ちょっと待って、まだそれ食べられます!ベルリンの食品レスキュースーパー『SIRPLUS』

こんにちは、ベルリン在住・イラストレーターのKiKiです。

みなさん、賞味期限が切れた食品について考えたことはありますか?もし、賞味期限切れの食品をすぐに捨ててしまっているのなら、ちょっと今回の記事を是非読んでみてほしいです。

わたしが賞味期限切れ食品について考えるようになったきっかけは、日本食品でした。こちらで日本食品を購入すると輸入品になるので、2倍、3倍のお値段になります。ヨーロッパの国々から見ると遠い国であることや、日本食ブームもあり、こちらでは日本食品は高価なもの、という印象です。

そこでベルリンに引っ越してから、日本から持参したものや友人からのお裾分けで頂いた日本食品は、多少賞味期限が切れていても、『もったいない…!』の精神で気にせず食べるようになりました。

それは最初、1ヶ月、そして2ヶ月。パッケージされているものは、封を開けなければ結構問題ないことがわかりました。最近は夏になり、去年頂いてそのまましまっておいた賞味期限が1年前の麦茶をつくって飲んでいますが、特に何も問題はありません。(ただし、個人の判断にお任せします…!)

そんな生活を送る中、賞味期限切れの食品をすぐに処分することをやめたら、廃棄食品の量を減らせるのではないかと、ぼんやり考えていました。

そして最近、わたしがぼんやり考えていた一方で、ベルリンではとっくに『食品レスキュースーパー』として実行し、活動しているスーパーがあることを知りました。

それが『SIRPLUS』です。今回、ベルリン・ノイケルン地区にある店舗を取材してきましたので、ご紹介いたします。

食品レスキュースーパー『SIRPLUS』とは?

SIRPLUSは、毎日大量に廃棄処分されてしまう”まだ食べられる”食品たちを救うために立ち上がった社会的なスタートアップです。

大手スーパーでは、厳しい食品検査をしているため、賞味期限切れの食品の他にも、規格外の野菜、パッケージに傷がついてしまった訳あり食品なども、やむを得ず廃棄処分に回すことになります。

そんなまだ食べられるのに、廃棄処分として認定されてしまった食品たちをSIRPLUSは大救出!実際の価格よりも大幅に安い値段で提供し、廃棄されてしまう食品を減らす活動をしているのです。

SIRPLUSを立ち上げた、創立者の1人であるRaphael Fellmerは、フードシェアリングの活動家。

ベルリンでは、難民など様々な事情を抱えて生活をしている人たちが多く、カフェやレストランで余り、処分に回される食料を必要な人たちにシェアしよう!という活動が盛んに行われています。わたしも電車に乗っていたときに、フードシェアリングの活動をしているお兄さんたちに声をかけられ、『廃棄されるパンだけど、まだ全然食べられるんだよ、食べる?』とパンを頂いたことがあります。もちろん全く問題なく、美味しく頂きました。

Raphael氏は2010年から5年半、お金を全く使わない生活を送りました。その生活の中で、多くのまだ食べることができる食料たちが廃棄されているという現状を知り、『SIRPLUS』のアイディアを閃きます。そしてクラウドファンディングで資金を募り、実現させたのです。

SIRPLUSの目標は、食品レスキューを通し、食品廃棄物を大幅に減らしていくこと。すべての食べ物を大切にし、生活のサイクルへの道を切り開くこと。売上金から、発展途上国の給食支援費に寄付するなどの”平和の循環”活動にも力を入れています。

気になる賞味期限切れの食品を販売することについてですが、SIRPLUSのウェブサイトにはこう書かれています。

賞味期限は消費期限ではありません。消費者が賞味期限切れであることを確認し、その食品に”楽しさ”を感じたのなら、それらを販売することは合法です。

つまり、消費者の判断に任せます、ということ。確かにその通り…

そんなSIRPLUS、お客さんたちの反応はどうなのでしょうか?

ベルリン・ノイケルン店内の様子。

開店時間の朝10時にお店にお邪魔したのですが、続々と若い子から年配の方まで、幅広い年齢層のお客さんがやってきました。

価格が大幅に安いことはもちろん、日頃から環境問題について意識が高いドイツ人たちの間で話題になり、とても注目されているのです。

品揃えは、野菜・缶詰・瓶詰め・飲料水・お菓子など、パッケージされて未開封のものなら、なんでも!パスタエリアに、うどんも発見しました。笑

そして、やっぱりみんなが気にしているのは賞味期限です。わたしも気になります、さっそく見ていきましょう!

BIO(オーガニック)食品も、多く並んでいます。こちらのPotato Fix (ポテトに味付けをするもの)の、元の販売価格は1.04ユーロ(約126円)が、SIRPLUSでは半額以下の0.55ユーロ(約67円)!!

気になる賞味期限は…

2019年の6月19日。取材日が2019年7月16日なので約1ヶ月前。わたしの経験から、1ヶ月くらいは全然平気だと思います。(でも個人の判断にお任せます!)

並んでいる商品と賞味期限をいくつか見てみましたが、2、3ヶ月前のものが多く、中には2018年7月18日のものも!約1年前ですね。

面白いなと、ちょっと笑ってしまったのは、このサンタさんチョコレート軍団。

ドイツではクリスマスはお正月のように、家族と過ごすとても大切な行事なので、毎年シーズンになるとクリスマス商品でスーパーの棚はいっぱいになります。しかしシーズンを終えると、姿をコツゼンと消すのです。。彼らは救出されて、夏の今でも子供達に夢を与え続けているんですね。

お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、商品の値札も工夫されていて、商品の名前・賞味期限・元の販売価格・SIRPLUS価格がきちんと記載されています。

消費者がすぐに、その食品を購入することについて考えることができるように配慮されているのです。

わたしは、試しにこのヴィーガン表示のある『ヘーゼルナッツとモリンガのスーパーチョコバー(賞味期限2019年3月12日)』を購入してみました。

この原稿を書きながら、美味しく頂いています。賞味期限も、全然気にならないお味です。チョコレートパワーで、原稿も楽しく進みました◎

さて、如何でしたでしょうか。もし食料棚や冷蔵庫を開けて、未開封の賞味期限切れ食品を見つけたら、すぐに捨てず、SIRPLUSのように『たのしさ』を感じるか、1度考えてみてください。
きっとまだまだ美味しくて、空腹のあなたを元気にしてくれるはず!

※この記事はSIRPLUS創立者の1人Raphael Fellmer氏に、取材・撮影許可を得て執筆しています。ありがとうございました!

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SIRPLUS
HP : https://sirplus.de/
Instagram : https://www.instagram.com/sirplus.de/
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KiKi / イラストレーター
西伊豆の小さな限界集落出身。交通機関もない、1番近いお店まで車で1時間。とにかく大自然しかない小さな集落で、紙とペンと空想で無限大に遊べることが、この上ない娯楽で贅沢でした。

2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。その後、同大学マンガ学科研究室にて副手を3年間務めながらイラストレーターとしての仕事を少しずつ増やしていき、2015年からフリーランスに。居場所を探して旅するように生きていたらベルリンに辿り着き、2016年の夏から移住。

例えば、私のように小さい集落で暮らしている子が、そこから旅立つ時期を迎えたときに、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』って気づけるようなものを残していけたら、最高だなと思いながら絵と文章をかいています。
Portfolio site : http://kiyonosaito.com/
instagram : https://www.instagram.com/kikiiiiiiy/

 

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