アスリートとホメオパシー

皆さんはドイツのプロサッカーリーグの主治医の92%がホメオパシーを処方しているという事実をご存知ですか?
そんなドイツで始まった200年以上も絶えることなく世界中で使われている自然療法のひとつ、ホメオパシーでのスポーツで起こりがちな怪我の対応についてお話します。

ホメオパシーとは「似たものが似たものを癒す」という意味を持つ名前からもわかるように、自然界にある物質が健康な人に起こしてしまう症状があるとしたら、それと似た症状を持っている人に対して治癒の効果を持つという考えを基にした療法です。その害をおよぼす物質を健康な人が摂っても症状が出ないくらいまで薄めて、安全な状態で利用できるようにしたものをレメディと呼びます。


ホメオパスがレメディを選ぶのに使う本の一部

「通常ホメオパス(ホメオパシーの専門家:国によっては医療従事者扱い)は、個人の持つ心身やその人を取り巻く環境など多くのことを考慮しながら、レメディの持つ治癒効果とのマッチングをしてレメディの選択をしていくのですが、怪我では症状にほとんど差がないため、日常的に家庭でのセルフケアとして使うことができます」と話してくれたのは英国人実力派ホメオパスとして世界中で大人気のヒラリー・ドリアン先生。ご自身の住む英国では、病気の方の健康改善に努める他、ウインブルドンに出場するテニス選手やラグビー選手などアスリートのケアも手掛けています。


ロンドン南部にあるヒラリー・ドリアン先生のクリニック

ホメオパシーの創設者であるサミュエル・ハーネマンの誕生日である4月10日を皮切りに、毎年世界中で行われている「世界ホメオパシー周知週間」の日本の活動にあわせて合同会社circulusの招致で11日から来日し、16日までの間に一般向けとホメオパス向けの4本のセミナーを行いました。その皮切りとなったのが、4月12日に行われた「最強のアスリートを目指せ!アスリートのためのホメオパシー」でした。


今年のホメオパシー周知週間のパンフレット

このセミナーのタイトルには「アスリート」という言葉がついているものの、実はホメオパシーでは症状に対してレメディを選ぶため、運動のし過ぎであったり、ボールや人が当たって痛みが起きたり、ぎっくり腰になったりと原因はいろいろあるとしても、腰痛は「腰の痛み」としてとらえ、どんな痛みか、どんなふうにすると痛みが増したり、緩和できたりするかを観察してレメディの選択を行います。そして、腰痛も肩こりも、捻挫や打身も同じレメディで対応できることがあります。

ヒラリー・ドリアン先生がセミナーでご紹介くださったものの中から日常でも役立ちそうな植物から作ったレメディの一部をご紹介します。

アーニカ(Arnica Montana)
「どんな怪我にでもまずはアーニカ!」とホメオパシーでは欠かせないレメディのひとつ。運動はもちろん、大掃除など体を動かすときには手元にあると安心です。スポーツやアウトドアを楽しむときにはリュックサックに忘れずに入れておいてください。

ルストックス (Rhus toxicodendron)
動き始めは痛いけれど、動いているうちにだんだんと楽になっていく症状に良いレメディ。肉離れなど筋肉の怪我や捻挫、凝りなどといった関節や腰の痛みなどにも役立ちます。マッサージやサポーターなどで圧迫することや温めることで緩和されます。

ルータ (Ruta Graveolens)
骨の内側からくるような深い痛みに良いのがこのレメディです。靭帯や腱などを急にひねってしまったり、裂けてしまったときの他、練習のし過ぎで脚や腕を痛めたり、仕事で手首を酷使することで起こる痛みにも有効です。使い過ぎと言えば、パソコンやスマホで疲れた目にもおすすめです。

レメディは通販などで購入可能で、セルフケアとして使うこともできますが、「最小限の法則」を守り、できるだけ少ない種類と量のレメディで対応するように心がけてください。1回に1粒の摂取を守り、2粒、3粒と使ってみて効果がわからないときはむやみに続けずホメオパスに相談することをお勧めします。

海外では冒頭にあげたドイツのサッカーチームの様に、スポーツチームに専属のホメオパスがいたり、金メダリストのウサイン・ボルトの様にホメオパスにケアをお願いしているアスリートも多くいます。ホメオパシーを利用する一番の利点として、ケガが早く治る可能性があることが挙げられます。早く治癒するということは休む期間が短くすむで、体が鈍るのを最小限に抑えることができ、リハビリ期間の短縮と回復を助けることで素早い復帰が可能となります。また、ケガによる休場後の復帰戦での緊張や自信の欠如は試合に大きく影響を及ぼします。そんな心理的な部分でもホメオパシーはサポートすることができるのです。

以前の試合で起きたトラブルが原因でトラウマになっていることや、小さな時から抱えている問題を解決することで自信が生まれたり、緊張しなくなったりすることもあるかもしれません。

セミナーの最後にヒラリー・ドリアン先生が「緊張を取り除き、強い決意をもたらす」ジェルセミウムというレメディをご紹介くださいました。恐怖を感じたり、不安でブルブルと震えてしまうときに役立つレメディです。


授業の様子

ご自身で使えそうなレメディはありましたか?
このセミナーを通じて、そしてこの記事を通して多くの必要な方にホメオパシーが届くことを願っています。アスリートご本人だけでなく、マッサージや食事管理などアスリートケアに携わる方々、またスポーツキッズのママたちにも役立つセルフケアツールになると思います。

2020年にオリンピックを迎える日本でも、世界水準ともいえるアスリートケアのホメオパシーが使われるようになり、日本でもアスリートと共にホメオパシーが成長していけることを願います。

藤田 円
人々の生活を楽しく幸せで健康なものにすることを目的についた建築の仕事から、古い建物や自然を守るナショナル・トラスト活動に興味を持ち就職。本場英国の活動に参加するため渡英。8 年半の英国滞在中にガーデナー、教会建築士として働きながらSociety of homeopathsの認可校であるSouth Downs School of Homoeopathyで4年間のトレーニングの後、ホメオパシーの資格取得。ガーデニング専門誌「BISES」や自然療法専門誌「aromatopia」に連載・執筆を行うほか、ホメオパシーを日本人に伝えるべく、英国、日本、タイで講座やワークショップ、コンサルテーションを行っている。

Homepage:https://circulus.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/circulusllc/
Facebook:https://www.facebook.com/circulus.O/

参考文献

いざというとき役に立つ ホメオパシーのくすり箱
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今知りたい!ホリスティックな癒しのチカラ—ロンドンにおける代替医療

代替医療とは、一般的になじみのある西洋医学以外の医療を指す言葉。メスやクスリを使わずに、私たちが本来もっている自然治癒力を高め、健康に導く治療法のことです。
世界各地の伝承療法や東洋医学、ホメオパシーまで、その種類は多様ですが、こころとからだを「ホリスティック」にとらえ健康に導くという考え方がベースにあるといえるでしょう。
ホリスティックとは「全体的」という意味。人の存在を、ボディ(からだ)・マインド(こころ)・スピリット(魂・精神性)という3つの側面からみつめ、社会や自然、環境問題までを視野にいれて現象にアプローチしようという考え方です。
こころやからだの不調はいろいろな要因が絡まり合った結果で、一部を手当てしてみても根本的に解決しているとはいえないもの。大切なのは全体的なバランスをきちんととらえて、問題に向き合うことです。
「治ったらおしまい」の一般的な医療とは異なり、代替医療にはライフスタイルを良いものに変え、人生を豊かにするヒントがたくさんつまっています。これまでの医療に対する考え方をすこしほどいてみれば、こころもからだも芯から変わっていくでしょう。
今こそ豊かな毎日をおくるツールとして、代替医療とつき合ってみませんか。

今回は、ロンドンにおける代替医療(自然療法)についてご紹介いたします!
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代替医療の本場では、ホメオパシーは家庭の常備品

古くから、代替医療が一般家庭にも浸透し、日常生活の一部となっているイギリス。イギリス王室自らも基金を設置し、代替医療の研究機関の設立を援助したり、保険の適用が一部可能になったりと、先進国の中でも特にイギリスは代替医療の普及に力を入れている国だ。またチャールズ皇太子は代替医療の推進と研究に熱心なことでも知られており、国家レベルで代替医療の普及を進めてきたことは有名な話。現代西洋医学と代替医療を上手く組み合わせて、個人が治療法を選択できる恵まれた環境にあり、代替医療は特別なものではなく、イギリス人の生活の一部として自然に溶け込んでいるものなのだ。代替医療が治療の一部として当たり前になっているため、ホメオパシー、ハーブ、鍼灸などの東洋医療の知名度も高く、街中では多くの代替医療のクリニックを目にする。ストレスの多い現代人において、もはや代替医療は欠かせないものとみなされている。 そんな中、代替医療に興味がある人の間で変わらずの人気なのが、ロンドン中心部にある“ヘリオス・ホメオパティック・ファーマシー”。家庭に常備しておきたい基本キット、怪我や急病のときに役立つ緊急キット、妊婦さんから産後まで使える、チャイルド・バースキット、そしてペット用の緊急キットまで、用途に合わせて選べるセットはヘリオスの一番人気商品。知識を備えたスタッフによる分かりやすく丁寧な説明も好評。

イギリス生まれの自然療法、フラワー・レメディー

フィジオセラピー(自然療法)が資格としてきちんと存在しているイギリスでは、一般の自然療法に対する理解と認知も非常に高い。副作用がなく、赤ちゃんやペットはもちろん、妊娠中でも安心して使えるということもあり、近年ますます注目を集めているのがフラワーレメディー。イギリス生まれの自然療法であるフラワー・レメディーは、イギリスの医師エドワード・バッチ博士が、研究を重ねて完成させた治療法。花の持つパワーによって精神と体の両方を癒す効果のあるフラワー・レメディーは、小さな小瓶に入った液状、あるいは皮膚に直接塗るクリームとして販売されている。フラワー・レメディーの特徴は、なんと言ってもその人の精神面や心のバランスを保ち、ストレスのない健康な状態に保つのに役立つということ。不安定な状態の心が引き起こす肉体面への影響や病気からの回復を手助けするのだ。肉体的な治療だけでなく、心の健康にも作用するということから、自然な治療アプローチとしてイギリスでは長らく愛用されてきた。 色々な会社からフラワー・レメディーが発売されているが、その中でもやはり一番有名なのが、バッチ博士の意思を引き継ぐ“バッチ・フラワー・レメディー”だ。イギリスでは普通に街中の薬局などで販売しており、医師の処方箋なしに誰でも簡単に手に入れることが出来る。中でも家庭の常備薬のように普及しているのが、“レスキュー・レメディー”だ。このレメディーは70年以上に渡って私たち人間だけでなく動物も含めて、精神的にアンバランスな状態を和らげる手助けをしてきた。心身共にバランスの取れた健康な状態を維持するために、このレスキュー・レメディーは現代人の必需品なのかも知れない。
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雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.12より抜粋

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