カルマが軽くなる食べ方・生き方 — 吉良さおり veggy編集長コラム

− From Editor in Chief

カルマが軽くなる食べ方・生き方

いつもベジタリアンになった理由を聞かれるのですが、そもそも私は子供の頃からほぼベジタリアンでした。特に家庭の嗜好や宗教上の理由ではなく、ただ単に家族の中で私だけがお肉を嫌っていたため、家では普通に動物性の食事もありましたが、例えばカレーやシチューにお肉が入っていれば、お肉だけ最初から自分のお皿にはよそわないようにしていました。給食などでも嫌いなものは全て残すか、最初から給食当番に断るか、食欲旺盛な男子にそっとおすそ分けするなど、その時々で頓智を働かせて柔軟に対応していました(笑)。ですからあまり苦労せず、大きくなるまでお肉を避けることが出来ていました。そしてその後イギリスに留学することになった時、イギリスの家庭ではよく食事にラム肉が出ると知り、断わる状況になる前に避けようと思い、ベジタリアンのお家へホームステイを決めます。その時のホストマザーは、子育てが終わって自由を謳歌している一人暮らしのアーティストでした。そこではキッチンを自由に使え、お肉の代わりに豆を使ったイギリス料理のシェファーズパイ(ミートパイ)を教えてもらったりと、一緒によく食事を作ったり、面白い現代アートの個展を見に行ったりと、とても健康に過ごせていました。そんな感じでベジカフェも多く、自然食品屋さんも多いイギリスでは難なくベジタリアン生活を過ごせていたのですが、その後に留学したフランスで一人暮らしを始め、少し体調を崩してしまいます。その時、日本人を含む有色人種が牛乳に含まれるラクトースを分解する酵素をあまり持っていないことを知り、毎日摂取していた乳製品を控えました。するとすぐに症状がひいたのです。他にも“なぜ植物性食品を多く摂る方が健康でいられるのか”という知識の大半は、その時に自分で本を読んだり、パリで色んな教室やヨガに通うことで理解できました。ただその頃に知ったマクロビオティックの陰陽の法則が、フランス語を通してでは本質を理解できなかったため、日本へ戻るたびにマクロビオティックの日本語の本を買い求めフランスへ舞い戻っていました(笑)。もう20年ぐらい前の話ですが、当時でも青山の“ブッククラブ回”あたりへ行けば、一通りその手の本が手に入ったのです。

そんな感じで特に20代後半はストイックにマクロビオティックを取り入れ、数年は徹底したヴィーガンの時期もありましたが、32歳で結婚してからはローフードやアーユルヴェーダも取り入れ始め、ハチミツやギーも摂取し、時には普通のケーキも食べますし、本当にごく時々ですが魚も外で振舞ってもらえばいただきますから、最近はかなり柔軟なベジタリアンです。ただし今でもお肉だけは食べることがありませんし、お肉もどきも苦手です。ここまであの固まりが嫌いなのは、何かのカルマかな? とも感じます(笑)。

世の中にはあまり食べなくともプラーナで生きられる人がいるようですが、ほとんどの人は食べなければ生きられません。ベジタリアンでも植物を食べますから、私たちは大なり小なり直接的に又は間接的に、何かを犠牲にしなければ生きてはいけないものです。ですからその犠牲やカルマをなるべく軽く出来る食べ方や生き方を、今後も“veggy”で提案できればと思います。


2014年12月24日 編集長 吉良さおり
veggy vol.38(2015年1月号)より抜粋

ヨガから始める手放し上手 — 吉良さおり編集長コラム

− From Editor in Chief

ヨガから始める手放し上手

私が思い出したようにヨガや瞑想をするのは、特に意識はしてないけれど、多分何かモヤモヤなどをリリース(手放す)したい時だと思います。大体はまだ子供が寝静まっている早朝か、眠りについた夜、しかもかなり時間にゆとりがある時しか気が向きませんから、今は週に1度ぐらいそんな時間が作れればいいかな、という程度です。多くのママがそうであるように、小さな子供がいると、自分と向き合える時間を作るのは難しいもの……、そう思っていました。それはとてもごく最近まで。それが本当にふとした時に、“もしかしたら、時間軸は自由に動かせるかも!?”と思ったのです。

そもそも私がいつも何かを思いついたり、気づいたりするのは、決してヨガや瞑想をしている時ではありません。かつて仏陀が“瞑想では何も悟れなかった”と云ったのは、もしかしたらそういう事だったのかな? とも感じています。ですから私にとってヨガや瞑想とは、単にココロをクリーンに透明にするためだけのものなのかもしれません。例えばダイビングなどで海の中に潜った時、海の水が濁った状態では周りはほとんど見えませんが、透明な海の中では、実に遥か遠くのものまで見渡せますよね。ですから人間のココロというものも、きっとそんな海と同じような仕組みなのでは? と思うのです。昔の様々な国の先住民たちは、“自然の中には全ての気づきがある”とよく云ったものですが、本当にそうだな〜とつくづく感じています。

そうそう、この号は年末年も挟みますが、みなさん様々な神社仏閣に参拝する際はどんなことを願いますか? 私はいつからか、どこの神社仏閣であっても、どんな国の宗教的な建物を訪ねた時であっても、さらに先祖のお墓参りであっても、いつも感謝の気持ちだけを贈り、願い事などは一切しません。“欲望は執着を生み、執着は不幸をもたらす”と仏陀は説きましたが、この説は確かに一理あるかもしれないと感じています。意外かもしれませんが、願い事だからこそ、まずはリリースする必要があると思うのです。他にも例えば、嫌なことをされた相手、又は自分にとって“敵”であるかのような相手を許すことは、気持ち的に難しいとされているのかもしれませんが、そんな事こそリリースにつきますし、それが楽に自然とできるようになると、人生が本当に楽しくなると思うのです。

私はヨガと瞑想のプラクティスのおかげでリリースしやすい体質になったせいか、自然と色んな物事について執着がなくなってきましたが、それでも人間なので、全く無くならないという事はないのかもしれません。今でも無に近づきたいという思いはありますが、それは別に出家するわけではなく、ごく普通に人生を歩みながら誰もができることだと思うのです。


2014年10月27日 編集長 吉良さおり
veggy vol.37(2014年11月号)より抜粋

 

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