ヨーロッパで初めてオープンしたヴィーガンドーナツ屋さん 『brammibal’sdonuts』

ヨーロッパで初めてオープンしたヴィーガンドーナツ屋さん 『brammibal’sdonuts』

こんにちは、ベルリン在住・イラストレーターのKiKiです◎

今まで『世界のヴィーガン放浪記』として国単位で素敵なヴィーガンのお店を紹介していましたが、他の国に行くのも不定期なのと、何よりベルリンにはまだまだ素敵なヴィーガンのお店があるので、気になったお店をどんどん紹介して行くことにしました!

今回ご紹介するのは、ヨーロッパで初めてオープンしたヴィーガンドーナツ屋さん『brammibal’sdonuts』です。

お店のイメージカラーは”ピンク”!ドーナツたちもカラフルで可愛くて味ももちろん最高、みんなが笑顔になるハッピーなドーナツ屋さん。なぜヴィーガンドーナツ屋をオープンしようと思ったのか、その経緯やヴィーガンドーナツを通して伝えていきたいことなども、教えてもらいました◎

brammibal’sdonuts

『brammibal’sdonuts』のオーナーでパートナーのジェシカとブラムは、12年以上ヴィーガン生活を送っています。今から4年前、彼らはヴィーガンドーナツを切望していましたが、残念ながらヨーロッパでヴィーガンドーナツを買えるお店がありませんでした。そこで、彼らは自分たちでつくろうと考えました。

さらに自分たちのためだけでなく、ベルリン市民に良質で優しいヴィーガンドーナツを届けようと、2015年初めに『brammibal’sdonuts』を立ち上げます。

立ち上げのの1年目、様々なフードマーケットやイベントに出店すると早期売り切れが続出。翌年の2016年5月、時が来た!と判断し、ヨーロッパ初のヴィーガンドーナツショップをオープンしたのです。

優しいドーナツとお客さんたちの笑顔に囲まれた、暖かい空間。

店内に入ると、ショップのテーマカラーである”ピンク”で統一された内装に一目惚れ。私がお店に訪れた日は土曜日で、友人同士・カップル・家族などたくさんの人たちで店内は常に賑やか。

ショーケースに並んだドーナツを見た小さな子供が、目をキラキラに輝かせてこう言いました。

『Wow, toll !! Ganz viele Donuts !! (わお、すごい!! とてもたくさんのドーナツ!!』

君のその気持ち、とてもよくわかるよ!!と、心の中で思っていました。笑
ドーナツのデザインも遊び心をくすぐり、見ているだけでワクワクしてきます。

『brammibal’sdonuts』は、”ヴィーガン”としてだけでなく、工業的につくられたドーナツに代わる優しくて誠実な代替品を提供する、という想いも込めて活動をしているそうです。

すべてのドーナツは安全で高品質の材料のみを使用し、パン職人によって新鮮につくられています。通常の6種類のドーナツに加えて、毎月新しい味を追加。季節ごとの味を楽しむことができるのです。

どのドーナツたちもとても魅力的で、どれにするか数分間迷ってしまいました。そして最終的に選んだのは、こちら!チョコレートのクッキー&クリームとストロベリーのドーナツ!

通常のドーナツより、少し大きめのサイズ。2つ食べて、幸せでお腹がいっぱいになるくらい!ドーナツは、ふわふわで、コーティングのチョコやストロベリーも甘さ控えめで、とても優しい味でした。

この日友人と訪れた私は、ドーナツの美味しさと店内の居心地の良さに、気づくと長い時間滞在していたのでした。

ヴィーガンドーナツを通して、”ヴィーガン”という選択肢をポジティブに伝えていきたい。

後日また訪れた際に頂いたアップルパイドーナツも、とても美味しかったです!

オーナーのジェシカはこう言います。
『私たちは多くの理由からヴィーガン生活を選びましたが、その主な理由は倫理的な動物たちの権利の保護です。ヴィーガンのイメージは近年徐々に変わってきましたが、まだヴィーガン食は退屈だと考える人たちがいます。ドーナツは親しみやすくて、ハッピーで、多様性のある、みんなが大好きな素晴らしい食べ物です。私たちはヴィーガン生活が退屈なものではなく、とても楽しいことであるということを、ヴィーガンドーナツを通してポジティブに伝えていきたいと考えています。』
そんな優しくてポジティブなドーナツの輪はどんどん広がり、現在はベルリン市内に3店舗あります。今回はプレンツラウアーベルク地区にある店舗にお邪魔し、取材させて頂きました。お忙しい中、本当にありがとうございました!

・・・・

日本でも、徐々に認識され始めている『ヴィーガン』という言葉。生活に取り入れたり、挑戦することを難しいと抵抗を感じる人たちもいると思います。私もそうでした。何か難しい食べ物なのかな、という印象をずっと持っていました。でも『ウィーガン』!と特に意識せず、とりあえず食べてみることをお勧めしたいです。とても美味しくて、様々な工夫をこらされた料理にきっと興味を持つと思います。まずはその興味から、考えることをはじめてみてほしいです。

日本でも、続々と美味しいヴィーガン料理屋さんがオープンしてきています。これを読んでくださった読者の方と、素敵なヴィーガン料理屋さんの出逢いが生まれることを祈っています◎

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『brammibal’s donuts』
取材先 
Address : Danziger Straße 65 Berlin Germany
他、2店舗ベルリンにあります。
Address : Maybachufer 8
Address : Alte Potsdamer Straße 7
URL:https://www.brammibalsdonuts.com/
Instagram : @brammibalsdonuts
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KiKi / イラストレーター
西伊豆の小さな美しい村出身。京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科研究室にて副手として3年間勤務。その後フリーランスに。2016年夏よりベルリンに移住。例えば、私のように小さな集落で暮らしている子が旅立つ時期を迎えたとき、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』と気付けるようなものを残していけたら、最高だなと想いながら絵と文章をかいています。

Portfolio site : http://kiyonosaito.com/
instagram : https://www.instagram.com/kikiiiiiiy/

アメリカのプラントベース肉製造会社Beyond Meat ① ~ファストフードチェーンがこぞって使いだした魅力とは~

Clean Living !!
こんにちは。料理家/Cal Vegan和菓子作家のTerumi Kogaです。上白糖を使用せず、オーガニックや自然由来の食材で作る「Cal Vegan和菓子」を考案し、食を通して和文化を発信しています。

“Clean Living”とは清潔な生活という意味だけでなく、衣食住を通して心身ともにオーガニック、エコ、サスティナブル、ドラッグフリーな生活をめざそう! というヴィーガン達のライフスタイルのことも示しています。

さて、オリンピック開幕が本格的に迫った頃から盛んに叫ばれ始めた、「ヴィーガン」や「グルテンフリー」という言葉。今や聞かない日はないほど。
私の住む南カリフォルニアにはアメリカの2大代替え肉製造・販売業社の一つである、Beyond Meatの本社があります(もうひとつはImpossible Foods社)。
今回は、Beyond Meatの紹介とスタッフへのインタビュー記事を、2回に渡ってご紹介します。


~食品業界の革命~

2009年イーサン・ブラウン氏によって設立されたBeyond Meatは、プラントベースの代替肉を作る食品製造を主としています。2013年にアメリカ全土で商品の販売を開始し、2016年にはプラントベースのハンバーガー・パテの販売も始めました。
Beyond Meatの全ての商品は、大豆、添加物、グルテンがフリー。大豆アレルギーの多いアメリカでは、大豆ミートも敬遠されがちな現状なのです。
大豆ミートに慣れている日本のヴィーガンの方々にとって、Beyond Meatの商品は触感も味も新たな発見があることでしょう。今後、日本でも広まりうる食品だと思います。

もう一つの特徴は、その販売方法。Beyond Meatの商品は、ヴィーガン食品のコーナーにあるわけではなく、スーパーの極普通の精肉コーナーに置いてあるんです。これはBeyond Meatのこだわりの一つと言っていいのではないでしょうか。

現在Beyond Meatは、前述のハンバーガー・パテの他、ビーフ挽肉、ビーフあら挽き肉、ソーセージ(オリジナルとホットイタリアン風味)を製造販売しています。冷凍食品に至っては、鶏胸肉や牛ミートソース、タコス用の牛ひき肉などバラエティーに富んでいます。これらの全てがヴィーガンやベジタリアンが行く特別なスーパーマーケットではなく、私の住む南カリフォルニアの近所のスーパーで手に入るのです!


ご存知のようにアメリカ人はBBQ大好き! 毎日BBQなんていうお宅も珍しくありません。これ、冗談かと思われると思いますがホントの話。
プラントベースの肉をグリルで焼く。10年前には考えられなかったことでしょう。それに男子がBBQピットの前でトング片手に料理している姿ってカッコいい!! そう思いませんか?(笑)

 

~ファストフードとBeyond Meat社~


現在、Beyond Meatが提携しているファストフードチェーン店は、ダンキンドーナツ、デルタコ、A&W、カールスジュニア、ベジーグリル、TGI FRIDAYS。そして、つい最近KFCも「ケンタッキー・フライド・ミラクルチキン」としてBeyond Meatの製品を使った新商品を発売開始。さらにはマクドナルドまでもが、Beyond Meatのパテで試験販売を開始したのです。
創業者のイーサン・ブラウン氏は“マクドナルドでプラントベースのバーガーが買えるようになることは、長年の夢だった”とコメントしています。

 

~ファストフードがプラントベースに注目する訳~


何故ファストフード店がプラントベースに注目するのでしょうか?

私がアメリカに渡った28年前と比べると、西部や東海岸の人々の食に関する意識は相当変わったと思っています。しかし、それはまだ一部の州都に限っているのかも知れません。未だに食を要因とする子供の肥満率や糖尿病などの問題も深刻です。そしてこれらの問題は、低所得者(なんとサンフランシスコでは、所得1,700万円以下は低所得とされています)の家で起こりやすい傾向があります。価格が安く、手軽に買えるファストフードは低所得家族の主食となっていることが多いからです。

ファストフード=不健康、肥満、成人病などのイメージはなかなか払拭されるものではありません。そんな中、Beyond Meatは、ファストフードの不健康なイメージに光を与え、この先のアメリカ国民の食生活を一気に変えるぐらいの革命を起こしたのではないか? と大げさではなくそう感じるのです。食生活に制限のある人でも、ファストフードで食べることができる! ヴィーガンやベジタリアンと、そうでない人々が、ファストフード店で食を共にできるということを叶えたのです。

Beyond Meatは、同じくプラントベースの肉を製造、開発しているImpossible Food同様、ビル・ゲイツやレオナルド・デカプリオなど多くのセレブリティや実業家に投資を受けています。


そんな波にのるBeyond Meatですが、アメリカで知名度を得られるようになるまでに
は、10年という年月がかかりました。これからは、これまでよりずっと加速しながら、世界中の人々に影響を与えて行くのでないでしょうか。

今回はアメリカの代替肉製造&販売社・Beyond Meatとは? をご紹介しました。
次回はインタビュー記事です。スタッフの声をお楽しみに!!

*Beyond Meat https://www.beyondmeat.com/

Terumi Koga
料理家/Cal Vegan和菓子作家。カリフォルニアを拠点に料理教室、レシピ開発など幅広く活動。ヴィーガンで身体に優しい和菓子、Cal Vegan和菓子(2019年商品登録取得)はスーパーフードなどを使用した和洋のエッセンスが楽しい菓子である。
料理、和菓子を通して海外に和文化を発信している。Clean Living !!
http://www.terumikoga.com/

ベルリンのスーパーで発見!本物そっくりヴィーガンミートひき肉『NEXT LEVEL HACK』

こんにちは、ドイツ・ベルリン在住のイラストレーター、KiKiです。

ある日の夕方。近所のスーパーに買い出しに行くと、お肉売り場でこんなものを見つけました。その名も『NEXT LEVEL HACK / VEGANISHE HACK』!!

ドイツ語でひき肉のことを『Hack(ひき) fleisch(肉)』というので、商品名を日本語に訳すなら『次世代のひき肉、ヴィーガンミートひき肉』というところでしょうか。

とても気になって、すぐに購入し早速夕飯にお料理してみました!今回は、そのレポートをお送りしたいと思います。

次世代のひき肉、ヴィーガンミートひき肉!!

こちらがその次世代ヴィーガンミート!

精肉売り場に本物のお肉たちと一緒に並べられていましたが、ぱっとみ見分けがつきませんでした。大きく記載されている『VEGAN(ウィーガン)』マークに目が止まり、商品説明を読み、これがお肉ではないという事実に衝撃を受けました。

エンドウ豆・小麦・大豆など、さまざまな植物性タンパク質から出来ているようです。

価格は2.99ユーロ(約350円)で、こちらの一般的なひき肉の価格と変わりありません。見た目もそっくりで、良心的な価格。ヴィーガンの人はもちろん、ヴィーガンに興味を持っている人でも、抵抗なく購入し、試してみることができるのではないでしょうか。

そしてもう1点、日本の皆さんにお伝えしたいことがあります。それは、このウィーガンミートを購入したお店はオーガニックを意識した高級店などではなく、Lidlというヨーロッパを中心に展開しているスーパーで、商品価格も良心的で、一般庶民の優しい味方であるということです。

以下のLidl公式ページに、今回の商品開発の経緯についてこう書かれています。

8月の初めに、すべてのLidl店舗で自社ブランド「Next Level Meat」の最初の商品であるヴィーガンバーガーパティを発売し、多くの肯定的なフィードバックを受け取りました。

この顧客の応答により、代替肉の消費を簡単かつ魅力的にするために、他のヴィーガン製品を無敵の低価格で提供することが次のステップだと考えました。人気のヴィーガンバーガーパティと比較し、植物ベースのひき肉がどのようなフィードバックを受けるのか、とても興味深いです。私たちは、すでにさらなるアクションに取り組んでいます。

引用)
ヴィーガンハック:Lidlがヴィーガンブランドの「Next Level Meat」の範囲を拡大
9月2日からドイツ全土で植物ベースのひき肉とハンバーガーパテの販売を開始

ベルリンに住む友人たちは、ヴィーガンではなくてもBIO(オーガニック)というマークが記載されていない商品は買わないと決めている人たちが多く、そしてそれが一般の大多数の意見として世の中に浸透しているため、結果として企業はBIO(オーガニック)食品の開発に積極的に取り組み、こちらではお手頃な価格で提供されています。

ベルリンに住んで4年目ですが、今ウィーガン食品も同じ流れで急速的に増加し、さらにどんどん買いやすい値段になってきているように感じます。

日本では、BIO(オーガニック)・ヴィーガン食品は特別なもの、意識が高い人たち、経済的に余裕がある人たちが買うイメージがあるのではないでしょうか。価格も、実際他の食品と比べて高いのも事実です。

しかし、人々が『これが本当に私たちに必要なもので、これらは不要なものだ』と意思表示し、自分が購入したことの先の未来に生まれる影響を考えて行動していけば、少しずつ環境は変化していきます。

その変化の現在進行形を、日々ベルリンで見ることができて感動しています。

いきなり全てを変えていくことは難しいですが、ヴィーガンに限らず、ひとりひとりの小さなことから、できることから、私たちの世界を良い方向に変えていく種を撒いていけたら素敵ですよね。

私はその小さなことの一環として、購入したヴィーガンミートひき肉でのお料理レポートを皆さんにお届けしたいと思います。少しでも自分が食べるものについて興味を持って頂けたら、嬉しいです。

ヴィーガンミートひき肉で、
ドライカレーチャーハンを作ってみよう!!

ヴィーガンミートひき肉と、家にあるもので簡単にドライカレーチャーハンを作ってみました。本当に簡単に作ったお料理なので、あんまり格好の良い出来栄えではないのですが。。

まずは、玉ねぎとニンジンを炒めて、ある程度火が通ったらヴィーガンミートひき肉を投入します!

見た目はお肉ですが、匂いは豆系の匂いがします。通常のひき肉と同じように炒めていってみましょう。

感触は、本物のひき肉と比べると硬い感触がします。でも他に特にきになるところはありません。

炒め続けていきましょう。。

十分な時間炒めたのですが、色は完全に茶色くならず、赤みが残ってしまうようです。少し食べて確認をしましたが、この色合いでも十分火は通っています。見た目は完全にお肉ですが、香りと味は豆系のものです。

ご飯を加え、塩・コショウ・カレーパウダーを入れて味付けをして、調整していきましょう。

そして、完成したのはこちら!!

調理・見た目・食感はお肉ですが、やはりコツは味付けのようです。日頃から薄味が好きなので、少し豆の味が残ってしまいました。今回の場合だったら、もう少しカレーパウダーを多めに入れるなど、調味料でカバーする方法をもう少し研究する必要がありそうです。

こちらのレストランでいくつものビーガンミートを使ったお料理を食べていますが、どれも豆を感じさせることがなく、違和感のない味でした。今度食べるときは、味付けに注目して見てみようと思います!

【結論】
普段通りの料理方法で大丈夫、でも味付けに工夫が必要!

また購入して、他の料理にも挑戦してみようと思います。

以上、本物そっくりヴィーガンひき肉『NEXT LEVEL HACK』のご紹介とお料理レポートでした。

また興味深いヴィーガン食品をスーパーで見つけたら、ご紹介しますね◎

 


KiKi / イラストレーター
西伊豆の小さな美しい村出身。京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科研究室にて副手として3年間勤務。その後フリーランスに。2016年夏よりベルリンに移住。例えば、私のように小さな集落で暮らしている子が旅立つ時期を迎えたとき、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』と気付けるようなものを残していけたら、最高だなと想いながら絵と文章をかいています。

Portfolio site : http://kiyonosaito.com/

instagram : https://www.instagram.com/kikiiiiiiy/

 

【世界のヴィーガン放浪記】VOL.4 オーストリア・ゾース 後編

こんにちは、ベルリン在住・イラストレーターのKiKiです。
お待たせ致しました!『世界のヴィーガン放浪記』シリーズVol.4、オーストリア・ゾース編の後編です。(前編は、こちらでお読み頂けます)

今回はヴィーガンではないのですが、すべて手作業で愛情たっぷり込めてつくっていらっしゃるBIO(オーガニック)ワイン農家『Weingut Bernhard Plos』さんに1週間滞在し、ワインづくりのお手伝いと体験をさせて頂いたお話をお届けしています◎

家族みんなで、手作業でぶどうの収穫!

さあ、早速ワイン用の葡萄の収穫です。手袋をはめて、ひとつひとつ、傷をつけないように丁寧に摘み、バケツに入れていきます。

自分のバケツいっぱいになったら、葡萄畑の真ん中の細い道を走る、お義父さんが運転する小さなトラクターのボックスたちに入れていきます。『フェアシュー』の収穫と同じく、重いバケツを運ぶのは大変な作業。それでも気づいたら、トラクターの荷台は葡萄でいっぱいに!

前編で収穫した『フェアシュー』用の熟れていない青い葡萄と違い、ワイン用の葡萄たちはぷくりとした大粒。まるで宝石みたい…!

こちらは収穫中に葡萄たちの間で見つけた、てんとう虫のお写真。

てんとう虫もこの葡萄の美味しさがわかるのか、私が近づいても、ぎゅっとしてはなしませんでした。BIOワイン用の葡萄だからこそ、見ることができたのどかな光景の一つです◎とても癒されました。

滞在した時期的にワインは収穫までのお手伝いとなりましたが、美味しいワインとして今年みなさんに飲んで頂けたことを嬉しく思います!

ワイン農家さんたちが経営しているレストラン『ホイリゲ』

ゾースのメインストリートには、たくさんの”ホイリゲ”と呼ばれるワイン農家さんたちが経営しているレストランが並んでいます。そこでは自家製のワインを美味しいオーストリア料理と一緒に頂くことができます。

すべてのホイリゲが毎日オープンしている訳ではなく、ゾースのホイリゲの場合は最長18日間オープン、その後3週間のお休みというルールがあります。なのでお互いのお店に行き、お互いのワインを飲みながら語り合い、良きライバルとして切磋琢磨することもできるのです。

ドアの前に、ランプと松の葉が飾ってあったら『今日はオープンしているよ』の合図です!

滞在期間中、友人のお家のホイリゲはお休みだったので、友人の旦那さんの幼馴染が経営しているホイリゲに連れて行って頂きました。
お料理はこのようにカウンターに並んでいて、ガラス越しに見て選ぶことができます!どれも本当に美味しそうでした。

店内には、家族や友人たちと過ごす時間を楽しんでいる人たちがたくさん。

友人の旦那さんの幼馴染さんがおすすめのワインとチーズを持って、私たちのテーブルにやってきました。ワインのお話、最近のお話、政治のお話……話題と穏やかな笑い声はつきません。

ご一緒させて頂き、ゾースの人たちにとって、この時間と空間はとても大切なんだという暖かい気持ちが伝わってきました。そしてみんなのおしゃべりを盛り上げ、彩ってくれるワインは特別な存在なのでした。

BIOワインづくりのお手伝いと体験を通して。

私たち日本人は食事の前に、両手を合わせて『いただきます』という挨拶をします。食べ物とつくってくれた人たちへの感謝の気持ちを表す言葉です。

BIOワインつくり体験を通して、おいしい料理の背景には、料理を作ってくれた人と、そのさらに後ろに、食べ物を丁寧に育ててくれた人たちの働きと苦労がたくさん詰まっているということを身をもって実感しました。ドイツ語にも食前に言う言葉はあるのですが、どちらかというと『良い食事を』『召し上がれ』に近い印象で、ちょっと意味が違うんです。『いただきます』という挨拶は、どこの国に行っても忘れず、必ず言い続けたい日本語です。

そしてベルリンに帰る際に、とても嬉しいお土産を頂いてしましました…!実際に試飲もさせて頂いて、どれも美味しかったのですが特に気に入ったこの2本!

右がロゼ(メルロー/ カベルネ・ソーヴィニヨン)、左が白ワイン(リヴァーナー)。このワインたちは後日、ベルリンで行われた友人の個展のオープニングパーティーにて、みんなで美味しく飲みました!大好評で、すぐに空になってしまいました。笑
それからみんなで収穫した葡萄も何房か、お義母さんが可愛いカゴに入れて渡してくださいました。

絞られてワインになる葡萄たちですが、そのまま食べても甘くて、とても美味しかったです◎

ワインを飲むことはあっても、作られているところを見学できたり、実際に作業もさせて頂けることはとても貴重な経験でした。1週間大変お世話になりました、そしてありがとうございました!!

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『Weingut Bernhard Plos』
Address : Weinbergstraße 7, 2504 Sooß, Austria
HPは日本語版もあります!
URL:http://www.plosweinbergstrasse.at/JA/weinbau/

『Weinort Sooss』
オペラ座の前から、1時間に1本直行バスが出ています。
バス360番Wien oper前、Bad Vöslau  Thermalbad行、
Sooß b.Baden Badner Straßeで下車。
URL:https://www.sooss.at/

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西伊豆の小さな美しい村出身。京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科研究室にて副手として3年間勤務。その後フリーランスに。2016年夏よりベルリンに移住。例えば、私のように小さな集落で暮らしている子が旅立つ時期を迎えたとき、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』と気付けるようなものを残していけたら、最高だなと想いながら絵と文章をかいています。

Portfolio site : http://kiyonosaito.com/
instagram : https://www.instagram.com/kikiiiiiiy/

【世界のヴィーガン放浪記】VOL.4 オーストリア・ゾース 前編

こんにちは、ベルリン在住・イラストレーターのKiKiです。
Vol.3のドイツ・ベルリン編から間が空いてしまっていた、『世界のヴィーガン放浪記』シリーズ。久々に書かせて頂くVol.4はオーストリア・ゾース編です!

今回はヴィーガンではないのですが、すべて手作業で愛情たっぷり込めてつくっていらっしゃるBIO(オーガニック)ワイン農家さんに1週間滞在し、BIOワインづくりのお手伝いと体験をさせて頂いたお話をお届けしたいと思います◎

美しい葡萄畑の緑色の絨毯が広がる、オーストリア・ゾース。

ゾースはオーストリアの首都・ウィーンからバスで約46分ほどの距離にある村です。

バスに揺られていると車窓からの景色が、華やかな都から、とてものどかな雰囲気に変わっていきます。あたり一面美しい葡萄畑が広がるゾースに降り立つと、空気もまったく違い、美味しい緑の味が胸いっぱいに広がりました。

ここは昔から伝統的にワインが作られてきた地域で、現在でも多くのワイン農家さんたちが美味しいワインを作り続けています。

ところで、オーストリアのみなさんの母国語もドイツ語ですが、ドイツのドイツ語とまたちょっと違う印象です。なんというか、音がコロコロしている感じ。同じ単語でも、ドイツとオーストリアでは意味が違ったり、挨拶が若干違っていたり、なんだかパラレルワールドに来たような不思議な感覚でした。笑 

お邪魔したのは、『Weingut Bernhard Plos』さん!


みんなで収穫した箱いっぱいの葡萄をトラックで運ぶ、お義父さん。

『Weingut Bernhard Plos』は、Plosさんご家族みんなさんでBIOワインをつくっていらっしゃいます。実はベルリンで出逢った友人が嫁ぎ、そのご縁で去年お手伝いとワインづくり体験をさせて頂きに訪れたのでした。

友人・旦那さん・お義父さん・お義母さんの4人家族。とても暖かく、笑顔が絶えない、優しいご家族です!

ブドウの収穫は、ひとつ、ひとつ、丁寧に手作業で摘み取られていきます。収穫後の加工作業や瓶詰めも、大きな機械は使わず、人の手で愛情たっぷり込めてつくっていらっしゃいます。この丁寧な手法で作られたワインは、大量生産の手法で生産されたワインとは一味も二味も違うものになるのだそう。試飲もさせて頂きましたが、本当にどれも美味しいんです!

さて、今回体験させて頂いた内容はこちらです。

・”フェアシュー”というジュース用の葡萄の収穫、実際に作って瓶詰めまで

・ワイン用の葡萄の収穫

・小さいブドウの苗を添え木に固定する作業

・畑の雑草取り

色々体験をさせて頂きましたが、今回は『フェアシュー』づくりとワイン用の葡萄の収穫の様子をご紹介したいと思います。

酸味が美味しい!『フェアシュー』づくり。
『フェアシュー』とは、熟れていない青い葡萄を使ったお酢の様なジュース。飲むときは、お水で割ります。まずは青い葡萄を収穫しに葡萄畑へ。手作業で一つずつ丁寧に摘んでいきます。

バケツがいっぱいになったら、大きなボックスに移して、また収穫作業に戻る、その繰り返しです。バケツいっぱいの葡萄たちはずっしり重く、結構ハード。普段机に座りっぱなしの私には、すぐに、ぜーはー息が上がってしましました。苦笑

収穫してすぐに、ジュースにする作業に移ります。まずは小さなマシーンに手作業で移し、枝と実を分別していきます。

分別された葡萄たちは、こちら。色が鮮やかで美しく、キラキラ輝いています。見ていたら、先ほどの収穫の疲れも癒されてゆきました。

次は葡萄たちを絞る作業です。この大きな筒の中にはゴム風船のようなものが入っていて、その側面に葡萄たちを入れていきます。そしてホースをつなぎ、ゴム風船のようなものに水を入れて膨らましていくことによって、中の葡萄たちを圧迫し、絞っていくという仕組みです。

その後絞った液体をタンクに移し、不純物を沈殿させるために一晩寝かせます。

次の日、不純物が取り除かれた液体を鍋に移し…

さらに74℃〜78℃で低温殺菌したものを、一つずつ手作業で瓶詰めしていきます。

このルーティーンを数時間かけて行います。瓶詰めし終えた沢山のフェアシューを見たとき、なんだか我が子のような感情が芽生えました。笑

そして無事完成したフェアシューたちは、ご好評頂き、今年夏のホイリゲで多くのお客さんに飲んで頂けたとお話を聞きました。とても嬉しいです!

ホイリゲとは、ワイン農家さんたちが経営しているレストランのこと。なんと自家製のワインを、地元の美味しいお料理と一緒に頂くことができるのです。

さて今回のBIOワインづくりのお手伝いと体験のお話は、長くなりそうなので前編と後編に分けさせて頂きます◎後編では、ワイン用の葡萄収穫の様子やホイリゲについてもご紹介しますね。

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『Weingut Bernhard Plos』
Address : Weinbergstraße 7, 2504 Sooß, Austria
HPは日本語版もあります!
URL:http://www.plosweinbergstrasse.at/JA/weinbau/

『Weinort Sooss』
オペラ座の前から、1時間に1本直行バスが出ています。
バス360番Wien oper前、Bad Vöslau  Thermalbad行、
Sooß b.Baden Badner Straßeで下車。
URL:https://www.sooss.at/

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西伊豆の小さな美しい村出身。京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科研究室にて副手として3年間勤務。その後フリーランスに。2016年夏よりベルリンに移住。例えば、私のように小さな集落で暮らしている子が旅立つ時期を迎えたとき、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』と気付けるようなものを残していけたら、最高だなと想いながら絵と文章をかいています。
Portfolio site : http://kiyonosaito.com/

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いらなくなったものは、必要な人のもとへ。ベルリンのサステナブルな文化をご紹介!– KiKi

こんにちは、ベルリン在住のイラストレーター・KiKiです◎

皆さんは、不要になったものたちをどうしていますか?
わたしは、まだ使えるのにもったいない!と思い、日本にいた頃はリサイクルショップや古本屋さんに持って行っていました。

田舎で子供が少ない地域で育ち、親戚やご近所の方たちに絵本やおもちゃ、お洋服などのおさがりを頂くことが多く、古いものを大切にする習慣が身近だったこともあり、すぐに捨てるということはあまり好きではありません。そして長く大切に愛用されているものの方が優しい魅力を感じます。

でもたまに中古品として販売するほどのものではないし、そんな時間も手間もかけられないし、もっと簡単に誰かに譲りたいと思うときがありました。例えば近所の道端に置いて、通りかかった必要な誰かが持って行ってくれたらいいのに、とか。

なんとベルリンでは、その”道端に放置スタイル”が日常的に行われていたりします。この街では、たくさんのサステナブルな習慣が自然に根付いているのです。

前回の記事で紹介した『食料レスキュースーパーSirplus』のように、ベルリンでは『不要な物を必要な人のところへ届ける』ことをみんな日常的に意識しています。その背景には、様々な人種・様々なバックグランドを持った人たちが暮らしているからだと、日々感じています。

そんなベルリンのサステナブルな習慣を3つ、ご紹介したいと思います。

まるで、道端での宝探し!『zu verschenken』

誰かの不要になったものたちが、本当になんでもない道端にダンボールや紙袋に入った状態でぽんっと放置されているのですが、これを『zu verschenken』といいます。

丁寧な人は『zu verschenken』と張り紙が貼ってありますが、基本ないものばかり。でもベルリンの人たちは、これらを『zu verschenken』なんだろうなあと、街の日常の一部として捉えています。そして欲しいな、と思ったら自由に持ち帰っていいのです!

放置されているものは、本や雑貨、誰かの教科書、ハンガー、服、大きくなると、机に椅子に、ソファー、ベットのマットまで。

『zu verschenken auf die straße stellen』とGoogleで画像検索してみてください。いろんなものが道端に放置されている写真がいっぱいあって、面白いですよ。

よく近所を気分転換に散歩に行くのですが、道端に放置されたダンボールを見つけると、ワクワクして中身を覗いてしまいます。
もちろん状態が良くないものもありますが、中には掘り出し物なんかもありますよ。

私が今まで見つけた掘り出し物ベスト3
・1日以上保温が続く、水筒(コーヒーや紅茶の持ち運びに重宝しています!)

・アンティークの可愛いタッパとお皿!(部屋に飾る以外にも、実際のお料理に大活躍しています!)

・古い昔の絵本たち(ドイツ語の勉強にも!)

ベルリンから、電車で1時間ほど揺られてつくポツダムにある小さな村を探検していたときは、大量の梨が『Verschenken』としてカゴいっぱいに入れられて置かれているのに出会ったことがあります。

そのカゴが置いてあった家のお庭を覗くと、たくさんの梨がなっている木がありました。これは、ご近所さんや通りかかった人たちへのお裾分けだったんですね。4つほど頂いて持って帰り、家で梨ケーキを作りました◎ なんだか、心があったかくなった1日でした。

『古着回収BOX』は、街のいたるところに。


『Verschenken』として、服も放置されていることがありますが、ベルリンには別に『古着回収BOX』もいたるところに放置されています。

街の人たちは、不要になった服たちをここに持ってきます。このBOXに集められた服たちは、発展途上国など、本当に必要としている人たちのところへと届けられるのです。

私はベルリンで何回かお引越しをしているのですが、荷物を減らすために『古着回収BOX』を活用しました。ゴミとして捨てるのではなく、必要な誰かのもとに届けることができると思うと、自分の気持ちもハッピーに。今必要でなくなったとしても、愛用していたものたちなので、それが誰かにまた使い続けてもらえると思うと嬉しいです。

ちなみに『古着回収BOX』を運営している会社が経営している、『HUMANA』と言う古着屋さんがベルリンにあります。もともと古着ファッションが好きだったこともあるのですが、こちらで買い物をすると売上金が発展途上国への支援に寄付されますし、可愛い掘り出し物もあるし、意識的に服はここで買うようにしています。

HUMANA:https://www.humana-second-hand.de/mode/first-class.html

Instargam : https://www.instagram.com/humanasecondhandgermany/

飲み終わった空き瓶は、酒屋さんやスーパーの回収BOXでお金に戻ります。

こちらで飲み物を買う場合、飲み物代と一緒に容器代(Pfand)も強制的に支払う義務があります。それらは飲み終わったと、酒屋さんのカウンターやスーパーに設置してある回収BOXに持っていくと支払った容器代が戻ってくるという仕組みになっています。

こちらが容器代が返ってくるマーク!

容器によって違いますが、値段はだいたい0.25セント(約33円)ほど。塵も積もれば山となる!ちなみに0.25セントあったら、こちらではプリンを1つ買えちゃいます。

この制度のおかげで道端での飲み物の空き容器の放置はなくなり、街の人たちも自主的にお店へ空き瓶を返しに行きます。そうして回収された瓶たちは、リサイクルへと回っていくのです。

昔は日本でも同じようにビール瓶などは酒屋さんに持っていくと、お金と交換してもらえたというお話を聞いたことがあります。ネットで調べたら今でも交換してくれる酒屋さんがあるそうですが、探すのが大変そう。もう一度、日本でもこの制度を復活させて日常化していけたら、いいことばかりなのになあと、こちらの回収BOXにいく度に思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 『Verschenken』なんかは『ご自由にお持ち帰りください』と書いた張り紙を貼って置いておけば、日本でも出来そうですよね。私はこの間、初めて『Verschenken』をしたのですが夕方頃には空になっている箱を見つけて、なんだか嬉しくなりました。

何かを捨てようとしたときに一度『これ、誰かが必要かな?』と考えてみてください。もし誰かの顔が浮かんだのなら、捨てずにその人に連絡をとって小さな循環の輪をつくってみましょう。


KiKi / イラストレーター
西伊豆の小さな美しい村出身。京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科研究室にて副手として3年間勤務。その後フリーランスに。2016年夏よりベルリンに移住。例えば、私のように小さな集落で暮らしている子が旅立つ時期を迎えたとき、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』と気付けるようなものを残していけたら、最高だなと想いながら絵と文章をかいています。

Portfolio site : http://kiyonosaito.com/

instagram : https://www.instagram.com/kikiiiiiiy/

 

 

 

 

オーガニック・ワインを選ぶべき理由

オーガニック(ビオ)・ワインとビオディナミの違いとは?

近年のオーガニック・ブームで、オーガニック・ワインの需要が世界中で高まっていますが、そもそもオーガニック・ワインと呼ぶには、大きく以下の二つどちらかの農法でブドウを栽培しているかどうかがポイントになります。

1.ビオ(Bio):畑で3年以上無農薬・無科学肥料、殺虫剤不使用。

2.ビオディナミ(Biodynamie):無農薬、無化学肥料、殺虫剤不使用、さらに天体の動きを取り入れたシュタイナーが提唱した自然農法であり循環型農法。

人智学者のシュタイナーは人間の体と同じように、大地も天体の影響を受けると考え、太陽・月・惑星・地球の動きと調和したバイオダイナミック農法(フランス語でビオディナミ)を考案しました。フランスやドイツ、スイスなどでは、天体のリズムを考察し、各植物に適した種まきの日、耕す日、などを細かく記したバイオダイナミック・カレンダーが普及しています。近年はいわゆるオーガニック農法よりも、持続可能かつ生物多様性保護にもつながるバイオダイナミック農法の人気が高まっているようです。私も選べるならば、単にBIOではなくビオディナミを選ぶようにします。

ワインとチョコレートは相性がいい!?

近年話題の抗酸化力の高いスーパーフードの代表として知られるカカオ。最近はカカオ率の高いヘルシーなチョコレートが人気ですが、私は程よい甘さやクリーミーさのあるローチョコレートやローケーキにたっぷりフルーツを添えて、ワインと一緒にいただくのが好きです。チョコレートは加工されればされるほど、抗酸化力が減少しますから、健康のために美味しくいただくなら、私はローチョコレートがベストだと思っています。ギルトフリーなローチョコレートやローケーキであれば、カカオ以外の抗酸化作用の高いスーパーフードも沢山ブレンドできます。

特に赤ワインには抗酸化物質であるポフェノールが豊富なので、赤ワインとカカオの組み合わせはより高い抗酸化作用が期待できるようですよ。

もしあなたが毎日1〜2杯のワインを嗜むのが日課であれば、特に赤ワインは、肥満や心血管疾患のリスクの減少など、多くのベネフィットが期待されているので、あまり罪悪感を感じる必要はありませんが、これはちゃんとした製法のオーガニックのワインを選んだケースのみ当てはまると、アメリカの著名なホリスティック医師であるDr.Axeも言及しています。

亜硫酸塩は本当に避けるべきなの?

そのブドウがどんな農法で作られているかも重要ですが、最小限の酸化防止剤(亜硫酸塩)を含むワインなのかどうかも重要です。

最近、オーガニック・ワインが二日酔いになりにくいと言って選ばれる理由の一つに、亜硫酸塩の量が少ないから、という話があります。でもそもそもブドウの皮には亜硫酸塩が自然に含まれていて、これは例えば玉ねぎやニンニクといった野菜にも含まれている天然成分なのです。要するにワインを発酵させる過程で生まれる副産物でもありますから、すべてのワインには多かれ少なかれ亜硫酸塩が含まれているのです。要するに100%亜硫酸塩を含まないワインはありません。自然派ワインなどで「亜硫酸塩を含まない」というラベルの付いたワインでも、10 mg / L以下の亜硫酸塩を含んでいます。

それが現代では必要以上に多量の亜硫酸塩が添加されていて、それが問題視されるようになり、これを避ける為にオーガニック・ワインを選ぶ人々は確実に世界で増加しています。

アメリカのワイナリーでの出来事

以前、アメリカのワイナリーを視察に行った時のことです。オーガニック・ワインを製造しているワイナリーが、1000円以下で購入できる安いワインも多く作っていたのですが、その違いを目の前でオーナーが「これが安い理由さ」と見せてくれたのです。なんとそれはオークチップを詰め込んだ大きなティーバックを入れたドラム缶でした。要するにオークの香りを単にチップでつけていただけのワインでした。その後、ちゃんとオークの樽で仕込んだものと、安いチップで香りづけしたワインの違いを味見させてくれましたが、安い方は奥深さが全くない浅い味で本当に同じワイナリーで作っているのか疑いたくなるほど別物でした!!

私自身、フランスや仏近隣諸国のワイナリーを訪れたことはありましたが、そんな光景は見たことがなかったので少しショックでした。これも文化の違いなのだと納得して気を取り直していたら、そのオーナーは「ちゃんと美味しいワインを飲みたい人、とりあえずアルコールを飲めればいい人、みんな選択は自由なんだよ」と笑って話していて、私はアメリカならではのダブルスタンダードに苦笑するしかありませんでしたが、その時に安いワインと高いワインの違いをひとつ知ることができました。

でも私自身、ワインの中でどのタイプが好きかと聞かれると、やっぱり断然ロゼ! ロゼはプロヴァンス地方の名産のひとつでもありますが、私にとっては“ヴァカンスのワイン”でもあります。

 昔パリに住んでいた頃、フランス革命記念日のキャトーズジュイエ(7月14日パリ祭)から学校もお休みになるので、そのタイミングで夏でも涼しいモンブランに数泊したり、リヨンに寄り道をしながら、パリから南仏まで車で何日かかけて行ったのを思い出します。そんな南仏での道中によく飲んでいたのが軽くてフレッシュでフルーティーなロゼのワインなのです。

2019年7月10日
編集長 吉良さおり


吉良さおり
20代前半をイギリス、フランスで過ごし、プラントベース&オーガニックなライフスタイルをスタート。フランスでヨガのTTCを受けたことで、ホリスティック、スピリチュアル、自然療法を取り入れ始める。マクロビオティック、アーユルヴェーダ、ローフード、スーパーフード、薬膳など、様々な薬になる食事を実践・推奨。3児の母。

 

 

『Veganes sommerfest berlin 2019』イベントレポート

こんにちは!ベルリン在住のイラストレーター・KiKiです◎

ベルリンは8月の半ばに少し涼しくなり、もう夏は終わりかなと思っていたのですが、後半からまた気温が30度近くまで上がる真夏日が戻ってきました。
日本も、まだまだ暑い日が続いていますでしょうか?みなさん、水分補給をしっかり、体調にお気をつけくださいね。

さて、そんな真夏日のとある週末。多くの人が集まり、いつも賑わっているベルリンの中心地にある大きな広場”アレクサンダー広場”では
『Veganes sommerfest berlin 2019』という、ヴィーガンをテーマにしたサマーフェスティバルが開催されました。

今回は、そのイベントの様子をご紹介したいと思います!

『Veganes sommerfest berlin 2019』とは??

『Veganes sommerfest berlin』は毎年夏のこの時期に、アレキサンダー広場で開催されています。今年で10周年を迎えるそう!

このイベントは『開放性、寛容性、平和的な共存』をテーマにしています。 動物の権利、自然の保護、および植物に基づいた生活を支持することが、
現代の文明社会にに必要と言う考えから、このイベントを企画されているそうです。

また、イベント主催者は種差別(ヒト以外の生物に対する差別)だけでなく、人種差別、性差別、反ユダヤ主義、同性愛嫌悪、
およびその他のあらゆる差別を受け入れないと表明しています。

訪れている人たちは、人種も国籍も様々で、家族連れも多く、子供達の笑い声もたえないハッピーな空間でした。

わたしは土曜日のお昼過ぎぐらいに訪れたのですが、もうすでに会場のアレキサンダー広場は、ヴィーガンフードを片手に楽しくおしゃべりする人々でたくさん!

そして出店ブース数は、なんと139も!公式サイトでも見ることができる会場マップを片手に、散策しました。

会場にはビーガンフードの屋台の他に、動物の権利、環境保護、持続可能性に関するさまざまな情報を見たり、聞いたりできる、学習スペースも設けられていました。

例えば、こちらの『ASK A  VEGAN』のブース。ここでは実際にベルリンでヴィーガン生活を送っている人たちに、
植物ベースのライフ生活についてお話を聞くことができます。ヴィーガン生活に関する質問の回答と情報交換、始めるためのヒント、経験のシェアなど、様々な相談が可能です。

ブースに立っていたお姉さんに、ヴィーガン生活を始めたきっかけと、お肉を食べない生活に変えてからどういう変化が起こったのかを聞いてみました。

『食肉用の動物たちがどの様にされていくのか…それを知ったことがきっかけよ。1ヶ月ほど、お肉を食べない生活をしてみて、久々に1度食べてみたら、お肉の味をあまり良く感じなくなっていたの。だから今は“お肉を食べないことを意識している”と言うよりも、自然に野菜を食べる生活をしている感覚なの。ベルリンのスーパーやレストランには多くのヴィーガン料理が扱われているし、日常生活で困ることはあまりないわね。』

わたしの周りにも何人かヴィーガン、ベジタリアンの生活をしている友人がいますが、みんな“お肉の味が変わる”と言います。まだわたしは完全ベジタリアンの生活はできていませんが、少しずつお肉の量は減らしています。味の変化はまだ感じられませんが、お肉を食べると“ちょっと重いな…”と感じるようにはなってきました。

そんなお話を聞いていたのは、ちょうどお昼ご飯どき。お腹がすいてきました…。
あたりを見渡すと、座ってみんながご飯を食べられる場所も多く設けられています。

みんな美味しそうなヴィーガン料理片手に、楽しそう。さて、わたしは何を食べようかな!

本当に多くのヴィーガンフードが出店されていて、どれにするか会場を2周するくらい迷ってしまいました。。苦笑

そして、最終的に選んで食べたお料理をご紹介したいと思います!こちらです!!

一番人だかりがすごかった、イスラエルのヴィーガン料理。

サンドイッチ、ハンバーガー、アイス、ドーナッツと定番料理が並ぶ中、様々な国のヴィーガン料理も出店されていました。

そこで目に入ったのが、”イスラエルのヴィーガンフード”!人だかりも、ここのブースが一番多かったように感じます。個人的にイスラエルという国の文化が気になったので、列に並んでみることに。

メニューは3種類。

Katchapuni…ピタと呼ばれるパンに、新鮮な野菜をたくさんサンドしたもの。 

Manakish …”Manikish”とは、ピタパンと呼ばれるパンにオリーブオイルと”ザーター(Za’atar)”というスパイスを塗って焼き上げたもの。新鮮な野菜と一緒に、ハーブとカレーのソースをかけて頂くそうです。

Smoked potatoes…自家製のジャガイモをスモークしたものに、特製スパイスのソースがかかったもの。

わたしは1番目の『Katchapuni』を選んで注文してみました!

お皿めいいっぱいに、野菜が盛り付けされたものをいただきました。これを下にしいてあるピタと呼ばれるパンで包んで食べます。

ちなみに、ソースに使われている”ザーター(Za’atar)”とは、中東で良く使われるスパイスの一つ。お店によってそれぞれ配合は違うそうですが、白ゴマ・タイム・スマックというハーブを混ぜて作られているそう。

そのザーターというスパイスがとても良いお仕事をしていて、お肉はもちろん入っていませんでしたが、ヒヨコ豆・カリフラワー・スモークパプリカをとてもジューシーに感じました。

お店の人に聞いてみるとイスラエルでもヴィーガン生活を送る人が多く、それは宗教上の理由にあると教えてくれました。イスラエル人の多くは、ユダヤ教徒。食事についての決まりの中に、“肉と乳製品を混ぜてはいけない”というものがあり、必然的にベジタリアンやヴィーガンという文化が定着して行ったのだそう。

世界には様々な文化や宗教を持つ人たちが暮らしています。このイベントのテーマのように、『開放性、寛容性、平和的な共存』をしていくためには、植物性生活への理解が必要になってくると感じました。

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Veganes sommerfest berlin 2019

HP:https://www.veganes-sommerfest-berlin.de/

Instagram: @veganes_sommerfest_berlin

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KiKi / イラストレーター
西伊豆の小さな限界集落出身。交通機関もない、1番近いお店まで車で1時間。とにかく大自然しかない小さな集落で、紙とペンと空想で無限大に遊べることが、この上ない娯楽で贅沢でした。

2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。その後、同大学マンガ学科研究室にて副手を3年間務めながらイラストレーターとしての仕事を少しずつ増やしていき、2015年からフリーランスに。居場所を探して旅するように生きていたらベルリンに辿り着き、2016年の夏から移住。

例えば、私のように小さい集落で暮らしている子が、そこから旅立つ時期を迎えたときに、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』って気づけるようなものを残していけたら、最高だなと思いながら絵と文章をかいています。
Portfolio site : http://kiyonosaito.com/
instagram : https://www.instagram.com/kikiiiiiiy/

ちょっと待って、まだそれ食べられます!ベルリンの食品レスキュースーパー『SIRPLUS』

こんにちは、ベルリン在住・イラストレーターのKiKiです。

みなさん、賞味期限が切れた食品について考えたことはありますか?もし、賞味期限切れの食品をすぐに捨ててしまっているのなら、ちょっと今回の記事を是非読んでみてほしいです。

わたしが賞味期限切れ食品について考えるようになったきっかけは、日本食品でした。こちらで日本食品を購入すると輸入品になるので、2倍、3倍のお値段になります。ヨーロッパの国々から見ると遠い国であることや、日本食ブームもあり、こちらでは日本食品は高価なもの、という印象です。

そこでベルリンに引っ越してから、日本から持参したものや友人からのお裾分けで頂いた日本食品は、多少賞味期限が切れていても、『もったいない…!』の精神で気にせず食べるようになりました。

それは最初、1ヶ月、そして2ヶ月。パッケージされているものは、封を開けなければ結構問題ないことがわかりました。最近は夏になり、去年頂いてそのまましまっておいた賞味期限が1年前の麦茶をつくって飲んでいますが、特に何も問題はありません。(ただし、個人の判断にお任せします…!)

そんな生活を送る中、賞味期限切れの食品をすぐに処分することをやめたら、廃棄食品の量を減らせるのではないかと、ぼんやり考えていました。

そして最近、わたしがぼんやり考えていた一方で、ベルリンではとっくに『食品レスキュースーパー』として実行し、活動しているスーパーがあることを知りました。

それが『SIRPLUS』です。今回、ベルリン・ノイケルン地区にある店舗を取材してきましたので、ご紹介いたします。

食品レスキュースーパー『SIRPLUS』とは?

SIRPLUSは、毎日大量に廃棄処分されてしまう”まだ食べられる”食品たちを救うために立ち上がった社会的なスタートアップです。

大手スーパーでは、厳しい食品検査をしているため、賞味期限切れの食品の他にも、規格外の野菜、パッケージに傷がついてしまった訳あり食品なども、やむを得ず廃棄処分に回すことになります。

そんなまだ食べられるのに、廃棄処分として認定されてしまった食品たちをSIRPLUSは大救出!実際の価格よりも大幅に安い値段で提供し、廃棄されてしまう食品を減らす活動をしているのです。

SIRPLUSを立ち上げた、創立者の1人であるRaphael Fellmerは、フードシェアリングの活動家。

ベルリンでは、難民など様々な事情を抱えて生活をしている人たちが多く、カフェやレストランで余り、処分に回される食料を必要な人たちにシェアしよう!という活動が盛んに行われています。わたしも電車に乗っていたときに、フードシェアリングの活動をしているお兄さんたちに声をかけられ、『廃棄されるパンだけど、まだ全然食べられるんだよ、食べる?』とパンを頂いたことがあります。もちろん全く問題なく、美味しく頂きました。

Raphael氏は2010年から5年半、お金を全く使わない生活を送りました。その生活の中で、多くのまだ食べることができる食料たちが廃棄されているという現状を知り、『SIRPLUS』のアイディアを閃きます。そしてクラウドファンディングで資金を募り、実現させたのです。

SIRPLUSの目標は、食品レスキューを通し、食品廃棄物を大幅に減らしていくこと。すべての食べ物を大切にし、生活のサイクルへの道を切り開くこと。売上金から、発展途上国の給食支援費に寄付するなどの”平和の循環”活動にも力を入れています。

気になる賞味期限切れの食品を販売することについてですが、SIRPLUSのウェブサイトにはこう書かれています。

賞味期限は消費期限ではありません。消費者が賞味期限切れであることを確認し、その食品に”楽しさ”を感じたのなら、それらを販売することは合法です。

つまり、消費者の判断に任せます、ということ。確かにその通り…

そんなSIRPLUS、お客さんたちの反応はどうなのでしょうか?

ベルリン・ノイケルン店内の様子。

開店時間の朝10時にお店にお邪魔したのですが、続々と若い子から年配の方まで、幅広い年齢層のお客さんがやってきました。

価格が大幅に安いことはもちろん、日頃から環境問題について意識が高いドイツ人たちの間で話題になり、とても注目されているのです。

品揃えは、野菜・缶詰・瓶詰め・飲料水・お菓子など、パッケージされて未開封のものなら、なんでも!パスタエリアに、うどんも発見しました。笑

そして、やっぱりみんなが気にしているのは賞味期限です。わたしも気になります、さっそく見ていきましょう!

BIO(オーガニック)食品も、多く並んでいます。こちらのPotato Fix (ポテトに味付けをするもの)の、元の販売価格は1.04ユーロ(約126円)が、SIRPLUSでは半額以下の0.55ユーロ(約67円)!!

気になる賞味期限は…

2019年の6月19日。取材日が2019年7月16日なので約1ヶ月前。わたしの経験から、1ヶ月くらいは全然平気だと思います。(でも個人の判断にお任せます!)

並んでいる商品と賞味期限をいくつか見てみましたが、2、3ヶ月前のものが多く、中には2018年7月18日のものも!約1年前ですね。

面白いなと、ちょっと笑ってしまったのは、このサンタさんチョコレート軍団。

ドイツではクリスマスはお正月のように、家族と過ごすとても大切な行事なので、毎年シーズンになるとクリスマス商品でスーパーの棚はいっぱいになります。しかしシーズンを終えると、姿をコツゼンと消すのです。。彼らは救出されて、夏の今でも子供達に夢を与え続けているんですね。

お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、商品の値札も工夫されていて、商品の名前・賞味期限・元の販売価格・SIRPLUS価格がきちんと記載されています。

消費者がすぐに、その食品を購入することについて考えることができるように配慮されているのです。

わたしは、試しにこのヴィーガン表示のある『ヘーゼルナッツとモリンガのスーパーチョコバー(賞味期限2019年3月12日)』を購入してみました。

この原稿を書きながら、美味しく頂いています。賞味期限も、全然気にならないお味です。チョコレートパワーで、原稿も楽しく進みました◎

さて、如何でしたでしょうか。もし食料棚や冷蔵庫を開けて、未開封の賞味期限切れ食品を見つけたら、すぐに捨てず、SIRPLUSのように『たのしさ』を感じるか、1度考えてみてください。
きっとまだまだ美味しくて、空腹のあなたを元気にしてくれるはず!

※この記事はSIRPLUS創立者の1人Raphael Fellmer氏に、取材・撮影許可を得て執筆しています。ありがとうございました!

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SIRPLUS
HP : https://sirplus.de/
Instagram : https://www.instagram.com/sirplus.de/
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KiKi / イラストレーター
西伊豆の小さな限界集落出身。交通機関もない、1番近いお店まで車で1時間。とにかく大自然しかない小さな集落で、紙とペンと空想で無限大に遊べることが、この上ない娯楽で贅沢でした。

2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。その後、同大学マンガ学科研究室にて副手を3年間務めながらイラストレーターとしての仕事を少しずつ増やしていき、2015年からフリーランスに。居場所を探して旅するように生きていたらベルリンに辿り着き、2016年の夏から移住。

例えば、私のように小さい集落で暮らしている子が、そこから旅立つ時期を迎えたときに、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』って気づけるようなものを残していけたら、最高だなと思いながら絵と文章をかいています。
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The Green Market Berlin: “Summer Edition 2019” ーー KiKi

6月を迎えたベルリンは、例年よりも暑くてとても驚いています。私がこちらに来た3年前の夏は太陽がとても美しくって、光に当たっても暑苦しいということはなく、心地よい感覚でした。

でも、年々日差しが強くなってきていて、この間の木曜日は37度だったかな。こんなお天気、ベルリンでは初めてで、日陰に避難しても暑い。そして、今までそんな夏を迎えてこなかったから、基本冷房という機能がベルリンの公共施設にはないのです。電車もバスも、あまりの暑さに窓を全開にしてくれているけれど、入ってくる風は生暖かいもの。。地球のことが心配になってきます。

さて今回はそんな暑いベルリンで6月末に開催された、持続可能な消費をテーマに開催されている『The Green Market Berlin: “Summer Edition 2019″』の様子をご紹介したいと思います。

The Green Market Berlin: “Summer Edition 2019”』とは?

Green Market Berlinは、ビーガンシーンの新しいヒーロー達にとって理想的なプラットフォームの設立を目指し、2014年にスタートしたイベントです。夏と冬の年2回開催されています。

出展者と訪問者の間でアイディアを交換する機会を提供し、持続可能な消費を意識的に楽しめることを証明することが、このイベントの目的です。出展者を選択する際は、”持続可能”なプロダクトであることを非常に重視しているそうです。

会場では、食べ物の屋台、音楽、ファッション、化粧品、クッキングショー、DYIワークショップ、講演会、そしてギフトなど、アイデアのカラフルな組み合わせに出逢うことができます。

3月に行われた『VEGGIE WORLD in Berlin 2019』と比べると、大きな企業ブースなど説明的なものは少なくて、もっとラフに身近に、ビーガンライフをみんなで楽しもうよ!という雰囲気が漂っていました。

ブースを覗くと、”持続可能”を意識したプロダクトが多く見つけられました。例えば、何度も使用できる竹で作られたストローだったり、持ち運び可能なフォーク・ナイフセットだったり。素敵だなあと感じたのは、そのような商品パッケージを現地のアーティスト達とコラボしていること。ブースのお姉さんが1つ1つ丁寧に教えてくれました。私も絵を描く人として、何かこういう形でお手伝いできたらなと刺激を受けました。

それから掃除用・洗濯用などの洗剤を果物などから作るレシピ本も見つけました。いくつかレシピを読んでみたのですが、身近にあるもので、材料もおそらく市販の物をドラッグストアで購入するよりも格段に安く、簡単につくることができるものばかりでした。もしこのことを多くの人が知ったら、ケミカルのものを買わず、手作りする人たちも増えるのではないでしょうか。

私のルームメイトも、環境保護にとても敏感で、洗剤類はいつも全て手作りをしています。この間、市販の洗濯用洗剤を使い切ったので、今度ルームメイトに作り方を教えてもらう予定です。これも、veggy onlineさんでシェアできたらなと考えています◎

日本では近年、ビーガンであったり、”持続可能”を考えたプロダクトだったりが話題になってきていると思いますが、こちらではもう日常で、地球環境に配慮していない商品であれば購入しないと意思表示している人が多く、『VEGAN』『BIO』の表記がある商品の方が消費者に信頼されています。そのため、多くの企業が『VEGAN』『BIO』のプロダクトを積極的に開発しているという循環が、日本でももっと活発に行われていけばいいのになと願うこの頃です。私の記事が、誰かが気づく何かのきっかけになればいいなと思いながら執筆しています。

少し熱くなってしました!イベントレポートに戻ります!
会場を散策していると、こんな可愛いBarを発見しました。

「犬と一緒に会場に遊びに来ることは大歓迎です!でも犬達が、たくさんの人、音楽、匂いのストレスにさらされているのを忘れないで。私たちは主催者として、犬達が何かを飲むことができるように、小さな給水所を設置します。」

こういう気遣い、とても心があたたかくなります。会場では、飼い主と一緒にイベントを楽しむワンちゃんたちをたくさん見かけました◎

さて、私もお腹がすいてきました。美味しいビーガンフードを探しに行きましょう!

スパイシーなお野菜が、ぎっしり!モロッコの伝統料理。

本当にたくさんの美味しそうなビーガンフードの中から、迷いに迷って気になったのが、こちら。

この丸く包まれたものたちは、一体なんなんだろう…?う〜ん、いい匂い!気になっ
て、店員の兄さんに聞いてみました。

「これは、モロッコの伝統料理だよ。春巻きのような皮で、野菜を包んで焼くんだ。」

なるほど!モロッコ料理は食べたことがないので、メニューの『Moroccan vegetable plate』を注文してみました。

春巻きの皮のようなもので包まれた中には、独特のスパイスで味つけられた野菜がぎっしり。ちょっと辛いけれども、夏にぴったりな味でした!

デザートは、カラフルな100%植物ベースのアイスクリーム!

ボリューミーなモロッコ料理に、お腹がいっぱいになりましたがデザートは別腹です。こんな暑い日は、アイスクリームが食べたい!!と、目に付いたのはカラフルなアイスクリーム。

『Tribeca ice cream』は、栄養について意識するアイスクリーム愛好家に向けて作られた、スペシャルなアイスクリームなのだそう。

ベースはココナッツオイル・ナッツミルク・ココアバターで、 人工的な味や添加物、精製された砂糖は未使用。 その結果、グルテンと大豆を含まないスーパークリーミーなビーガンオーガニックアイスクリームが完成したのだそう!

悩んで、贅沢にピーナッツチョコレートチップ味・ラズベリーココナッツ味・ブルーココナッツ味の3つをチョイス。

どれもとてもクリーミーな優しい味で、暑い夏を鮮やかな思い出に変えてくれました。

Tribeca ice cream
HP: https://www.tribecaicecream.com/
Instagram : @tribecaicecream

次のGreen Marketは、冬!また違った、冬の料理や新しいプロダクトに出会えることを楽しみにしています◎
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Green Market Berlin
HP:http://greenmarketberlin.com/
Instagram: @greenmarketberlin
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KiKi / イラストレーター

西伊豆の小さな限界集落出身。交通機関もない、1番近いお店まで車で1時間。とにかく大自然しかない小さな集落で、紙とペンと空想で無限大に遊べることが、この上ない娯楽で贅沢でした。

2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。その後、同大学マンガ学科研究室にて副手を3年間務めながらイラストレーターとしての仕事を少しずつ増やしていき、2015年からフリーランスに。居場所を探して旅するように生きていたらベルリンに辿り着き、2016年の夏から移住。

例えば、私のように小さい集落で暮らしている子が、そこから旅立つ時期を迎えたときに、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』って気づけるようなものを残していけたら、最高だなと思いながら絵と文章をかいています。

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【世界のヴィーガン放浪記】VOL.3 ドイツ・ベルリン

こんにちは、ヨーロッパのヴィーガン文化の首都と呼ばれているドイツはベルリン在住・イラストレーターのKiKiです◎

友人を訪ねたり、アートイベントのために近隣諸国を訪れることも多いこの夏。『旅のついでに、その国のベジタリアン・ヴィーガンレストランにも寄ってみよう!』と思いついた企画、『世界のヴィーガン放浪記』。今月は旅から戻り、ベルリンが1番楽しい季節の夏を楽しんでいます。

ということで第3回目の今回は、本当は最初にご紹介するべきだった大好きな街『ドイツ・ベルリン編』をご紹介したいと思います!

ドイツ・ベルリン

ドイツの首都・ベルリン。首都と言っても、日本の東京とイメージは正反対。自然との距離感が近く、ゆったりとした空気感が流れています。

個人的に、もちろん気候や雰囲気は全然違いますが、7年間住んでいた京都にちょっと似ているかなとも感じています。例えば、オフィス街やショッピングモールなどは、ある地域に集中していて、そこから離れればすぐに自然に出逢えるところや、芸術が盛んなところとか。みんな自転車で移動するのが大好きで、それも気持ちがいいことを知っているところとか。

ベルリンでは夏になると、友人たちとビールや食べ物を持って、公園や湖沿いにピクニックに出かけるのですが、それをしていると時々、鴨川で友人とチューハイ片手に語り合ったことを懐かしく思い出します◎

ここはドイツですが本当にいろんな国の人たちが住んでいる国際都市で、世界地図をぎゅっと凝縮させたような街です。3年住んでいますが、魅力が尽きず、全然飽きません。

多様なバックグラウンドを持っている人たちが住んでいる街だから、もちろんヴィーガン文化も日常生活で選択できるように配慮されています。

そんなベルリンにある、1つのヴィーガンカフェをご紹介したいと思います。

ヴィーガンケバブ屋『Vöner』

 1番に目につくのは、きっとお店の看板モンスター(?)のイラストでしょうか。私も可愛くて大好き。お店のドアもステッカーだらけ。でも結構こんな感じのお店はベルリンでは通常運転。

ベルリンには2大ファストフードというものがあります。『カリーブルスト』というソーセージにケチャップとカレーパウダー、そしてお好みでマヨネーズをかけて食べるものと、『ケバブ』です。

ケバブ屋さんが多いのは、トルコ系移民が多いことが関係しています。通常のケバブでも、もちろんお野菜たっぷりですが、牛か鳥のお肉が一緒に使われています。

『Vöner』は、お肉を一切使わないヴィーガンのケバブ屋さん。ケバブのことをこちらでは『Döner』といい、お店の名前は『Vegan(ヴィーガン)+Döner(ケバブ)』を文字って『Vöner』と名付けたそうです。すべてのメニューで、もちろんお肉と乳製品を扱っていません。

東側にあるこのお店。ベルリンに移住した1年目、ドイツ人ファミリーの家に言語と文化の勉強をかねてホームステイしていたのですが、このご近所に住んでました。ホストママに『ちょっとタトゥとか髪の毛が派手な人とかいて怖いかもしれないけれど、美味しいから是非行ってみて!』とおすすめされて、初めて行ったのがもう3年前。本当に美味しくて、それ以来大好きなお店の1つです。

当時もタトゥや髪の毛の色が派手な人に関して、偏見は一切なかったのですが(タトゥはしていませんが、学生時代自分も髪色がピンクだったり青だったりしていたので苦笑)、ベルリンは本当に気にしない、その人がしたいように、そのままの姿で生活しているように感じます。驚いたのは、現地の幼稚園の先生も、ゴリゴリにタトゥが入っていたり、夏はキャミで出勤していたり、小学校には大きな輪っかのピアスが空いてる先生もいました。それでも、全く問題がないんです。仕事はもちろんしっかりしているし、みんな口を揃えて言っていたのは『自分らしくいることが大切だから』。ちょっと話がずれましたが、これが私がベルリンを好きな理由の1つです。

さて、ヴィーガンケバブのお話に戻りましょう!お姉さんに、『Dönerを1つ!』とお願いします。そうすると、このカウンターですぐに作ってくれます。

お肉の代わりに、大豆タンパク質、野菜、スパイスやハーブなどをミックスしたもので代用しています。ちょっと上の写真が見にくいかもしれませんが、本物のケバブのように回転するロースターにセットされていて、くるくる回っています。かわいい。笑

ソースは、『豆乳ヨーグルトとハーブ』・『ごまペーストとニンニク』・『チリトマト』・『ピーナッツソース』の4種類から選べます。私は、『豆乳ヨーグルトとハーブ』をチョイス。

カウンターには、お店のショップカードと、お持ち帰り自由のステッカー。そして小さくてかわいい缶バッチは1ユーロ。ちょっとしたベルリン土産にもおすすめです。このキャラクター、見れば見るほど愛くるしい。

さてお姉さんが持ってきてくれた完成したヴィーガンケバブは、こちら!!

溢れんばかりの、今にもこぼれ落ちそうな野菜たち!いつも食べるのが難しくて、フォークとナイフを店員さんにもらうことができますが、結局一生懸命かぶりつくスタイルに落ち着きます。笑 ヴィーガンミートも、言われなければわからないくらい味もしっかりしているし、ボリューミー。1つ食べ終わる頃には、本当にお腹いっぱいで幸せな気持ちになります。

今日は友人と、開店時間ちょうどの12時にきましたが、どんどんお客さんは増え、食べ終わる頃には店内は満員に。お客さんは、外の席で愛犬とゆっくり食べている人、PCを持って集中している人、友達とおしゃべりする人、様々。そして人種もファッションも様々。店内に常備されている雑誌やフライヤーも、ヴィーガンに関するものはもちろん、政治やフェミニズムに関するものなど、自由について考える素材がたくさん。

太陽のエネルギーをたくさん浴びた生き生きとしたヴィーガンケバブを頬張りながら、いつも来るたびに“世界”について考えてしまう、不思議な空間です。

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『Vöner』

Address : Boxhagener Str. 56, 10245 Berlin Germany

URL:https://www.facebook.com/Voener/
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西伊豆の小さな限界集落出身。交通機関もない、1番近いお店まで車で1時間。とにかく大自然しかない小さな集落で、紙とペンと空想で無限大に遊べることが、この上ない娯楽で贅沢でした。

2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。その後、同大学マンガ学科研究室にて副手を3年間務めながらイラストレーターとしての仕事を少しずつ増やしていき、2015年からフリーランスに。居場所を探して旅するように生きていたらベルリンに辿り着き、2016年の夏から移住。

例えば、私のように小さい集落で暮らしている子が、そこから旅立つ時期を迎えたときに、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』って気づけるようなものを残していけたら、最高だなと思いながら絵と文章をかいています。

Portfolio site : http://kiyonosaito.com/

instagram : https://www.instagram.com/kikiiiiiiy/

【世界のヴィーガン放浪記】VOL.2 エストニア・タリン

こんにちは、ヨーロッパのヴィーガン文化の首都と呼ばれているドイツはベルリン在住・イラストレーターのKiKiです◎

友人を訪ねたり、アートイベントのために近隣諸国を訪れることも多いこの夏。『旅のついでに、その国のベジタリアン・ヴィーガンレストランにも寄ってみよう!』と思いついた企画、『世界のヴィーガン放浪記』。第2回目は、ベルリンから飛行機で2時間半ほどの距離。北欧・バルト三国の一つ、エストニア・タリンでの旅をお届けしたいと思います!

北欧・バルト三国の一つエストニア・タリン

ユネスコ世界遺産に登録されているタリン旧市街

エストニアの首都・タリン。公用語はエストニア語ですが、街の人に話しかけるとほとんどの方が英語で返してくれました。

聞きなれない・見慣れないエストニア語ですが、街で見かける言葉を見ていると、時々『ん?ドイツ語?』と見間違えることがあるくらい、似た単語を見つけることができました。

例えばドイツ語で芸術は『Kunst』というのですが、エストニア語も『Kunst』。薬局はドイツ語で『Apotheke』、エストニア語はちょっと似ている『Apteek』。ヨーロッパの言語は親戚同士だから、文法だったり似ている部分が多いというのはベルリンに3年ほど住んで、ヨーロッパの他の国の人と話すたびに実感していますが、それにしても似ているところが多くて気になり、エストニア人の方に聞いてみました。

『エストニアは昔、ドイツに占領されていた歴史があるんだ。だから、ところどころにドイツ語のようなものが残ってるんだよ。食べ物も、ドイツ料理に似たものが多いね。おじいちゃん・おばあちゃんの世代では、ドイツ語を話す人もいるよ。他にも歴史的背景から、ロシア語しか話せない年配の方たちもいるんだ』

エストニアは昨年の2018年に、1918年2月24日の独立宣言から100周年を迎えました。

街はのどかで、平和そのもの。エストニア人は静かで、シャイで、お礼の後の笑顔が素朴だけれども暖かい、とても親切な人たちでした。国も人も、たくさん大変なことを乗り越えた経験がある方が、暖かくて、優しい気がします。4日間滞在して、大好きな国の1つになりました。

さて、そんな心暖かい国・エストニアはタリンで出会った、ヴィーガンフードをご紹介しますね◎

Vegan Inspiratsioon

旧市街地を散策してみると、かなり『Vegan』という言葉を見つけることができました。どのお店に入ろうかな…と悩んでいると、『Vegan Inspiratsioon』の文字が目に止まりました。

『Inspiratsioon』はエストニア語ですが、雰囲気から察するにきっと『Inspiration(インスピレーション)』と言う意味なのでは…?と早速翻訳アプリで調べると、ビンゴ!前回のブリュッセル編もそうでしたが、名前からして素敵なお料理が出てきそうな予感…!

店内に入ると、内装も素敵で、落ち着いた雰囲気。すでにたくさんのお客さんで賑わっていました。若い男性グループ・カップル・友達同士でワイワイしている人など、客層も様々。

店員のお姉さんに、エストニアのヴィーガン事情について聞いてみると『エストニアでは、とても日常的な文化よ。多くの人が環境や健康について考えて、食事を選んでいるわ』とのこと。

店内にはヴィーガンの雑誌と、こどもたち用の塗り絵も。

『CREATE THE WORLD YOU WANT TO LIVE IN. (あなたが住みたいと思う世界をつくろう!)』なんて、すてきな塗り絵!

そして、本当にたくさんあるメニューの中から迷って選んで注文したお料理は、こちら◎

実は、タリン空港についてすぐになぜか発熱してしまったので(手持ちの薬を飲んだら熱は下がりましたが…)、栄養をとらなくちゃと、とにかく野菜たっぷりでボリューミーなものをチョイスしてみました。

特製ソースとチェダーチーズソースに絡まって、本当に美味しかったです。特に、紫花豆とひよこ豆が中にぎっしり詰まっていて、お腹がとても満たされました。ヴィーガン料理は、お肉の代わりに豆を多く使うことが多いのですが、ヴィーガン料理を食べ始めてお豆の美味しさに気づきました。

美味しいごはんで満たされて、ハッピーになりながら店内をもう一度散策してみると壁にペインティングしている女の子を発見!彼女、Maari Soekovはタリン在住のアーティストで、今日と明日でこの壁画を完成させるのだそう。残念ながら完成した実物は見ることができませんでしたが、彼女のinstagramで見ることができるので、ぜひ。見ていてとても元気がもらえるパワフルなイラストです。

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『Vegan Inspiratsioon』
Address : Pagari 1/Lai 44, Tallinn

URL:https://veganinspiratsioon.ee/
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Karu talu šokolaad

さて、今回はもう1件訪れてみました。壁画のアーティスト・Maariにおすすめよ!と教えてもらった『ヴィーガンチョコレート』のお店です。

店内には、まるでアート作品のようなチョコレートがずらり。ひとかけらの大きさは、ケーキ1ピースくらいで結構ボリューミー。すべてグルテンフリー、ミルクフリー、そしてハンドメイド。

悩みに悩んで、わたしが選んだものはこちら◎

王道のいちごを選んでみました。とても大きなピースですが、甘さ控えめで食べ進めてもしつこくない、とても優しい味でした。上に乗っているドライストロベリーも、チョコレートととてもマッチしています。店員のお兄さんに『あなたもヴィーガンなの?』と聞いてみると、『僕の両親がずっと動物愛護家で、生まれたときから動物は食べたことがないんだ。だから26年間ヴィーガン生活を送っているよ』とのこと!とても笑顔が優しいお兄さんでした。

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『Karu talu šokolaad』
Address : Voorimehe 4 80032 Tallinn, Estonia

URL:https://www.facebook.com/karutalu.chocolate
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様々な考えや意思を持って、ヴィーガン料理を選んでいる人たちが多いということが改めてこの旅でわかりました。強制するわけではありませんが、日本でもヴィーガン料理を選択できる環境が普及したら、また少し世界の味方も変わってくるかも知れません。

さて、わたしはベルギーとエストニアの旅を終えてベルリンでの生活に戻っています。次回は、ベルリンの大好きなヴィーガンカフェをご紹介しますね◎

西伊豆の小さな限界集落出身。交通機関もない、1番近いお店まで車で1時間。とにかく大自然しかない小さな集落で、紙とペンと空想で無限大に遊べることが、この上ない娯楽で贅沢でした。

2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。その後、同大学マンガ学科研究室にて副手を3年間務めながらイラストレーターとしての仕事を少しずつ増やしていき、2015年からフリーランスに。居場所を探して旅するように生きていたらベルリンに辿り着き、2016年の夏から移住。

例えば、私のように小さい集落で暮らしている子が、そこから旅立つ時期を迎えたときに、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』って気づけるようなものを残していけたら、最高だなと思いながら絵と文章をかいています。

Portfolio site : http://kiyonosaito.com/
instagram : https://www.instagram.com/kikiiiiiiy/

【世界のヴィーガン放浪記】VOL.1 ベルギー・ブリュッセル

こんにちは、ヨーロッパのヴィーガン文化の首都と呼ばれているベルリン在住・イラストレーターのKiKiです◎

私は完全ベジタリアンではなく、野菜多めの食生活を好む柔軟主義者です。ベジタリアンやヴィーガンの文化にとても興味を持ちはじめたのは、ベルリンに引っ越してきた3年前から。

こちらのカフェやレストランに入ると、必ずと言っていいほど『ベジタリアン・ヴィーガン用メニュー』が用意されていています。

その理由としては、国際色豊かで、それぞれの個性を尊重することが自然と根付いているベルリンでは、どんな宗教・主義を持っていても、友人たちとみんなで美味しい食事を囲んでおしゃべりすることができる環境をづくりをしている、ということが挙げられます。

移住当初、日本では見かけたことがなかった『ベジタリアン・ヴィーガンメニュー』に、とても興味を惹かれました。

まず、野菜のそのままの味や色を生かしたアーティスティックな料理が多く、その見た目の美しさに魅了されました。どちらかというと私はお肉が好きな方なのですが、それがなくても全く気にならないくらい美味しい料理が多いということに驚きました。また環境問題に対する意識がとても高く、食べ物や物を自然と大切にしている様子に、とても居心地の良さを感じました。

それ以来、入ったお店にベジタリアンメニューを見つけると、注文してみることが多くなりました。

ヨーロッパ国内の移動が格安でしやすい、ベルリン。他のヨーロッパの国のベジタリアン・ヴィーガン文化はどうなっているのだろう…?友人を訪ねたり、アートイベントのために近隣諸国を訪れることも多いこの夏。『旅のついでに、その国のベジタリアン・ヴィーガンレストランにも寄ってみよう!』と思いついたのが、この企画です。

もちろんベルリンにも素敵なカフェがたくさんあるのですが、とりあえず第1回目は先日フランス人のイラストレーター友達Leaを訪ねて訪れたベルギーはブリュッセル編をご紹介したいと思います!

ベルギー・ブリュッセル



ベルギーの首都・ブリュッセル。EU本部があるこの街では、フランス語・オランダ語・ドイツ語の3つの言語が公用語として共存している、公用語が一つしかない私たち日本人から見ると、とても不思議な街です。

住んでいる人たちはベルギー人はもちろん、3つの公用語がある関係で他の国からの移民が多く暮らす、ベルリン同様国際的な都市です。フランス人の友人も、通っていたイラストスクールがブリュッセルにある関係で、こちらに移住してきました。街ではフランス語が多い印象でしたが、もちろん英語で話しかけると英語で返してくれます。

フランス人の友人に『オススメのヴィーガンレストランってある?』と聞いてみると…

『う〜ん、いろんな国の人や宗教を持つ人が住んでいるから、基本どこのお店でもベジタリアンやヴィーガンメニューはあるわよ』とのこと。

例えば、彼女自身も友人と集まって家でパーティーをするとき、様々なバックグラウンドを持った人たちが集まるので、ベジタリアンメニューは必須とのこと。これはベルリンで生活していても、よくあるお話です。

ちなみに彼女のボーイフレンドは、アフガニスタン人。宗教はイスラム教、ムスリムです。私が遊びに行った時は、ちょうどラマダン中で(イスラム教徒に課せられた五つの義務「5行」の一つで、30日間の断食を行う聖なる月のこと)深夜から早朝までの限られた時間内でしか飲食できず、終始疲れた様子でした。

滞在中、彼女はフランスの家庭料理・キッシュをつくってくれたのですが、『ムスリムの人がいるから、ベーコンは鳥のものを使うけどいい?(ムスリムは豚を食べることができません)』という会話が。こういう気遣いが日常的なのが、こちらでの生活です。

さて、彼女もどこのレストランがオススメなのかわからない!ということで、googleさんに尋ねてみました。そこで1件、目に止まったお店の名前が。『AMIだって!フランス語で友達って意味よ。きっと美味しいんじゃないかしら?』素敵な名前だね!と彼女と意気投合し、『AMI』に行ってみることに。

『AMI』に、行ってみました!



トラムに揺られ、15分ほど。『AMI』にやってきました!お店の外観も素敵。

開店時間の12時ちょうどに到着してしまったのですが、『まだ準備中なの〜、ちょっと待っててくれる?』と店員さんが。のんびり友人とおしゃべりしていたら、『OKよー!』との声。

Amiでは、ベジタリアンのヘルシーで美味しい料理をすべての人に届けるために、愛と情熱を込めた自家製のものを提供しているそうです。ベジタリアン、ビーガン、グルテンフリー。すべてオーガニックで安心な食べ物ばかりです。

店員のお姉さんに、オススメのメニューを尋ねると『AMIバーガーの”Veggie”がうちの看板メニューよ!』とのこと。早速注文してみました!

そしてやってきた、とてもカラフルで美味しそうなバーガーは、こちら !!!

まず驚いたのは、ハンバーガーのパン。自然で甘い味が、口の中に広がりました。そして、お肉が入っていないはずなのに、とってもジューシーで満足感がある野菜たっぷりのウィーガンパティ。お豆や人参などがミックスされて、つくられているそうです。特製ケチャップとマスタードも、お野菜と合って、本当に美味しい…!

一緒に添えられていた野菜チップスも、野菜そのものの甘さと、かかっているお塩が絶妙のコンビネーションでした。

店員のお姉さんに、ブリュッセルのベジタリアン・ヴィーガン文化について聞いてみると、
『この街では、とても有名なカルチャーよ。たくさんベジタリアン・ヴィーガンのお店もあるしね。あの角を曲がったところにも、数件お店があるわよ。…でも1番美味しいのは、うちだけどね!』と素敵な笑顔とともに、教えてくれました。笑

確かに、インターネットで探したらたくさんお店が出てきたけれど、私はこのフレンドリーな店員のお姉さんがいる『AMI』が好きです。店員さんともAMI(友達)になれるし、きっとベジタリアン・ヴィーガンAMI(友達)も見つけられるはず…?
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AMI
Address : Rue Lesbroussart, 13 Ixelles
HP : https://ami-veggie.be/

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KiKi / イラストレーター

西伊豆の小さな限界集落出身。交通機関もない、1番近いお店まで車で1時間。とにかく大自然しかない小さな集落で、紙とペンと空想で無限大に遊べることが、この上ない娯楽で贅沢でした。

2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。その後、同大学マンガ学科副手を3年間務めながらイラストレーターとしての仕事を少しずつ増やしていき、2015年からフリーランスに。居場所を探して旅するように生きていたらベルリンに辿り着き、2016年の夏から移住。

例えば、私のように小さい集落で暮らしている子が、そこから旅立つ時期を迎えたときに、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』って気づけるようなものを残していけたら、最高だなと思いながら絵と文章をかいています。
Portfolio site : http://kiyonosaito.com/
instagram : https://www.instagram.com/kikiiiiiiy/

「何食べればいいの?」ベジタリアン留学生が困る3つのこと

2月から始まったNPO法人日本ヴィーガンコミュニティ代表の工藤柊さんの連載!
今回は第6回目です!

「何食べればいいの?」ベジタリアン留学生が困る3つのこと

Hello Vegan!
みなさんこんにちは。ヴィーガンライフを2年と少し実践している大学生、工藤柊(@itllbedark)です。普段はNPO法人日本ヴィーガンコミュニティの代表を勤めながら、ライターとして活動しています。

僕が通っている神戸大学には、留学生が年間で1,300名ほど在籍していて、留学生と交流する機会は多くあります。僕自身もヴィーガンを実践しているということもあり、ベジタリアンやヴィーガンを実践している留学生と関わる機会がありました。そこで目の当たりにしたのは、ベジタリアンの留学生が日本で生活する上で、困ることが多くあるということです。

今回の記事では、実際に現役大学生としてベジタリアンの留学生と関わってみて感じた、ベジタリアン留学生が困る3つのこと、そしてその困りごとの解決策をご紹介したいと思います。

ベジタリアン・ヴィーガンとは


みなさん、ベジタリアンやヴィーガンという言葉を聞いたことがあるでしょうか。簡単に説明すると、ベジタリアンとは、お肉や魚介類を食べない人やそのライフスタイルのことを言います。そして、ヴィーガンは、お肉や魚介類に加えて、卵や乳製品などの動物性食品全般を避ける人やライフスタイルのことです。また、ヴィーガンは食事のみではなく、毛皮やファーなどのファッションの領域においても動物を利用した商品の消費を避ける場合もあります。

ベジタリアンやヴィーガンを実践する人は、イギリスやアメリカ、ドイツなどの先進諸国を中心に増加しており、イギリスでは160万人以上がベジタリアンかヴィーガンを実践しているそうです。ベジタリアンやヴィーガンを実践するのは、動物愛護や環境保全、自身の健康など、人によってさまざまな理由があります。

このように、日本ではまだマイノリティであるベジタリアンやヴィーガンですが、他の多くの先進諸国ではその人口は増加しています。そのため、日本の大学に滞在する留学生の中にも、ベジタリアンの方が高確率でいるのです。

ベジタリアンの留学生の困りごと


神戸大学に入学してすぐに、大学食堂にヴィーガンメニューを導入する活動を開始したところ、ベジタリアンやヴィーガンの留学生が協力してくれることになりました。そこで出会った留学生の仲間とともに活動していたのですが、やはり一緒に過ごす時間が増えれば増えるほど、彼女たちが困っている姿を見る機会も増えていきます。

ここからは、僕が実際に目の当たりにした、ベジタリアンの留学生が困っていたことの中から、3つを抽出して紹介していきたいと思います。

ベジ商品がわからない


まず1つめの困りごとは、ベジタリアンやヴィーガンでも食べられる、動物性食材を使っていない商品かどうかわからないということです。もっとも印象に残っているシーンがあります。それは、日本語の話せないヴィーガンの留学生が、コンビニのお菓子コーナーにある商品の裏側に書かれている原材料名を、グーグル翻訳して確認した結果、商品棚に並ぶ商品全て食べられないものでとても残念そうな顔をしていた場面です。

彼女の母国であるドイツでは、ヴィーガンやベジタリアンの商品にはマークが付いていることがほとんどで、コンビニやスーパーの商品選びに困ることはないのです。僕がベルリンに行った時にも、ベジタリアン・ヴィーガンの対応商品の多さや、そこにマークがついている便利さに驚いた経験があります。

日本ではまだコンビニやスーパーで購入できるベジタリアン商品は少ないですが、ネット上で購入できる通販サイトでなら購入できるものは多いです。通販サイトで購入する場合は、以前に僕がヴィーガン・ベジタリアン商品を扱うオンラインショップをまとめた記事があるので、参考にしてみてください。
【ヴィーガンの通販サイト5選】ネットで購入できるベジタリアンショップ

対応飲食店が少ない


ベジタリアンやヴィーガンの留学生が困ることの2つめは、ベジタリアンやヴィーガンに対応した飲食店が少ないということです。この対応飲食店が少ないという問題は、留学生に限った話ではなく、日本で暮らすベジタリアンやヴィーガンにも当てはまります。僕が住んでいる神戸だけを例にあげても、5店舗ほどしかヴィーガンのお店はありません。

しかし、東京や京都はじめ、主要都市には、ヴィーガンやベジタリアンの飲食店はある可能性が非常に高いです。Google mapで「vegan」や「vegetarian」で検索するのも一つですが、今回はvegewelというサービスを紹介します。このサービスでは、ベジタリアンやヴィーガンに特化して近くの飲食店を検索することができるので、ぜひ使ってみてください。
Vegewel公式サイト

言葉の意味が伝わらない


最後の一つは、ヴィーガンやベジタリアンという言葉の認知度や理解度が日本ではまだ低いため、言葉の意味が伝わらないという課題です。僕が2年間ヴィーガンを実践している中でも、牛乳を飲まないと伝えてもバターは別物と思っている人が多いことなど、困ることは多くあります。

留学生をはじめ、日本語を流暢に話せない訪日外国人にとって、動物性を全て食べないことを伝えることは難しいことです。僕たち日本人の、特に飲食に関わる人たちのベジタリアンやヴィーガンの認知度を高めていくことが必要だと感じています。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回の記事では、僕が実際に目にした、ベジタリアンやヴィーガンの留学生が困っていたこと3つを紹介しました。しかし、今回の記事で紹介したもの以外にも、ベジタリアンやヴィーガンの留学生が困ることは想像以上にあります。

留学生の受け入れ体制はもちろん、訪日外国人の観光や生活がより良いものになるよう、一人ひとりの個人、企業、行政など、さまざまなセクターが協力していく必要があると考えています。僕は、NPO法人日本ヴィーガンコミュニティの代表として、民間セクターを盛り上げ、日本を誰もがヴィーガンを実践できる“Hello Vegan!”な社会にすべくこれからも活動していきたいと思います。

では!


工藤柊/kudo shu

高校3年にぺちゃんこの猫をきっかけにヴィーガンへ。神戸大学入学後、誰もがヴィーガンを実践できる”Hello Vegan!”な社会を目指して、大学食堂へのヴィーガンメニュー導入、ヴィーガンカフェの店長などの活動を行う。2018年大学を休学し、NPO法人日本ヴィーガンコミュニティを創設。自身のブログを始め、ライターとしても情報発信を行う。

ブログ「そうは言っても工藤さん」:http://kudoshu07.com/

ツイッター:https://twitter.com/itllbedark

NPO法人日本ヴィーガンコミュニティHP:https://hellovegan.jp/

【ヴィーガン発祥の地イギリス】人口や飲食店などベジタリアン事情は?

2月から始まったNPO法人日本ヴィーガンコミュニティ代表の工藤柊さんの連載!
今回は第5回目です!

【ヴィーガン発祥の地イギリス】人口や飲食店などベジタリアン事情は?


Hello Vegan!

みなさんこんにちは。ヴィーガンライフを2年と少し実践している大学生、工藤柊(@itllbedark)です。普段はNPO法人日本ヴィーガンコミュニティの代表を勤めながら、ライターとして活動しています。

最近、日本でも話題に上がるようになってきたベジタリアンやヴィーガンという言葉。実は、どちらの言葉もイギリスで生まれたものです。ヴィーガンという思想、ライフスタイルが生まれたのは、1944年と75年前に出来たばかりのものだといいます。

今回の記事では、2019年4月にイギリスへ訪れた僕が体感した実際のイギリスのヴィーガン事情を、歴史や人口、スーパーや飲食店での対応についてご紹介します。ベジタリアンやヴィーガンの人はもちろん、これからイギリスへ行こうと思っている方はぜひご覧ください。

ヴィーガンとは?


ベジタリアンという言葉は聞いたことがあっても、ヴィーガンという言葉を聞いたことがない方はまだ多いと思います。お肉や魚介類を食べないベジタリアンの中でも、最も制限のあるライフスタイルがヴィーガンです。ヴィーガンを実践する方は、お肉や魚介類に加え、卵や乳製品などの動物性食品を避けます。また、食事のみではなく、毛皮やファーなどのファッションの領域においても動物を利用した商品の消費を避ける場合もあるのです。

ヴィーガンやベジタリアンを実践する方には、動物愛護や環境保全、自身の健康など、さまざまな理由があります。もともとは、ヴィーガニズム(veganism)という、動物を利用することに反対する主義を実践する方や、そのライフスタイルを指した言葉でしたが、現在はその動物製品を避けるライフスタイルを呼ぶことが多いです。

イギリスのヴィーガン事情


ベジタリアンやヴィーガンの発祥の地は、イギリスです。ここからは、イギリスでヴィーガンが生まれた歴史、現在のベジタリアン・ヴィーガン人口や飲食店やスーパーの対応など、ヴィーガン事情をご紹介していきます。

ヴィーガン発祥の歴史


イギリスでは、1847年にイギリスベジタリアン協会が創設されました。当時の会員数は130名ほどでしたが、年々会員数が増加し、ベジタリアンマークの普及活動や、なんと活動家ガンジーがスピーチを行うほど拡大しました。

そして時代は進み、畜産業では経済合理性を追求した工場畜産という方式が取り入れられるようになります。その工場畜産という方式での、畜産動物の非倫理的な扱いに反対すべく、ベジタリアン協会のメンバー数名が立ち上がり、1944年11月1日にイギリスヴィーガン協会が創設されました。ベジタリアン(vegetarian)という言葉から発展させ、ヴィーガン(vegan)という概念を作り出し、今ではヨーロッパ、アメリカなどの先進諸国に広く普及しています。

イギリスのベジタリアン人口と割合


ベジタリアンやヴィーガン発祥の地であるイギリスでは、どれだけの人がそのライフスタイルを実践しているのでしょうか。2016年のデータによると、イギリスではベジタリアンとヴィーガンを実践する人を合わせると、168万人もの人数になるということです。この人数は、現在のイギリス人口の25%以上の数字です。4人に1人はベジタリアンとは、日本にいては想像できない社会となっていますね。

ベジタリアン人口の増加に伴って、対応商品や飲食店の市場も膨らんできています。近年、訪日外国人が増えてきている日本にとっても、無視できる人口ではないので、ベジタリアンやヴィーガンへの対応を進めていくことが必要です。
(BBCニュース:https://www.bbc.com/news/business-44488051

飲食店やスーパーなどの対応


今回、僕がイギリスのロンドンでの滞在中、外食で困ったことは全くありませんでした。街には、ヴィーガン専門の飲食店や、一般のカフェにもヴィーガン対応メニューがあるなど、ロンドンは噂通りの非常にヴィーガンフレンドリーな都市です。滞在中の食事についての詳細は、僕のブログ「そうは言っても工藤さん」に投稿しているので、興味がある方はご覧ください。

【9食】ロンドンで食べたヴィーガン料理。おすすめレストランを紹介!

上の記事でも紹介していますが、日本でもお馴染みのスターバックスコーヒーでも、ヴィーガン対応メニューが販売されていました。僕が食べたのはブリトーでしたが、スイーツまでがケースに並んでいたのです。店員さんに聞いたところ「ヴィーガンメニューの販売が開始されたのは2年前」とのこと。

他にもヴィーガンのバーガーやホットドックなど、日本では滅多に食べられないものを味わうことができました。また、コンビニやスーパーにはベジタリアンやヴィーガンマークがついた商品が並んでおり、ヴィーガンやベジタリアンとしてロンドンで暮らしていく上で、外食に困ることはほとんどないと言えるでしょう。

まとめ


いかがだったでしょうか。今回は、イギリスでのベジタリアンやヴィーガン事情や、その歴史についてご紹介しました。さすがはヴィーガン発祥の地イギリス、ヴィーガンやベジタリアンとして生活することに困ることは、ほとんどないように思います。

日本でも、イギリスのように誰もがヴィーガンを実践できる“Hello Vegan!”な社会を実現するために、NPO法人日本ヴィーガンコミュニティの活動をメンバーと共に頑張りたいと気持ちを新たにすることが出来たロンドン観光でした。

それでは、また!


工藤柊/kudo shu

高校3年にぺちゃんこの猫をきっかけにヴィーガンへ。神戸大学入学後、誰もがヴィーガンを実践できる”Hello Vegan!”な社会を目指して、大学食堂へのヴィーガンメニュー導入、ヴィーガンカフェの店長などの活動を行う。2018年大学を休学し、NPO法人日本ヴィーガンコミュニティを創設。自身のブログを始め、ライターとしても情報発信を行う。

ブログ「そうは言っても工藤さん」:http://kudoshu07.com/

ツイッター:https://twitter.com/itllbedark

NPO法人日本ヴィーガンコミュニティHP:https://hellovegan.jp/

『VEGGIE WORLD in Berlin 2019』レポート KiKi

『VEGGIE WORLD in Berlin 2019』レポート KiKi

3月半ばの週末、ベルリンでは大きなヴィーガンイベント『VEGGIE WORLD』が開催されました。

ベルリンはヨーロッパで最大の完全菜食主義者と完全菜食主義者のためのレストランを持っていて、ヨーロッパのビーガン首都とも考えられています。

レストランやカフェに入ると、ほとんどに『ヴィーガンメニュー』が用意されています。国際色豊かで、それぞれの個性を尊重するこの都市では、どんな宗教・どんな主義を持っていても、カラフルな友人たちと美味しい食事を囲んでおしゃべりすることができる環境が整っているのです。

そんな、常に注目されているヴィーガンカルチャーの中で、特に大きなイベント『VEGGIE WORLD』が開催されると聞き、お邪魔してきました。

今回はそのイベントレポートを送り致します。

『VEGGIE WORLD』とは?

「生肉を食べる人は、ビーガン料理がどんなすばらしい可能性を提供するかを知らないかもしれません。それこそまさに私たちのアプローチです。説得はしません、納得させてください。」

VeggieWorldは誰にとっても公平をテーマに、菜食主義者や菜食主義者に加えて、特に柔軟主義者や、定期的に肉を食べる人々を歓迎することを強調しています。

2011年、ドイツのウィスバーデンで21の出店者とともに、このイベントは始まりました。2017年以降はドイツで6カ所、その他のヨーロッパ諸国では​​10カ所で見本市が開催されています。

出典:https://veggieworld.de/standorte/

今年は12カ国、ドイツ国内では7カ所という大規模な展開を見せています。

開催される都市の特色に合わせて、企画も変わっているようです。他の開催場所も、とても気になりますが、今回はベルリンの様子をお届けします。

会場の様子は?

会場では見本市価格で、ビーガン料理と食材を購入することができます。

出店者のブースの前には、食品たちの試食コーナーがあり、多くの来場客たちが熱心に試食し、食品を吟味していました。

このイベントの最大の魅力は、来場者が食品を食べたときに、その食品について、その場にいる製造者に詳しくお話を聞くことができるところだと思います。

実際に話しかけてみると、原料および構成・健康への影響について、とても詳しく丁寧に教えてくれました。

出展ブースの他に、豊かで多様な支援プログラムも提供されています。支援プログラムでは、講義、料理ショー、ワークショップななどが企画されていました。

私が会場を訪れたとき、ステージではAlexander Flohr氏によるクッキングショーが行われているところでした。

出典:VeggieWorld Berlin 2019

彼は普段建設会社で働き、一日中石を運ぶなど、とてもエネルギーが必要な重労働の中で、菜食主義者として生活しています。

彼はかつて体重が135キロあり、健康の危険にさらされたことをきっかけに、自分と自分の家族のために、菜食主義者として生活するようになりました。すると、関節、心臓、血液の循環など、みるみると健康の状態に戻っていったそうです。

2人の子供の父でもあり、自分と、自分の家族のためにも菜食主義者としての生活をこれからも続けていくと熱く語っていました。

彼のyoutubeチャンネル『Hier kocht Alex』では、ヴィーガン料理とは思えないパワフルでヘビーなメニューの作り方を紹介しています。

以下の動画では、ドイツ料理『シュニッツェル(薄いトンカツのような料理)』のビーガンバーションを作っています。

お肉が使われていないことも全く気にならないほど、ボリューミーでとっても美味しそう!

会場でも、子供達と一緒によく料理をする話など、暖かい家族のお話を交えながら、とても美味しそうな料理を披露してくれていました。

そして、数あるブースの中で私が個人的に気になったのは、手作り石鹸の『Seifenmanufaktur』。以前、ポツダムを訪れた際に友人からプレゼントで頂いたことがあります。

香りがとても安らぐので、使わずに、お仕事の友としてデスクに大切に飾っています。

すべての製品は、植物性グリセリン、油、種子、乾燥ハーブ、花など、主に天然の成分で構成されています。彼らの想いや、高品質基準を満たす、小さな工場と共に一緒に製作しているのだそう。

ブースには、自然の香りが広がり、ここにいるだけで幸せな気分になりました。パッケージも、本当に可愛いものばかり。

どこのブースの前にも、人だかりで混み合っていました。会場の様子から、ビーガンカルチャーへの熱心さが伝わってきます。

そして会場で購入した料理を座って食べることができるカフェスペースでは、ピースフルな料理を囲んで、楽しそうに週末を過ごす人たちの笑顔と笑い声で溢れていました。

このイベントは、来年も開催されるそう。

人々の平和を願う心と共に常に進化していくビーガンカルチャーへ逢いに、足を運んでみたいと思います。

VEGGIE WORLD : https://veggieworld.de/


KiKi
西伊豆の小さな村出身。 2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科副手を3年間務めながら、フリーのイラストレーターとして活動開始。カラフルな色合いのイラストを得意とし、独自の世界観を描いている。2016年夏より、『オペア留学制度』を利用してドイツ・ベルリンに移住。2018年夏、アーティストvisaを取得。引き続きベルリンを拠点にイラストレーターと、自身の経験や海外の情報などを発信するライターとしても活動している。

ポートフォリオサイト : http://kiyonosaito.com/ Instagram : @kikiiiiiiy

【ドイツのパワースポット】シェーネベルク南地域自然公園

こんにちは、べジィ編集部です。ドイツに在住のイラストレーター・KiKiさんに、
ドイツのパワースポットについて書いていただきました。

【ドイツのパワースポット】
シェーネベルク南地域自然公園
Natur-Park Schöneberger Südgelände

3月の最後の日曜日。

太陽の光が部屋の窓から差し込んできて、幸せな気持ちに包まれました。
寒い曇りの日が長く続く冬が終わり、ベルリンにもやっと春がやってきた様です。

薄着の上着に衣替えをして、電車に乗り込みます。
目的地は、『シェーネベルク南地域自然公園(Natur-Park Schöneberger Südgelände)』です。

この公園は、元は広大な鉄道の操車場。
長い間ベルリンの主要駅だったアンハルター駅が使われなくなり、
その近くにあった操車場であるこの場所も役割を終えました。
その後、少しずつ自然たちが息を吹き返してゆき、残された18ヘクタールの面積に
「原生林」が生い茂る幻想的な場所に生まれ変わります。
一度新しい貨物駅の建設計画が持ち上がりましたが、
自然に多くの関心を持っている市民たちが猛反対。この計画はなくなりました。

現在は環境保護財団からの財政支援を得て、美しい野生の自然を感じられる公園として運営されているのです。

そんな市民から愛される自然公園に、今回は行ってみることにしました。

電車に揺られること、30分。Priesterweg駅を降りると目の前が、『シェーネベルク南地域自然公園(Natur-Park Schöneberger Südgelände)』です。

入場料の1ユーロを支払い中に入ると、公園前の広場では『春のお祭り』が行われていました。

子供向けの遊びや、ワークショップが行われているようです。子供たちの楽しそうな笑い声が響き渡ります。今日はお天気の良い、日曜日。たくさんの家族連れで賑わっています。

彼らが座っているのは、芝生の椅子。

座り心地が気になって、私も少し座ってみました。アルプスの少女ハイジのベッドを連想してふわふわなのかなと思いきや、以外としっかりとした座り心地でした◎

さあ、早速公園の中に入ってみましょう。

中に入ると、木々たちが勢いよく生い茂る森が広がっていました。その中に細い道があって、それが私たちに森の中の歩道として提供されているみたいです。

ここで、深呼吸。緑の味が、肺いっぱい。鳥たちのさえずりも、とても心地の良い音色です。

この細いなが〜い道の、両サイド。よくよく、見てみてください。
ほら!

そう、もうすでにあたり一面が電車の線路なんです。

そして生き生きとした野生の木々たちが、線路の上をまるで闊歩しているかの様に、堂々と生い茂っています。

この木は、なんだか踊ってるみたい。

日常生活では、なかなか見かけることのない面白い自然たちの姿を見つけることができて、なんだかつられて笑みがこぼれます。

この公園を歩いていると、主役は自然たちで、私たちは彼らの住処にお邪魔しているんだなあと、強く感じます。

さらに奥の方まで歩いて行くと、周りの景色がひらけてくるところに出てきました。

この木たちは、なんだか、立ち止まって森の外の景色を眺めて楽しんでいるみたい。

森の外の向こう側には、現役で走る電車たちの様子も見ることができます。

時々すれ違う電車たちを見るたびに、なんだかノスタルジックな気分になります。

公園をぐるっと一周して最初の場所に戻ってみると、また子供達のはしゃぐ声が聞こえてきました。気になって、向かってみました。

子供達が集まって、遊んでいるのは…

サビれた、ネジたち!

このスペースは、子供達が自由に遊ぶ場所として解放されていて、あたりには操車場で昔使っていた道具たちが、”遊び道具”として並べられています。

操車場が廃止されて、もう使われなくなってサビれたネジや何かの部品や装置たちも、子供たちの豊かな想像力が加われば最高の遊び道具アイテムへと大変身していくのです。

なんでも最高の遊びに変えてしまう子供たちも、このアイディアを考えて、このスペースをつくった大人たちも、なんて素敵なのだろう、感動しました。

人間たちがつくった、鉄道の操車場。それが使われなくなって、自然たちがまた生き生きと暮らし始めた場所。

それを美しいと思った市民達が、この場所の保護を決め、自然公園として共存していくことを決めました。木々たちも、訪れる私たちを優しく迎え入れてくれているように感じます。

まさに自然と人間たちが歩み寄って、仲良くしていくとはこういうことなのではないでしょうか。

常に新しいものをつくり出さなくても、すでにあるものの見方を変えたり、少しのアイディアを加えれば、それはとても素敵なものに生まれ変わる可能性をすべてのものが持っている。

そんな大切なことを全身で感じられる、パワースポットでした。

シェーネベルク南地域自然公園(Natur-Park Schöneberger Südgelände)
住所:Prellerweg 47-49, 12157 Berlin
時間:朝9時から、日が暮れるまで。
入場料:1ユーロ(14歳以下は無料)
URL:www.suedgelaende.de


KiKi
西伊豆の小さな村出身。 2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科副手を3年間務めながら、フリーのイラストレーターとして活動開始。カラフルな色合いのイラストを得意とし、独自の世界観を描いている。2016年夏より、『オペア留学制度』を利用してドイツ・ベルリンに移住。2018年夏、アーティストvisaを取得。引き続きベルリンを拠点にイラストレーターと、自身の経験や海外の情報などを発信するライターとしても活動している。

ポートフォリオサイト : http://kiyonosaito.com/ Instagram : @kikiiiiiiy

 

世界のVeggy Peopleに聞く、食とライフスタイル — デーヴ・ストリンガー(2)

インドに古くから伝わるヨガの練習のひとつで、マントラを唱え、それを唱え返すようにして行う合唱、キルタン。「歌う瞑想」とも呼ばれるその音楽は今、ヨガの世界を超えて世界中で楽しまれています。そんなキルタン・ムーブメントの中心的存在であるデーヴ・ストリンガーにお話を聞いてきました。

デーヴ・ストリンガー Dave Stringer

世界的に広まっている新しいキルタン・ムーブメントの中でも最も革新的なアーティスト。2000年より、北米、欧州、アジアを継続的にツアーし、キルタンのファンを広げる。2011年10月、東京でキルタンのパフォーマンスやワークショップを行う予定。詳しい情報はhttp://davestringer.com/まで。

Kirtan in Yoga
ヨガにおけるキルタン

キルタンはヨガにおいても重要な役割を担っているよ。現代のヨガのムーブメントが始まる前は、ヨガとは主にチャンティングと瞑想によって構成されていて、ヨガの哲学は歌われることで学ばれていたんだ。

ヨガにおけるアサナ(注5)と、単なる運動の違いのひとつが、呼吸に対する意識だ。動きながら意識的に呼吸をすることで、運動とは異なる体験ができる。これが俗にいうヨガにおける呼吸法だよ。そして歌うことも呼吸法のひとつと言える。歌うためには呼吸を整え、完全に意識する必要がある。そしてそうすることによって、アサナであってもキルタンであっても、神経物質状態が変わるんだ。歌うという行為は自然にこれをもたらしてくれるだけでなく、喜びに満ちた要素がそこに加わり、結果的に至福をもたらしてくれる科学的物質アナンドアミド(アナンダはサンスクリット語で「至福」を意味する)が脳内からあふれ出るようになる。

僕は、キルタンには僕たちがそれぞれ抱える課題に光を灯す力があると思っている。歌っている

と、突然いろいろなことが意識に現れ、個人的な問題が鮮明に見えたりしてくる。この過程を受け入れることで、自分の中で抑え込んでいたものが解放できたりするんだ。不必要なものを取り除き、抑制しているものを手放すための手法になるんだよ。これは僕たちの感情を司る神経系にも働きかけるため、精神的なマッサージを受けている感覚に近いんじゃないかな。ある意味、キルタンは心のためのアサナのようなもの。強く柔軟になりたければ、鍛えなくてはならないんだ。

From Vegetarianism, to Awareness, to Conscious Eating
ベジタリアンから気づき、そして意識的な食生活へ

チャンティングを始めたころは、ベジタリアンのアシュラムで生活していたよ。毎日ヨガをしてチャンティングすることで、自然に動物性のものを消費することに興味が無くなっていったという感じかな。同時にすべてがつながりあっていることに対する意識が高まり、自分の存在と選択が周りのすべてに影響を与えていることにも気がついたよ。

僕は未だに基本的にはベジタリアンだし、ベジタリアンの食事が入手できるのであれば、この食生活で十分。でも、世界中を旅しているので、時には形はどうであれ、その土地に対する寛容さやオープンな精神を受け入れなければならない状況もあったりする。そんな時は与えられた食べ物を、愛情のこもった捧げものとして受けとめるんだ。

これこそが、ヨガが教えてくれることだと思う。「自分なりの主義主張はありつつも、時には自分の規範を超えたところで行動を修正する必要もある」。それを知っておくことだね。例えば、強いイデオロギーだけで立ち向かうよりも、思いやりを持って寛大に人に接する方が結果的に良かったりする。例え自分自身は一度たりとも動物性製品に触れたことがなかったとしても、それを広げようとす

るときには、相手に動物性製品を完全に諦めるよう指図するよりも、食べる量を減らすように求めた方がきっかけになりやすかったりするしね。

そして肉を食べるならば、そのときは深い敬意と尊敬の念を持って、意図的に食べる必要があると思うんだ。そうすると肉を食べる行為はごく稀になっていくし、謙虚さと感謝の気持ちにあふれた状態で食事をとるようになっていくと思う。食に対する考え方をこんな風に少し変える、それだけでも、とてつもなくパワフルになれるはずだよ。

Taking Small Steps Forward
一歩ずつ前に進むということ

10代のころ医師の父親がベジタリアンの食生活の利点に興味を持って、ある日突然、僕たち一家はベジタリアンになったんだよね。おもしろかったし、嫌いではなかったけど、周りの人の意見に左右されやすい年齢だったし、受け入れ難かったこともあるよ。

誰でも人生において何かを変えるためには、段階的に行う必要があるよね。物事をそれまでとは全く違う角度から見るためには、協力的な環境で良い体験をしながら、色々試してみる必要があるんだ。

ベジタリアンのことでいったら、ベジタリアンが増えるほど、もっと多くの人が楽にそのライフスタイルを送れるようになる。だからベジタリアンが増えるということは大切なことなんだ。でも、それを促すのが辛辣で批判的な手法では効果はないよ。なぜなら、人々が自分自身の意思でなりたいと思わなければならないから。ある意味宗教と似ているよね。宗教を人々に強制したとき、それはリアルなものでなくなってしまう。自由に選ばれたときにのみ通用するもの、というのがいくつかあるけれど、これもそのひとつなんだ。

だから僕たちがしなければならない重要なことは、ベジタリアンとしてのいい体験を人々に提供すること。そして本当に美味しいベジタリアン料理を作ることに専念し、ベジタリアンの倫理について隠さず語り合うこと。それに僕たち一人ひとりが世界に与えている影響を深く考えることも大切だよね。こうすることで、他の人たちが自ら気づくきっかけを与えることができるし、より多くの人々が賛同するようになれば、ベジタリアンのライフスタイルを維持することもより簡単になってくる。これもヨガから学んだことだよ。批判するのではなく、試み続けること。どんなに長い道のりであったとしても、何でも小さな一歩から一つひとつ歩き出す必要があることを忘れてはならないと思っているんだ。

注5【アサナ】サンスクリット語で「座る体位」や「安定した座」を意味する。ヨガにおいては、ポーズという意味で使われる。

Interviewer & Text

堀江里子/Satoko Horie
パリ生まれの日本人。パラインパクト/ヨガジャヤのマネージングディレクター。世界各国を旅し、土着の文化に溶け込むことを楽しむ家族の元で、国際人として育てられる。南極以外の大陸をすべて旅した彼女は、未だ見ぬ土地や人々に接し、全く新しいモノの見方を発見することを愛してやまない。常に新しい領域や限界にチャレンジする人生の探求者としての日々を満喫している。

雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.15より抜粋

世界のVeggy Peopleに聞く、食とライフスタイル — デーヴ・ストリンガー(1)

インドに古くから伝わるヨガの練習のひとつで、マントラを唱え、それを唱え返すようにして行う合唱、キルタン。「歌う瞑想」とも呼ばれるその音楽は今、ヨガの世界を超えて世界中で楽しまれています。そんなキルタン・ムーブメントの中心的存在であるデーヴ・ストリンガーにお話を聞いてきました。

デーヴ・ストリンガー Dave Stringer
世界的に広まっている新しいキルタン・ムーブメントの中でも最も革新的なアーティスト。2000年より、北米、欧州、アジアを継続的にツアーし、キルタンのファンを広げる。2011年10月、東京でキルタンのパフォーマンスやワークショップを行う予定。詳しい情報はhttp://davestringer.com/まで。

The Kirtan Experience

キルタンという体験

僕とキルタンとの出会いは予想外のものだったよ。当時、僕はテレビコマーシャル、ミュージックビデオなんかを編集しながら、スピリチュアルな世界には特に関心も持たずにロサンゼルスで生活をしていたんだ。それでいて、スピリチュアルな組織に雇われて、インドに行って映像を撮る仕事を任された。それまでになく奇妙な仕事のオファーだったけれど、お金も仕事もなく、インドに行ったこともなかった僕には断る理由が見つからなかったんだよね。

行ったとたん、何の知識も持たないうちにアシュラム(注1)でキルタンを紹介された。良かったのは、何かの信仰を持つようにとは求められず、ただ単純に体験に参加してくれと誘われたこと。何かしらスピリチュアルなことに関わろうとすると、独断的であることが多かったから、僕はこのアプローチが好きだったよ。そこではむしろ、「信じなくていいから、ただチャンティング(注2)して。その体験が何をもたらしてくれるかを見てみなよ」っていう感じだったし、興味をそそられたんだ。

サンスクリット語のマントラ(注3)を歌うんだけど、最初は意味不明に思えたよ。でも、一見、意味不明なものを唱えているうちに、いとも簡単に自分の心が静かになることに気がつくようになったんだ。ただ歌う。それだけで、とても簡単に「今この瞬間」という一瞬に自分を引き戻すことができて、リラックスしつつも不思議なわくわく感を感じる境地に入り込める。だから、もっとチャンティングしたいと思ったし、結果的にアシュラムで生活していた2年間、これを学ぶことになったんだ。

ロサンゼルスにようやく戻った時は、ヨガムーブメントが始まりだしたばかりで、僕も他のヨガの先生と共に、いくつかの刑務所でチャンティングや瞑想を教える社会奉仕活動をするようになった。とてもパワフルな体験だったよ。スピリチュアルな考え方を明確に伝える方法を学んだし、自分の体験から話をすることで、まったく異なる生き方をしてきた人々とわかりあえることができたんだ。

同じタイミングで、いくつかのヨガスタジオが僕を招待し始め、人が集まるようになっていった。気がついたら自分のCDをリリースするまでになって、アメリカ中で演奏していたんだ。それからヨーロッパ、オーストラリアと世界への扉が開いていった。そしてあらゆる場所にネットワークを持つ人々と色々な国々で出会うことができた。物事がどれほど素早いペースで進み、皆がどれほど互いにつながりあっているかを象徴しているよね。

Kirtan as Art
アートとしてのキルタン

キルタンはもともと、スピリチュアルなものを大衆に戻そうという15世紀インドのバクティ(注4)・ムーブメントから来ているんだ。当時、ヨガにおける「神聖な真実」は誰の中にも平等に存在するという考え方があるのにもかかわらず、その真実が特定の人々に限定されていたという矛盾が生まれていた。「ヨガとは皆のものである」という本来のメッセージを伝えることを目的にバクティが生み出され、キルタンはインド全域に広まっていったんだ。

キルタンはアシュラムやヒンズー教と関連づけられていることが多いけど、それはちょっと違うかな。ヨガは組織化された宗教や孤立したアイデンティティーを超越した場所へと僕たちを導いてくれるものだからね。キルタンの精神は、常に誰もが平等となれる境地を明確にすることにあり続けてきた。でも残念ながらバクティ・ムーブメントを西洋に広げて行った人々の多くはキルタンを宗教的なものとして体験したこともあって、キルタンにカルト的なイメージが与えられてしまいがちなんだよね。

僕自身の体験と視点は、宗教を超えたところにあるから、宗教的であることには抵抗してきたんだ。これはきっと、何もキルタンについて知らなかったのにもかかわらず、僕自身が深い体験をしたからだと思う。だから僕はキルタンとは別次元の世界へと僕たちを目覚めさせ、刺激し、挑発するアートのようなものだと捉えているんだ。古典的な芸術であれば受け身で見聞きするけれど、キルタンは見聞きしている者を直に参加させ、体験させながら引き込んでいく。まさに現代アートと言えるよね。

キルタンのコンサートで初来日する際は、美術館でイベントをしようと計画している。これはとても意義深いことだと思う。美術館は恍惚と驚きの寺院でありながら、独断的な考え方やイデオロギーに縛られていない。これこそヨガの教えだと思うから。だからキルタンが宗教か、と聞かれれば、そうじゃないと答えるんだ。むしろアートであり科学であり、それ故にとてつもなく現代的なんだよ。

(2)へ続く

注1【アシュラム】元々は、インドのヒンズー教の修行道場。現代では、ヨガを学ぶための道場や僧院のことを指すことが多い。

注2【チャンティング】いくつかの音程やリズム、節を持って祈りを捧げること。ヨガにおいては個人、もしくはグループでマントラを唱える。メロディーをつけて歌うようにすることも。

注3【マントラ】サンスクリット語で「文字」や「言葉」を意味し、日本語では「真言」と訳される。祈りや瞑想の際に唱えられる、インドのヴェーダ聖典からの言葉。ヨガの練習においても唱えられている。

注4【バクティ】献身、絶対的な信愛。自己の感情や行動、思考などの全てを聖なる存在に捧げること。

Interviewer & Text

堀江里子/Satoko Horie
パリ生まれの日本人。パラインパクト/ヨガジャヤのマネージングディレクター。世界各国を旅し、土着の文化に溶け込むことを楽しむ家族の元で、国際人として育てられる。南極以外の大陸をすべて旅した彼女は、未だ見ぬ土地や人々に接し、全く新しいモノの見方を発見することを愛してやまない。常に新しい領域や限界にチャレンジする人生の探求者としての日々を満喫している。

雑誌veggy(ベジィ)バックナンバーVol.15より抜粋

 

 

樹齢約900年のベルリン最古といわれる巨木‬、『太っちょマリー』 _KiKi

こんにちは、べジィ編集部です。ドイツに在住のイラストレーター・KiKiさんに、ドイツのパワースポットについて書いていただきました。

 

樹齢約900年のベルリン最古といわれる巨木‬、
『太っちょマリー』

KiKi

こんにちは、イラストレーターのKiKiです。

太陽の光が見える日が、だんだん増えてきました。ドイツ・ベルリンにお引越しをしてから3回目の春が、もうすぐやってくる気配を感じています。

ベルリンが好きで長く滞在している理由は、2つ。大好きなアートが守られて生きている街だということ。そして、自然との共存を大切にしていること。

『自然の共存を大切にしている』というより、それが『当たり前として日常に溶け込んでいる感覚』、の方が表現があっているかも知れません。

日々のストレスや疲れは、自然と共に過ごすことによって癒され、解消されることを、ドイツの人たちは本当によく知っているなと感じます。

お天気の良い週末の公園は、寝転んで本を読んだり、ピクニックしながら友人とゆっくりお話をしたり、何もせず、ただぼーっとしている人たちで溢れかえります。冬の日照時間がとても少ないこともあり、太陽の光のありがたさも、よく知っているのです。

実は上のお写真。シャルロッテンブルク宮殿の、広い広いお庭なんです。お城に近い部分は観光客で溢れかえる一方、奥の方のさらに緑濃い場所で、地元の人たちはこんな楽しみ方をしています。笑

ドイツの首都であるベルリン。もちろんオフィス街もあるし、車がたくさん通っている大きな道路もあって、ショッピングモール、お洒落なカフェ、美術館、歴史的建造物など、大都会と観光地の要素は盛りだくさん。でもそれと同じくらい、心地よい間隔で自然にもすぐに逢える街なんです。

そして『自然と共存する』ことの重要さを知っている街の人たちに大切にされている緑たちは、なんだか特別あたたかいパワーをもらえる気がするのです。

そこで、ベルリンで見つけた『自然パワースポット』をぜひ皆さんにご紹介していきたいと考えました!今回は私が一番大好きで、暖かくなったらよく逢いに行く”彼女”について、お話しますね。

 

樹齢約800〜900年のベルリン最古といわれる巨木‬、『太っちょマリー』。

彼女は、ベルリンの西側にあるとても美しい湖『テーゲル湖』の隣にある森に住んでます。

地下鉄U6に乗り、Alt-Tegel駅を下車。テーゲル湖へ向かいます。湖沿いの散歩道をのんびり歩いていくこと30分。少し森側に近付く道があります。そこの奥に、彼女は静かに立っています。

彼女の名前は、『太っちょマリー(Die Dicke Marie)』。
ベルリン最古の木で、樹齢は推定900〜800年。そう、ベルリンの街の歴史より古いのです!直径6.65メートル・高さ26メートルの絵本に出てきそうな、大きな、大きなナラの木。

度重なる戦火を逃れ、ずっとこの地でみんなのことを見守ってきました。そんな彼女は天然記念物に指定され、街の人たちに愛され続けています。

もう少し近づいて見てみましょう。

下から見上げたとき、彼女の幹越しに見える青空と太陽の光がキラキラしていて、とてもすてき。

彼女の名前『太っちょマリー』の由来には、こんな昔話があります。

テーゲル湖の近くにあるテーゲル城で育ったフンボルト兄弟は、森へ冒険に出かけることが大好きでした。ある日、その冒険の途中で巨大なナラの木に出逢います。

彼らはその大きさにとても驚き、それと同時に彼らの大きな料理人『マリー』のことを思い出しました。そのことから、多くの人たちが親しみを込めて『太っちょマリー』と呼ぶようになったそうです。きっとふくよかな、笑顔が素敵な料理人だったのではないかなと思います◎

そんな、どっしりと構えた彼女に、手をかざしてみましょう。

彼女のあたたかさが、手のひらから伝わってくるよう。

散歩している人たちは、みんな彼女の前で足を止めます。挨拶をしたり、ハグをしたり、深呼吸をしたり、見つめあったり。前に置いてある長椅子に座って、友人と楽しいおしゃべりを始めたり。彼女と一緒に過ごす空間と時間を楽しむのです。

私も10分間ほど、『太っちょマリー』とハグをして深呼吸。肺が、美味しい緑の匂いで、いっぱいになりました。そして、心は優しい気持ちでいっぱいになりました。

もしベルリンまでこられた際は、ぜひ『太っちょマリー』に会いに行ってみてください。彼女からたくさんのパワーをもらえるはず。

アドレス:An der Malche 113507  Berlin 『Die Dicke Marie』

”自然と共に生きる”魅力にぜひ触れてほしい。

よく行く図書館の前にある、木株くん。

ベルリンでは『太っちょマリー』だけではなく、街のちょっとしたところにも、こんなほっこりするような可愛い木株くんに出逢えたりします。

まだまだ、たくさん紹介していきたい、ベルリンの”自然パワースポット”。お写真と文章からでも、このパワーが伝わりますように。

そして、これを読んでくださったあなたも、ぜひ週末に身近な自然たちに逢いに行って、パワーをもらって来てください。自然に触れること、お休みすること、深呼吸をすること。それは自分らしく生きるために、とても大切なことです◎

 Profile



KiKi

西伊豆の小さな村出身。 2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科副手を3年間務めながら、フリーのイラストレーターとして活動。カラフルな色合いのイラストを得意とし、独自の世界観を描いている。2016年夏より、『オペア留学制度』を利用してドイツ・ベルリンに滞在。2018年夏、アーティストvisaを取得。引き続きベルリンを拠点にイラストレーターと、自身の経験や海外の情報などを発信するライターとしても活動している。

ポートフォリオサイト : http://kiyonosaito.com/ Instagram : @kikiiiiiiy

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