくことができ、安らぎとパワーと知恵が得られるからなのです。

Q.必要とされているのでしょうか?
情報過多で慌ただしい現代に生きる私たちは、つい様々な事に惑わされがちになります。そんな中で自分は何を本当に望んでいるのか、何が一番大切なのか、瞑想をとおして心を徐々にほどいていくことにより、心身ともに柔軟になって物事を広く見つめることができ、理解も深まっていきます。要するに欲望や枝葉の事にとらわれることなく真実に気づいていくので、人生に無駄がなくなります。そして本来の自分に気づいて戻っていくことができ、安らぎとパワーと知恵が得られるからなのです。 瞑想について簡単に 教えてください 瞑想は自分の中の曇りや緊張を取り除いて、自分自身を純粋にしていくことです。究極のサマディに到達することで、本来の自分に戻ることができるのです。 自分の足を引っ張っているネガティブな思いや記憶から解放されて、その人が思った通りの人生を生きることができるようになり、願いが叶いやすくなるのです。 人は何かうまくいかないことがあった時に、悩んだり、周囲や環境のせいにしたり、時には人を恨んだりしてしまうこともあるかもしれません。けれど自分の身の回りで起こっていることは、全て自分から湧き起こっていることなのですから、まずは自分が変わらなければ何も変化しないのです。まずあるがままの自分を受け入れる瞑想を行います。本来の自分を愛する瞑想です。そのためには戦わない自分、比較しない自分、そして自然体な自分を日常生活に増やしていくことが大切です。それと同時に自分の内面を見つめたり、観察するということがとても大切です。この時に、マインド(感情)にとらわれないように注意しなければいけません。これは現代人にとって、もっとも高度で重要な気づきの瞑想となるのです。

Q.瞑想に適した 食生活はあるのですか?
食について言えば、食品添加物や不自然な食べ物は体に負担をかけるだけでなく、心身を緊張させてしまいます。ですから本来であれば環境、カラダ、ココロにやさしく響く食事を摂取するのが好ましいのです。私は十代の頃から基本的にベジタリアンで、普段の食事はとてもシンプルでピュアなものを摂取しています。もちろん何を摂取するかということも大切ですが、日々食べ物に感謝したり、いつも愛を感じて食べるという事はもっと大切なことです。私自身、周囲にベジタリアンになることを勧めたことは一度もないのですが、自然とみんなベジタリアン志向な食生活になっています。

Q.サマディ瞑想について 教えてください。
サマディ瞑想とは、聖なる波動にチャンネルを合わせ、それに意識を向けることで自分の中に良い波動を広げていくという瞑想です。続けていくと集中力がつき、眠りが深くなり、小食になり、ココロがやさしくなります。最も瞑想に好ましいのは早朝の4~5時ぐらいの静かな時間ですが、あまり時間にとらわれず、個々のできる時間に行えばいいのです。

Q.これから瞑想を始めたい人たちへ アドバイスをお願いします。
今流行りのヨガも、ファッションからみんな本物になっていくと良いですよね。もちろん「キレイになりたい!」から始めるのは良いことですし、フィジカルなエクササイズは大切ですが、それと同時に内面のエクササイズとして瞑想はこれから必要不可欠になっていくでしょう。その時に正しいマスターのガイドに従って高次元なエネルギーと繋がっていかないと、道に迷ったり、間違った方向へ行ってしまいます。そしてひとたび高次元のエネルギーに繋がる記憶ができると、またそこへ自然と戻ることができるのです。 ヨガや瞑想ではサンガ(聖なる集い)に集い、いろいろ学びますが、瞑想する人もベジタリアンも同じ方向性の仲間たちとシェアすることで、大変だと思っていたことも意外とクリアしやすくなるものです。 私は今後も多くの人々が瞑想によって気づきを深め、揺るぎない幸せを手にする事を祈っています。

Profile

ヨグマタ・相川圭子
瞑想・ヨガの究極、サマディに到達した真のヨギ。
世界に愛と平和を伝えるため、さらに人類全体の集合意識のレベルから
愛ある地球、社会、家族の実現のための実践の道をガイド。
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.11より抜粋

世界のVeggy Peopleに聞く、食とライフスタイル(2)– デニス・バン・デン・ブリンク

ラフティングやバックカントリー・スノーボードなど、自然を中心としたオルターナティブなライフスタイルを好む人々が集まることで有名な北海道・ニセコ。この地でニセコグリーンファームと呼ばれる農場を経営する、デニス・バン・デン・ブリンクに会いに出かけた。1999年から11年間、日本に滞在している彼が語る、自らのユニークな人生、そしてオーガニック農業の未来のこと。

Going Organic
オーガニックということ

ニセコグリーンファームを始めたのは、ちょうど2年前。14ヘクタールの土地のほぼ半分を栽培に使って、パプリカ、トマト、アスパラガス、カボチャ、豆、キャベツ、カブ、オクラ、ハーブなどをオーガニックで育てている。 「オーガニック」というのは結構大変だよ。日本の農業総生産の内、オーガニック生産物はたったの0.17%ということを考慮に入れると、なおさらだ。オーガニック生産物の市場なんて、ほぼ存在しないと言っても過言でないし、農業経営者は厳しい規制と困難な市場状況に立ち向かわなければならない。 ここでは放任受粉した伝播作物を使うことで、種を販売する企業に頼らずに済むようにしている方法をとっている。種の大半は、商業化されたハイブリッドの種を押し付けられることを嫌う人々の世界的コミュニティ(注2)をとおして、アメリカやオランダから入手しているよ。 でも、商業的には多様な作物を育てるということですら、無理な話なんだよ。例えばここで育てているオーガニックトマトは外皮が薄すぎるため、大量生産できないんだ。トマトが熟れていないうちに収穫するという既存のシステムでは、簡単に破壊されてしまうからさ。 だからこそ、大切なことは消費者の意識度を育むことだと思っている。今ここでは作物が熟れたら収穫し、顧客に直接配達する方法をとっているんだ。直販をとおして顧客は農業経営者を知り、強い信頼関係が築き上げられる。同時に、消費者は旬の野菜を認識し感謝することができるようになるしね。こういったシステムは消費者の意識度の改革に一役買っていくと思っているよ。

Challenging the Norms, Being Different
固定概念を覆し、「違う」存在であること

単純に化学薬品を生活に加えたくないと思っている。食べ物であろうが、薬であろうが。すべてがナチュラルであって欲しいんだ。大自然の力は偉大で、生存するために人類が作った化学薬品は必要ないはずなんだ。 加えて、常に当たり前とされることとは違うことをしたい自分がいるんだ。自然の中で生きることや、自分の食べ物を育て、それを感謝している人々のために育てるということとかね。チャレンジがあれば、それを好んで受け入れる性格なんだと思う。チャレンジのない人生なんて、すぐつまらなくなってしまうだろう。新しいことをして、新しい体験をしたいんだ。 Fujimamasで仕事を始めたころから農業には関わっていたけれど、2003年から2004年にWWOOF(注3)をとおしてオーストラリアでウーファー体験をしたとき、オーガニック農業については多くを学ぶことができた。あの体験はオーガニック農業についてとても実用的なことを学ばせてくれたし、そこから進化することができたと思うんだ。 農業を行う際の最大の秘訣は、植物をよく観察するということ。植物が何を欲していて、植物が環境とどう接しているかについての感覚を育んでいくんだ。その結果、様々な土や肥料を調整したり、時には植物を過酷な状況へと追いやることで何がワークするか試行錯誤を繰り返しながら見つけていく。 失敗をしたら、何故それがワークしなかったかを本当の意味で観察する必要があるんだ。成功から学ぶことと同じだけ、失敗からも学ぶ必要があるんだよ。物事はいつでも軌道修正の余地がある。パーフェクトなものなんて存在しないんだから。

Sharing a Vision
これから、ビジョン

精神科病棟のある病院とは連絡を取り始めているんだ。セラピー療法の一環として患者さんを農園に招待し、働き、野菜を育てることを体験してもらい、家に持ち帰って食べて欲しい。これは旅の始まりからビジョンに欠かせない一部だったからぜひ実現させたいと思っている。また、日本の消費者にとって本当の意味でのオーガニック生産物の選択肢が生まれるといいな、と思っている。 今は日本の農業規制はとても厳しいため、生産すら制限されている事実もある。今年生産したトウモロコシの穀粒はあまりにも詰まっていると判断されたため、販売できなくて何千ものトウモロコシが農地に捨てられるはめになってしまったよ。日本という国がたった39%の食料自給率しか持っていないという事実を考慮に入れると、かなりショッキングな事実だよね。多くを生産しているのに、同時に大量の無駄が生まれている。餓えている人々がいるにもかかわらず、私たちは与えることを拒否しているんだ。 そして、ほぼすべてが政府と密接な関わりを持つJAの独占によってコントロールされているんだ。農家は生産物を販売するだけではなく、JAを通して農薬、化学肥料、種、ローンも入手するから、このシステムから逃れて存続することがほぼ不可能となる。でも、これからはそのシステムも変化を求められるだろう。農業の高齢化やそれに伴って若い人々が業界に入ることがそのきっかけになるかもしれないね。個人的には、ニセコグリーンファームでやりたいことをやりながら、少しずつその活動に貢献していきたいかな。生産物をとおして美味しく楽しい体験をまずは提供することで、他の選択肢もあるということを伝えやすい状況をつくり、模範のひとつになれればいいと思っている。結果として、今の「あたりまえ」をすり替えるような豊富なオーガニック選択肢が生み出されるんじゃないかな。そうして、一緒に成長していくのが理想的だね。 人々がもっと自分たちの環境や資源に対して意識を持ち、大規模な工場式農場から小規模生産へと移行できる未来へ向けて、できるところから一歩一歩、地道に前に進もうと思っているんだ。

【Profile】

デニス・バン・デン・ブリンク
Dennis van den Brink
1974年、オランダ生まれ。アジアを愛し、過去12年間をアジアで過ごしてきた。
種から食卓まで、食に対する深い関心と絶え間ない情熱を持つ。
大自然を愛する心に導かれ、食物連鎖から化学薬品を取り除いた「生きた食」を人々に提供したいと強く願っている。

【Interviewer & Text】

堀江里子/Satoko Horie
パリ生まれの日本人。パラインパクト/ヨガジャヤのマネージングディレクター。
世界各国を旅し、土着の文化に溶け込むことを楽しむ家族の元で、国際人として育てられる。
南極以外の大陸をすべて旅した彼女は、未だ見ぬ土地や人々に接し、全く新しいモノの見方を発見することを愛してやまない。常に新しい領域や限界にチャレンジする人生の探求者としての日々を満喫している。
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.13より抜粋

世界のVeggy Peopleに聞く、食とライフスタイル(2) — ステフ・デイヴィス

ユタ州を拠点にするロッククライマー、ベースジャンパー、スカイダイバーのステフ・デイヴィス。世界的に最も注目される女性冒険家であるステフは、「個人のエンパワーメント(自信や力を与えること)」をテーマに、世界各地で講演会を行っている。 パワフルな活動家であると同時に、熱心なヴィーガンでもある彼女。厳しいパフォーマンスからすると意外とも思えるライフスタイルについて話を聞いてみた。ステフは自らの人生、ヴィーガンであること、そして自身の哲学について多くを語ってくれた。

Being That Person
「あの人」になること

最近は、ヴィーガンのクライマーが以前より増えたような気がするし、みんな結果的に良いクライミングができると言っていて、私はこの流れに貢献しているような気がするわ。例えば10年前だったら、共感されなかったことよ。昔、トレーニングに関する記事を書いている有名なクライマーがいたの。あるとき彼女が、「肉を食べるのをやめたら医師に肉を食べなさいと言われた」という記事を書いたの。誰もがその記事を読み、クライマーにとって肉が必要不可欠なものという認識を持った。私がヴィーガンになり始めた当初は、みんなに言われたわ。「あの記事覚えていない?」って。 ある意味、今、私はその「彼女」のような存在になろうとしているのよ。ヴィーガンであることが私にとって効果的に機能しているのだから、あなただって出来るはずよ、と言えるように。そして誰もが「ステフがやっているなら、私だって出来るはず」と思えるように。誰かが書いたトレーニングに関する記事を10年間も人々が忘れないでいるならば、私だって、たまたまヴィーガンであったという事実を伝えておきたいのよ。

The Myth
通説

ヴィーガンといっても実際はとってもシンプルな食生活を送っているわ。調理された商品は買わない。天然産物食品の棚に行って、玄米、キヌア、豆腐、野菜、大豆、レンズ豆、ナッツなどを買うのよ。ヴィーガンになる人が犯す最大の間違いは、彼らが自然食品を食べない、ということ。これが、ヴィーガンの食生活は力がつかないし栄養不足になるという間違った通説を作ってしまうの。ヴィーガンだけれど白いパン、白米、白い砂糖を食べ続けていては、力も出ないし結果的に体重を増やしてしまうだけでしょ。 私はヴィーガンだけれど、自然の食べ物を食べているだけ。気をつけていることと言えば、小麦、白米、精製された製品を食べないようにし、パンを食べ過ぎないようにしていることかしら。あとは、精製された砂糖、特にコーンシロップ(質の悪い人工甘味料)を食べないようにしているわ。糖分全般に関しては、3年間まったく摂取するのをやめたら今では好きでなくなってしまったわ。以前は中毒のようなものだったけれど。 私にとって難しいのは小麦。大好きだから。焼きたてのパンは凄く美味しいけれど、お腹の調子が悪くなるし身体的に弱くなってパフォーマンスが低下するの。今、アメリカでは無グルテン食が流行っていて、レストランですらグルテンを含まないメニューを選べるようになっているわ。でも反対に、ヨーロッパを旅している時は本当に難しい。どこに行ってもパンばかりで、しかもどれも美味しい。体質的に合わないというそれだけの理由で食べないようにしているから、旅がしにくくなってしまうのよ。そういう意味では、アジアはいいわ。米食なので。もちろん白米よりも玄米志向だけど。

Becoming Active in A Different Way
違う形で活動家になるということ

ヴィーガンでない人に、ヴィーガンという考えを紹介するのは結構難しいものよね。過去には、工場式農場の映像をそのまま、Face bookにアップしたこともあったわ。そうすると、ひどく怒って動揺した反応をする人がいたの。この反応は私にとっては違和感があったわ。だって動物消費の残酷な側面について知って、変わることを求められたら、何故それに対して怒りを感じるの? 何かについて悲しいと思ったら、変えようと思わないの?と私は思うから。 でも私が学んだのは、人によってはこの事実は見聞きもしたくないもので、結果的に攻撃的になってしまう、ということだった。 だから私はそのようなやり方で活動する、“強い”現状改革主義とは違うスタンスの活動家になろうと思ったの。もちろん他のヴィーガン活動家が過激な方法をとったとしても、その行動の裏にある動機はとてもよくわかる。でも何かを強く厳しく言い過ぎてしまうと、人ってそれに反抗してしまうものでしょう。ヴィーガンはいつも説教ばかりしているから聞きたくもない、と言われないように注意しなければならないわ。 だから私は、人間のある種の身勝手さに訴えることにしているの。動物について語るのではなく、まずは健康面でのメリットや運動能力について語る。共感できることから始めるの。精神性やスピリチュアリティについてなんて、興味や関心がないことの方が普通なのよ。でも、その人たちが自ら気づけるところまで導くきっかけを与えることができたら、あとは自然と変わり始めるでしょう。私自身そうだったから、わかるの。 活動家としての秘訣は、人々の利己心に訴えかけること、自分が模範となって生きること、そしてポジティブな情報を提供することで脅迫的にならないということね。ポジティブなことに対して、人は逆行しないのよ。美味しいヴィーガンのレシピを提供したり、ポジティブな行動をとるように励ましたりね。そうすることでヴィーガンというライフスタイルも少しずつ理解されていくと思うわ。

【Profile】

ステフ・デイヴィス/Steph Davis
アメリカ出身のロッククライマー、ベースジャンパー、ウィングスーツ・フライヤー。フリーソロ(ロープを使わない)クライミングを専門とするトップクライマーでもあり、世界で最も困難とされる山頂をフリーソロで制覇。熱心なヴィーガンとしても有名。現在、恐れをどう超越し、飛ぶことを通して自由と進化を発見することについて綴る2冊目の本「Learning to Fly」を執筆中。

【Interviewer & Text】

堀江里子/Satoko Horie
パリ生まれの日本人。パラインパクト/ヨガジャヤのマネージングディレクター。世界各国を旅し、土着の文化に溶け込むことを楽しむ家族の元で、国際人として育てられる。南極以外の大陸をすべて旅した彼女は、未だ見ぬ土地や人々に接し、全く新しいモノの見方を発見することを愛してやまない。常に新しい領域や限界にチャレンジする人生の探求者としての日々を満喫している。
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.12より抜粋

世界のVeggy Peopleに聞く、食とライフスタイル — ステフ・デイヴィス

ユタ州を拠点にするロッククライマー、ベースジャンパー、スカイダイバーのステフ・デイヴィス。世界的に最も注目される女性冒険家であるステフは、「個人のエンパワーメント(自信や力を与えること)」をテーマに、世界各地で講演会を行っている。 パワフルな活動家であると同時に、熱心なヴィーガンでもある彼女。厳しいパフォーマンスからすると意外とも思えるライフスタイルについて話を聞いてみた。ステフは自らの人生、ヴィーガンであること、そして自身の哲学について多くを語ってくれた。

Vegan by Accident
ヴィーガンという偶然

ヴィーガンになったのはちょうど7、8年前のこと。より良いクライミング・パフォーマンスを手に入れるため、優れた栄養摂取方法を求めていたの。私が知っている限り、その頃は誰も食に対するハッキリとした特定の考え方を持っていなかったわ。だから、肉食が強さの秘訣だと信じて食べ続ける人と、全く何も口にしないことで可能な限り軽さを手に入れようとする人に二分されていたの。 そんな状況の中で、真実が知りたくて自分なりに実験してみたの。3ヶ月ごとに異なる食生活を実践したわ。例えば、ゾーンダイエットプラン(たんぱく質と炭水化物の比率をコントロールする食生活)や血液型ダイエット(血液型によって異なる食生活をすること)、アトキンズ・ダイエット(低炭水化物食生活)……。でもそのどれも期待していた効果をもたらさなかったから、最終手段として断食をしたの。断食が終わったら、口にするものに対してものすごくうるさくなっていた。卵や乳製品が嫌とか、すべてが天然産物でないと駄目とか。つまり、身体が自然にヴィーガンになってしまったのね。 私にとってヴィーガンになるということは、いつも最後の手段だと思っていたの。当時は動物性たんぱく質が良いパフォーマンスの秘訣であるという考え方がとても強かったし、食生活を変える理由はより優れたパフォーマンスを手に入れることにあったから。 偶然にヴィーガンになったけれど、重要なのはそれがより良いクライミングをするために最高の食生活かどうかということだけ。だからその後も常に自分を観察したわ。そして数ヶ月が過ぎ、より良い状態であるということに気がついたの。以前よりもパワフルにクライミングできたし、素晴らしい効果だった。だから続けることにしたのよ。

From Physical to Ethical
フィジカル(身体)からエシカル(倫理)へ

身体の変化がきっかけだったけどヴィーガンになってから1、2年程たったあるとき、工場式農場について知る機会に出会ったの。私はそれ以前にも3年ほど菜食主義だった時期があったけれど、そのことについては何も知らなかったからすごくショックを受けたわ。 工場式農場について簡単に説明すると、アメリカで消費されている97%の動物性製品は工場式農場からきているということ。居心地の悪い状態から生き地獄のような環境まで、動物は本当に酷い状況にいるの。動物を殺すということだけが問題じゃないのよ。死は問題のすべてではないわ。なぜなら生きている存在はいずれすべて死に行くものだから。問題は恐ろしい在り方に生き物を強制する、ということなの。私は何があってもそれには関わりたくないわ。1度知ってしまったから、もう戻れないと感じるの。 だから今は、何よりもこれが理由でヴィーガンなの。それにプラスして、肉を食べないともっと健康になる、という感じね。それに精神面に対する影響も大きいと思うわ。他の生き物に害を与えてしまうと、それは自分に戻ってきてしまうの。そう思わなかったとしても、きっとどこかで自分が苦しむことになる。私は仏教の教えを信じているわ。悪いことをしたら、それは自分に戻ってくるということ。今の自分に、ないしは違う形で未来の自分に。

Better, Better, Better
もっと、もっと、もっといいこと

ヴィーガンであるメリットのひとつは、確実により良いパフォーマンスと健康を手に入れることができたこと。次に攻撃的でなくなったというのがあるわ。暴力を介したモノを食べると、その暴力が体内に入っていくのよ。動物が恐怖におののいて死んでゆくときは、大量のアドレナリンと緊張が放出されるため、化学物質が身体に充満した状態になると科学的研究からも示されているでしょう。動物を殺して、悪いアドレナリンや化学物質がつまったその肉を食べることは、明らかに自分の身体にも脳にもいいことではないわ。人間を攻撃的に狂わせてしまうと思う。 また、たくさんの量を食べなくなったのも良い点ね。絶壁や山をクライミングするときは、何でも自分で運ばなければならないから、食べる量が少ないと荷物が軽くてとても有利なの。身体がもっと効率的になるのよ。いい燃料を使うと、燃費がいいのと一緒ね。 そして何より、ヴィーガンというライフスタイルが私をより穏やかな方向に導いてくれた、と言えるかもしれないわ。歳を重ねること、成熟すること、哲学について学ぶこと……。そのような意識や肉体の変化とヴィーガンであるというメンタリティは少なからず相互に影響を及ぼしあっていると思う。常にチャレンジする冒険家としては、穏やかな精神状態を保つことは極めて大切なことなの。危険でストレスのかかるチャレンジに直面しているときは、もの凄いプレッシャーがあるから。そのときに穏やかになる方法を手に入れていることは、私にとってはすごく重要なことなのよ。

続く

【Profile】

ステフ・デイヴィス/Steph Davis
アメリカ出身のロッククライマー、ベースジャンパー、ウィングスーツ・フライヤー。フリーソロ(ロープを使わない)クライミングを専門とするトップクライマーでもあり、世界で最も困難とされる山頂をフリーソロで制覇。熱心なヴィーガンとしても有名。現在、恐れをどう超越し、飛ぶことを通して自由と進化を発見することについて綴る2冊目の本「Learning to Fly」を執筆中。

【Interviewer & Text】

堀江里子/Satoko Horie
パリ生まれの日本人。パラインパクト/ヨガジャヤのマネージングディレクター。世界各国を旅し、土着の文化に溶け込むことを楽しむ家族の元で、国際人として育てられる。南極以外の大陸をすべて旅した彼女は、未だ見ぬ土地や人々に接し、全く新しいモノの見方を発見することを愛してやまない。常に新しい領域や限界にチャレンジする人生の探求者としての日々を満喫している。
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.12より抜粋

ベスト・ヴィーガンアイス&パフェ in Japan Vol.3

Let’s eat out today!今日はどこへ行く?

ヴィーガンやベジタリアンの人々はもちろん、
ダイエット中の方でもOKな罪悪感のないアイスクリーム!
さらに乳製品アレルギーが心配なお子様にも安心・安全! 
ヘルシーでからだにやさしく、とびきり美味しい!! 
そして心もしっかり・ちゃっかり満たしてくれる、
ピースフルなヴィーガンアイス&パフェのあるお店を
全国各地からveggy編集部がセレクトしました!

スリランカに伝わるブッダの教え、幸せな心の育て方

お釈迦様の教えが純粋に受け継がれてきたスリランカの仏教。それはいつの時代もどんな人の心にも役立つ、実践的な教えです。感情に振りまわされず、真の豊かな心を持って生きていくために、私たちに必要なことは何なのか。数々の著作をもつスリランカ出身の僧侶・スマナサーラ長老のもとを訪れ、お話を伺いました。

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